コールドシリーズ最終巻。
ひたひたと伏線のようにひたむき一途に演じていらっしゃった羽多野わんこ様が第一声目で豹変します。
原作既読で今後の展開を知っていてもぞくりとする絶望の足音を感じました。
記憶を取り戻し、6年間の全てを忘れてしまった透の不安と苛立ち、そして誤解から暴力で藤島さんを支配していく様が、粗野なんだけど臆病さと繊細さを感じさせる絶妙な演技から不安定を感じることができて、藤島さんに対して同情する感情と同時に透に対しても感情移入することができて大変素晴らしかったです。
最後の透の慟哭とも呼べるような魂の叫びに心を揺さぶられました。本当に素晴らしかったです!
このCDを聞いて羽多野さんの表現力の高さに感動してファンになりました❤️
前作通して本当に素晴らしい作品です!
藤島さんの目線でお話が進んでいく、コールドライト。
野島さんの少し暗い雰囲気のモノローグがお話のやるせなさを際立たせています。
誰がいけないのでしょう…とてもやるせないです。木原先生の作品に多く感じるこの気持ち。
藤島さんのしたことは酷いですがそれも弱さゆえ。過去の透は幼すぎて非はないですが、大人になってからは不安定な幼稚さを感じます。もちろんそれは仕方のないことですが。
皆さんも書いていらっしゃいますが、お母様……かなりやばいです。狂気に満ちています。
お母様の頭がおかしいからいけないのですが、こういう人っていますよね。異常に身びいきで排他的な人。
人を人とも思わない感じがリアルに表現されていて、透を打ち据えながら叫ぶシーンは言葉通り耳が痛かったです。まさに狂気です。
過去シーンはとても辛くて、藤島さんが透に対して持っている複雑な感情がとてもよくわかります。
贖罪の気持ちを持ちながらも透の気持ちを受け入れたい、でも出来ない。
何が正しいのか、どうしたらいいのか八方ふさがりで、聞いている私もどうしたらわからなくなってしまいました。本当に素晴らしい演技と構成。引き込まれます。
最終巻のコールドフィーバー…
どんな風に透が豹変するのか怖いです
まさかの攻め受け逆転!
結構びっくりしました。…よく考えたら身長が抜かれて引っ越しやで肉体改造され始めた時点であり得る展開でしたね。
上巻では攻めの加納くんを良くも悪くも導いてきた山田は田舎の人情ヤクザの下っ端でしたが、下巻では舞台が東京に移り大きな組の経済ヤクザ惣一さんの側近につきます。
優秀でスマートなインテリヤクザの惣一さんに心酔した山田は惣一さんに懸命に尽くします。惣一さんも身を呈して自分を守った山田を可愛がり物や食事を与えます。
良好な関係が続いていましたが、徐々にその関係に暗雲が・・。
山田の大切にしている加納がアルバイトとして自分の世界にやってきてしまいます。
詳細は割愛しますが、惣一さんに加納を自分の世界に巻き込みたくないと訴えても聞き入れてもらえず、子分の良太が美人局に失敗し敵対する組織に拉致られた時も見捨てられ、惣一やヤクザ社会に対して抱いていた疑似家族妄想が崩壊し現実に引き戻されます。
山田は惣一の側近をやめたいと申し出、惣一は嫌がらせのようにデブの仕手師を殺すように命じます。
山田は根っからの悪人ではないし、組織に裏切られたような気持ちで仕手師を逃がしてしまいます。そして自らも逃亡することに。
家族だと信じていた組織に裏切られ傷ついた山田が頼れ信頼できるのは加納しかいませんでした。縋るように助けを求めた山田を加納は、気の弱い大学生とは思えないほどの行動力で、まさに命をかけて逃がし守ります。
この時に、二人は結ばれるのですが、極限状態の中での逢瀬。
恋や愛、生と死、信頼、友情、複雑な感情がごったになった生々しいリアルさがありました。
上巻はわりかしほのぼのした展開でしたが、下巻は目を背けたくなるような痛々しい場面が盛りだくさん。
ラストはハッピーエンドですが、木原先生の作品なのでもちろん甘いシーンはちょっぴりです。
でも希望の見えるラストでよかったなぁっとホッとして読み終わりました。
とても素敵な作品だと思います。
よかった〜〜!
原作を初めて読んだ時、新藤と葉鳥のCPが好きで、上条と瀬名はイマイチかなと思っていたのですが、
読み直し&CDを聴いて上条の無頓着でオヤジ臭いけど優しくて大らかな性格、瀬名の超ツンなんだけど、甘えたで可愛い組み合わせにズキュンとしてしまいました。
そして、森川さんの上条は情けない感じがよく出ていてぴったりだし、興津さんの瀬名が最高に可愛かったです。興津さんの受け…ツヤっぽくて赤面してしまいましたw
逆に新藤さんはイメージよりおっさんっぽい感じがしました。でも、落ち着いた感じでいいのかな?
葉鳥は鋭さと危うさがよく出ていてとてもよかったです。
お話自体は、シリアスな推理物なのですが、他の方も書かれていますが、上条のコミカルなモノローグが良い意味で抜けていて、お話の雰囲気を軽やかにしています。
原作既読。エスシリーズの中で一番好きな回です。
永倉さんが泣かせます。
人間臭い男の中の男という感じです。本当に素敵すぎます。
黒田さんの野性味のある声もぴったりで、本当に胸が苦しかった。
胸を掻き毟られるような切なさがあります。
永倉さんも真央もお互い本気で好き合っているのに複雑な感情が絡み合い結ばれなかった。
永倉さんはその気持ちを椎葉にぶつけます。でも、本当に伝えたい、愛したい相手は別にいる。
でもその思いは永遠に伝える気は無かったし、それも叶わない状態になってしまう。
永倉さんが撃たれた後、真央が拳銃の隠し場所を告白したシーンで、その理由とその結果が本当にやりきれなかった。辛い、本当に辛かった。
椎葉の首筋に付けられた噛み跡が残ってるのも消えてしまうのも寂しい・・そんな風に感じてしまいました。