2008年に発売された本作ですが、他のBLゲームをやっていてもいまだにこの作品の事を思い出してしまうので今回レビューしました。
sweet poolについて
・「愛」でもなく「恋」でもない何かから始まる関係性
・明確な「ボーイズ」「ラブ」ではない
・明確な「ハッピーエンド」は…奇跡が起これば…?
作品本編については他の方が素敵な感想を書いてくださっているので、私はまだ書かれていない「ライナーノーツ」の感想を書こうと思います。
ライナーノーツ…クリア後に閲覧できるようになるスタッフコメントのことですが、ここでの虚淵さんのコメントが当時とても心に残りました。
兄ブランドの虚淵玄さん(今や魔法少女や特撮作品に引っ張りだこの有名脚本家ですが…)が作品に関わっているのはキラル作品ではおなじみですが、本作「sweet pool」ではアドバイザーというポジションでした。
彼がスタッフコメントで「sweet poolを作る時、淵井鏑(ライター)に、”プレイヤーの萌えに媚びるのではなく、自分が本当に書きたいものを書け”とアドバイスした」(要約)と明かしていたのを見て、凄く合点がいった覚えがあります。
商業作品で「奉仕よりも自慰を優先させろ」なんて、多分ニトロの妹ブランドでなければ言えないし出来ない事だっただろうとも思います。
そう思うと、商業作品で自分の好きなように書くことを許された淵井さんはちょっと羨ましい存在に思えます。笑
勿論BLゲームをプレイする以上、カップリングやキャラ萌えはあってほしいですし、奉仕の精神も忘れないでほしいのですが、たまにはこういう作品も良いなぁと思わせてくれた一作です。
哲雄×蓉司はどのエンドもラストの文章が印象深く、余韻に泣きしました。後から後からじわじわと滲み出るような味わいのあるゲームでした…。