動物園を舞台にしたシリーズ1作目。
よく見かける獣人BLとは違いました。
獣人といえば人に獣要素を足したような性格のお話をよく見ますが、こちらは獣に人間要素を足したもの。あくまで動物なので、思考が感覚的だったり、葛藤シーンが他とは違う感じが新鮮で面白かったです。これが本当の獣人BLかと思ってしまいました。
オムニバス形式で、3カップル分の様々なパターンを楽しめるので自分の新な好みも見つけられるかもしれません。
何より短編なのに、それぞれのお話が綺麗におさまり大満足の一冊でした。
濡れ場多めと、ソフトSM、妊娠が大丈夫であれば楽しめると思います。オムニバスなので、小説が苦手でも読みやすいかなと思います。
因みに、お気に入りは表題作『彼パン』のパンダ蓮蓮です。
内容は完全にコメディー。
倒産危機に面したシリアス展開な筈なのに笑わせてきます。
テンポよく話が進む場面は面白かったです。そのぶんサーっと流して読むのがいいかなという印象を受けました。キャラのわちゃわちゃした掛け合いがハマります。叔父さんの口の滑らせ具合、開き直りもなかなか。
話は面白かったのですが、いつも読んでいる文章と違ったのでなれるまで読みづらかったです。(この作者様の話は初めて読んだので他作品はわかりませんが)
モノローグで話が進むため、モノローグの間に長いセリフが入り、セリフ後にモノローグの続きが突然くるので「なんのことだっけ?」となることが多々ありました。掛け合いどきのモノローグは集中させてくれという気持ちにも…。
こちらの作品はドラマCDも聴いたことがあるのですが、CDの方がおすすめです!