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ギフト コミック

明治カナ子 

好きがあふれてる短編シリーズの続刊。

地獄行バスの続刊です!
表紙のイメージが全然違ったので続刊と知りビックリしました。
カンちゃん麗しい~、修カッコいい~(笑)
なのに中身は相変わらずのラブラブバカップルです(笑)

日常系のお話なのでこの巻からでも読めますが、ぜひ「地獄行バス」を読んで二人のラブっぷりを確認してから読み進めていただきたい。
二人の恋愛模様を短編で読み進める作品シリーズです。

付き合い始めて同棲して、初めて気づく相手の悪い部分や気になる癖や行動。 そういったものが全部愛でカバーされちゃってます(笑)
オシャレが命の洋服バイヤー・カンちゃんに、ジャージがあればそれでいい整体師・修(実は一族はお金持ち)。
全然違う価値観の二人なのに、すれ違ってても喧嘩しても相手の事を一番に考えて全て収まる感じ。
きっと、お互いが「自分の方が相手をより愛してる…フフフ(したり顔)」と思っているんだろうなぁ~って思えて楽しい。
エッチライフも健在です!倦怠期って何?ってくらい充実してます(笑)
修はいつでもカンちゃんにムラムラしてるし、カンちゃんも無理~といいながら修に夢中です。
本当、お似合いの可愛い二人です。
幸せカップルのお話、ぜひ見てみてください。
(地獄行バスシリーズのギフト他5篇+オマケ有り・カバー裏も要チェック☆)

※「ギフト」には同時収録として2つ別作品が入ってます。

「赤目歳時記」…
“同性カップルの苦悩”
家族と絶縁している同性愛者が病気になったら…。
これは現実にある問題で、セツナイお話です。
でも愛がそこにあってよかった…。

「反芻回路」…
“良いこと、悪いこと、頭の中で反芻する”
暗いお話かと思いきや、実はとっても幸せなお話。
体の中からあふれそうになる感情を必死に抑えてるのが面白い。
小さな幸せかもだけど、笑顔にさせられました。

笑っちゃうくらいお似合いな二人☆

いや~、いい意味で騙された(笑)
「地獄行バス」シリーズは、価値観も性格もまったく違う二人の恋愛模様を短編で読み進める作品です。
これ…一話目が許せるか許せないかで、今後の作品を楽しめるかどうかが変わってきそうな気もします。
修サイテーという印象から抜け出せない方もいるかもしれません…。
お話事態は一話目以外どれもクスッとしたり、あるある~とか解る
わ~と共感できるような日常のお話。
明治さんの作品には凄く痛いお話もあるので、出だし…実は覚悟しました(笑)
コイツ(修)最低だな!と、カンちゃんが可哀想でプンスカしたもんですが、最後(4編読後)には…なんだよバカップルかよ!可愛いな!!(笑)と私は楽しませてもらいました。
お互いが本当に大好きなんだな~と感じられて幸せな気分にさせてくれるシリーズです。
(エッチがね、本当エッチィですので苦手な方はご注意を☆個人的には幸せそうなエッチで大変満足でした(笑)カバー裏も見てね☆)


「夜の女王」(3編)…評価 萌
“目が覚めたら誰もいない恐怖”
幼少期に親に眠剤を飲まされ、眠っている間に夜逃げされ捨てられた貴志は、それ以来目覚めた時に人がいないことを恐れるようになる。
叔父夫婦に引き取られるも捨てられまいと必死にいい子でいた貴志を思うとツライのですが、内容は凄く重いはずなのにそんなに暗くならずに読める不思議な作品です。
一番症状が酷かった時期に引き取られた先にいた、まだ小さな子供・輝が貴志の発作を抑える薬のような存在になってしまったんでしょう。
執着から輝の成長が嬉しくなかったり複雑な感情を抱えている。
大人になり家を出たけど、相変わらず悪夢を見る為、週末はデリヘルを呼び人肌に安眠を求める貴志。
そんな彼に恋心を抱いてしまったデリヘルボーイのヒラくん。
このヒラくんがまたセツナイ…。
三角関係?それぞれにそれぞれの思いがあります。
最後はそう悪くない未来が待っていそうな、そんなラスト…
私はこの話好きでした(笑)
キーワードはトラウマ・デリヘル・家族愛

“俺たち一緒にゆっくり大人になろう…”

好きになった男と親友が険悪で、自分の存在を無視して張り合っている。
同じところまで降りて来いと挑発する木津に、後悔するなよと受けて立つ良太。
そんな奇妙な状況にブチギレた鉄央は…とっても男前でした(笑)
鉄央の男っぷりに惚れぼれします。

荒んだ付き合いの結果しっぺ返しをくらい痛い思いし、友情を諦めない鉄央に目が覚める良太。
もう大丈夫…そんな風に思えたはずだったけど…、
今度は家庭の事情で木津にタイ(国外)行きの話がもちあがり…。

子供の頃って、こういう様々なままならない事柄に悩んだり怒ったり、
理不尽に苦しめられることがある。
高校時代の遠距離は、友情ならともかく恋愛なら離別を意味するくらい大きな出来事だろうし、二人の関係も危うくなります。

常に父親に振り回されて、二人の弟の面倒をみつつ、苦労している母を支え、不自由をしいられる。
そんな環境の中で木津は一人、早く大人にならざるを得なかった。
その上今度は国外で仕事を手伝えときたものだから、たまったもんじゃない。
何もかもが面倒になり、すべてを…鉄央も含めて何もかも切り捨ててやろうかと考えるまでにいたります。
クールに見えても心の中では嵐が吹き荒れているのです。
大人びているからといって、中身が本当に大人なわけではないですものね。
相談もせず、誰にも頼らない木津を見て鉄央は「そうやってお前は俺を殺すんだな。」と、人は一人では生きられないんだと諭します。
木津を心配する友達が何人もいることを、気付こうとしない木津に教えてあげるのです。

そして彼らが出した結論は…。

恋に愛に友情に…素晴らしい青春の2年間、ここに完結です。
出会えてよかったと思えた素晴らしい作品でした!

この3巻ですが、あふれそうなプール・スピンオフ「HIKONE」と
読み切り「手当たり次第にオスを刺す 君は最悪のキス」同時収録です。

「HIKONE」…評価 萌×2
“あの人は俺たちをこの世に繋ぎ止める圧倒的な鎖なんだ”
木津のお友達、彦根明良(アキラ)の荒れた中学時代のお話です。
家庭に居場所のなかった彦根は単独で暴走族の輩を個別に襲撃し、怒りを発散させていたが、罠にかけられチームのリーダー鷹巣に監禁されます。
他の暴走チームもまた彦根に制裁を与えたがっていた為、粛清ゲームにかけられることになり…追い詰められる彦根。
弱さを認め、怒りを抑えることをできなかった彦根の慟哭を鷹巣が受け止めるまでのお話です。
これは一応非BLかな? でも彦根は可愛いし、鷹巣はカッコいいので話自体は残酷なんですが(粛清ですからね)最後はホッとできます。
そんな彦根も高校性になり、鷹巣が最後につぶやく言葉に悶えさせられる。非BLでも妄想力でニヤニヤさせられた作品。(笑)
キーワードは、十代・族・制裁・監禁・粛清。

「手当たり次第にオスを刺す 君は最悪のキス」
             …評価 シュミ外(ゴメンネ萌ヲ見出セナカッタヨ)
“俺とあいつの地獄への道行”
傲慢な轡とクールな真条の暴力的なお話。(共に高校生です。)
轡(くつわ)は政治家の父を持ち、マンションに一室を与えられたボンボン。
傲慢で、幼馴染の同級生大矢を教室で好き勝手に抱いて放置したり
(これ、真条の前でやるんです)やりたい放題です。
ゴロツキに真条を襲わせ、弱ったところを襲って自分のモノにしようとするのですが、真条もまた凶暴な悪だった(笑)
殺す勢いでやり返して轡のキスは最悪だと、「女にはならないけど、道連れになってやってもいい。」と、まさかの地獄への道行を約束する。
これもある種の愛!凶悪なコンビで将来が恐ろしい相棒誕生のお話でした(笑)
キーワードは暴力・道連れ。

※あふれそうなプール文庫版は各巻末に鉄央と木津が大人になってからのおまけ描き下ろしもあります。

“本気になってもいいんだな?”

恋ってもっと優しくてふわふわしているものと思っていた時もありました
(笑)

心と体をつなげても、どこかで男同士の関係を恥じているのではないかと
悩む鉄央。
好きだから受け入れた。
でもだからって男としてのプライドがなくなったわけでもなく
他人の体温に馴染めず動揺し、感情を持て余す。
そんな鉄央の迷いを敏感に感じ取った木津は探るように追い込んだり
突き放したりします。
恋愛はじめの色々探り合う感覚にドキドキさせられます。
一方、鉄央が男と付き合うことに荒れていた親友の良太は、鉄央に「お前
のことが大切だ」と言われたことにより、落ち着きを見せたかとおもった
のですが、やはり木津に鉄央を変えられていく感覚に激しい怒りがつのっ
ていきます。
友情からの嫉妬なのか、鉄央に恋をしてしまったのか、ぐるぐる廻る感情
の渦に良太のプールは凄いことになってます(笑)
木津は木津で余裕があるようでいて、実はそうでもなく鉄央と良太の信頼関係に嫉妬します。

それぞれがそれぞれの覚悟を決める2巻です。
(あふれそうなプールは全編通しての神評価です。)
この2巻ですが、半分はあふれそうなプール・スピンオフ「色悪」と
読み切り「触れない指先」同時収録です。

「色悪」…評価 萌
なんと良太のお兄ちゃん受! 
“女の目”を持つと例えられた良太兄の優市と、従弟の竜矢のお話です。
子供の頃、ツーリング・クラブ(暴走族)に所属していた二人の…誤解ゆえに
7年こじらせた関係に終止符を打つ。
この優市さん、首のほくろが色っぽいです。
本当に良太の兄ちゃんですか?というくらい(笑)
7年前チームのリーダー剛田が死んでから優市は荒んだ乱れた生活をおく
りますが、竜矢はそれを優が剛田を好きだったからと誤解したことで
真実が隠されてしまった。
これね、竜矢がカッコいいのですよ~、男気ってやつですか?男前!
「観念して俺のものになっちまえ」ってクラクラさせられました(笑)
キーワードは、極道・誤解・献身・従弟同士です。

「触れない指先」…評価 萌
“世の中とは理不尽な事が起こり得るもの”
学校に捨て駒扱いされた怒れる元スポーツ特待生永瀬と卒業生に暴行された経験から逃げてきた教師上月の危険な恋が始まるまでのお話。
学校は子供を守り、教育し、正しく導く…でも実態は、結局学校運営なんてビジネスなのよ~な理想と現実が描かれている。
飼い殺しにされた永瀬は、怒りを中指切断という学内事故で報復し、学内の腫物となるが、上月は見て見ぬふりをせず、その怒りを受け止めてやります。
キーワードは学園・年下攻め・怒り。

※あふれそうなプール文庫版は各巻末に鉄央と木津が大人になってからのおまけ描き下ろしもあります。

“嫌いになれない”は“好き”と同意なのか?

「人の心の中には水の入ったプールがあって、ちょっとした拍子にあふれてしまう…。」
読んだ時に“凄いな、私のプールも感動であふれそうだよ”と、思った作品です。(文庫本全3巻) 

男同士という葛藤を抱え、悩み・ぶつかりあいながらも、無かったことに
できない激情に振り回される、心より先に体が暴走しがちな16歳。
世界に二人だけなら悩みも少なくて済むけど、そうはいかないのが
世の中ってものです。
高校生…まだまだ子供で、親との関係や、友情、将来、沢山考えることがありすぎてパンク寸前。
なのに男に惹かれてる。なぜコイツだったんだろう?
好きになったその先には何があるのか…。
体をつなげたら男を捨てることになるのだろうか?
感情を持て余すメインの二人に、傍観し見守る者あれば、認められず荒れる者もあり、それぞれの気持ちが良くわかります。

学園生活を舞台に喧嘩したりバカやったり…友達っていいな…とか、
恋ってなんだろ?とか、そういえば自分も学生の時は色々悩んでいたな…と懐かしくなりました(笑)

16歳とありますが、中身は30overだろ!っていいたくなるくらい男前です。
というか、口説きが子供のそれじゃない(笑)
眼で殺すっていうか、眼で落とす? 色気ありすぎの危険な高校生達☆
はじめから仲が良かったわけでもなく、視線に気が付いてから波立つ心のプールに動揺する。
捕まったのはどっち? そんな感情の疑似体験してみませんか?(笑)

※あふれそうなプール文庫版は各巻末に鉄央と木津が大人になってからのおまけ描き下ろしもあります。

BANANA FISH 1 非BL コミック

吉田秋生 

そして彼らは生涯最高の友を得る。

※このレビューはストーリーに関しては過度のネタバレを避けていますが、作品をご存じない方に興味を持っていただきたい為、キャラクターのプロフィールバレがあります。 ご注意のほどお許しを…。
また、全巻+アナザーストーリーを含めた評価・感想となります。
 
死を招く魚(バナナフィッシュ)の謎には恐ろしい陰謀が隠されていた…!

連載は今から20年くらい前のものですが、今でもまったく色褪せない名作中の名作です。
色々語り尽くされた観でありますが、従来のファンのお姉さま方には
海より深い心でもって見ていただけると助かります。

物語初めの絵柄が好みに反すると挫折された方もいたかも…、
(「AKIRA」の大友氏に似ていたような…)
でも、それはとっても勿体ないことですよ~。
私見ですが、文庫本3巻2章のクライマックスぐらいから、とってもカッコよくセクシィー(笑/死語かな?)な絵になってくるのですよ~☆
バナナフィッシュの見どころはそれぞれのキャラクターの持つ魅力はもちろん、巧みなストーリー展開に激しく迫力ある戦闘シーンの見応えにあります。
たくさんの魅力ある男たちが出てくるのですが、アッシュの神がかり的カリスマの前にかすんでるかも(笑)
スラッと伸びた手足に美形の涙! 
非BLとはいえそれだけでも見応えありです!(笑)

主人公アッシュ・リンクスは17歳。
マンハッタンのストリートキッズ“リンクス(山猫)”のボス。
幼少の頃から男たちの性の餌食になり暗黒街のボス・パパ・ゴルツィネの元で高級男娼として飼われていた過去を持ちながらも、IQ200の知性と驚異的身体能力でこの恐ろしい陰謀に立ち向かいます。
大人の欲望という暴力にさらされてきた彼は怒りと憎しみで大人を信頼することができない。
常に不信を抱きながら、それでも利用できるものは利用し、したたかに生きてきた。
そんな彼がストリートキッズの取材に同行してきた奥村英二(19歳)と出会い見返りのない優しさを知ります。
この英二くん、物語初めは本当に足を引っ張るというか、アッシュのお荷物になるので中には彼を嫌う方もいたかもしれません。
でもね、よくよく考えると言葉も文化も違う異国に…裏の世界とは無縁の善良な青年が突然迷い込んだら…、誰だって足引っ張っちゃうよ~…って、ちょっとフォローしてみる(笑)。
この英二くん、いたって普通の子なんですが、人を殺したことがあるアッシュに不思議なくらい壁をつくらないんです。
普通、目の前で人を殺したりされたら、嫌わないとしてもちょっと緊張したり目をそらしたりするんじゃないかな?と思うのですが、英二は目をそらさないし、ありのままのアッシュを受け入れ、時に喧嘩もしちゃいます(笑)
ツライ事の連続にアッシュが人の心を失わないでいられたのは、ぶつかり合っても受け止めてくれる彼の存在があったからなのだと思うとせつない。
危険から遠ざけ英二を日本に帰すべきだと思いながらも手放せないアッシュ。
「そばにいてくれ…ずっとなんて言わない…いまだけでいい…」
そう涙するアッシュに英二はこたえる。
「……ずっとだ…」

もうね、ぶっちゃけ友情というには深すぎる愛なんです。
混じりけのない純度の高すぎる愛です。
純粋すぎて胸が締め付けられ、せつなさで涙があふれます。
バナナフィッシュの謎を発端にコルシカマフィアと敵対し、そこにそれぞれの思惑を持ったチャイニーズマフィアや元フランス軍外人部隊の傭兵達の参戦に、仲間と矜持を守るために立ち上がったストリートキッズ達と入り乱れの銃撃戦です。

陰謀を暴かんと命をかける者。
抗えないしがらみに苦しむ者。
憎しみに囚われ破滅を求める者。
怒りと愛情ゆえに道を違える者。

骨太なしっかり読ませてくれる映画のような物語好きなお嬢様方にぜひおススメしたい!(笑)
後半からアナザーストーリーは涙なしにはみれません。
あまりに綺麗な友情すぎてBL目線で見るのは邪道だと怒り狂うファンの方もいると思います。
BL脳で見るかどうかは読者に任せておいて、まずは純粋にこの物語を一人でも多くの方に見ていただけたらなぁと思います。

「BANANA FISH」のコワイところは本を閉じてからにあります。
「お前は俺が守る! 俺のそばから離れるな。」とか、こんな美形に言われてみたいんじゃ~!!って、彼らのセリフを思い出しては悶えるさせられる…
一緒に悶えてみませんか?(笑)