大人の男の人同士の恋愛で、仕事をしている時かっこいい観月が恋愛になると、表情が崩れて涙脆くてギャップが素敵でした。観月は元彼氏の吉野と別れてからもずっと指輪をつけていました。振られてからも吉野への想いが伝わってくるようで切なかったです。観月が浅田に告白され、浅田に「俺のことを好きじゃなくても構わない」と言われた時の表情がすごく印象的でした。観月自身も吉野に対して同じことを言った過去があり、そして結果的に関係が破綻したことから、「そんなのはダメだ」と返します。それでも折れない浅田の真っ直ぐさが素敵でした。
また、観月の元彼氏の吉野のエピソードは切なくて重く、吉野への救いがなかったので、何か少しでも吉野が救われる伏線が欲しかったです。
また、終始全力で恋愛な感じだったので、番外編では2人のラブラブな姿にほっこりしました。
4組のカップルのオムニバスです。
1組目は可愛らしく明るく始まりました。
2組目は片方の亡くなった恋人のエピソードが出てくるので切ない感じでした。
3組目はほのぼので、
4組目は深い感じで、
それぞれのキャラクターが揃って、お話が繋がり展開していきます。
物語の中心に亡くなった方のエピソードがあり、そこに周りの人たちの話がリンクしている部分がたくさんあります。
ですが様々なカップルを描いているため、重い内容を扱っているようですが、重たくなく読みやすいです。
他の方もおっしゃっているように、ドラマや映画のように多角的に描かれていて深いお話で読み終わった後に余韻の残る素敵な終わり方でした。
一つ残念なのは、黒髪のキャラクターが何人かいますが、皆なんとなく髪型や雰囲気が似ていて見分けるのが少し大変でした。
特に皆が集まるようなところでは誰が誰だろう…となってしまいでした。
親友の中原くんに片思いをしている鈴原くんと、ノンケでヤリチンで有名な隣人の西野くんのお話です。中原くんに彼女とのデートでラブホテル代わりに部屋を貸してほしいと言われ、鈴原くんは貸してあげます。そして、やるせない気持ちを抱え、勢いで西野くんとエッチをしちゃいます。
中原くんの非常識なお願いを聞いた時はなんで?好きな人のそんなお願い聞いちゃうの?と思ったのですが、段々と鈴原くんの人付き合いにおける不器用さ、好きな人と普通に接して、そのまま友達でいたいという思いが伝わって切なかったです。
特に中原くんの帰った部屋で一人泣いているシーンは、やっぱり平気じゃないんじゃん、と読みながら思ってしまい、つられて泣けました。
なんで中原くんが好きなんだろ?と思い始めたところで2人の過去のエピソードがあり、納得しました。
そんなどうしようもない気持ちを抱えている鈴原くんに関わって少しずつ本気の恋にのめり込んでいく西野くんが素敵でした。
ただもう少し西野くんが何故鈴原くんに惹かれたのか丁寧に描写してくれたらもっともっとキュンキュンしました!
エッチもがっつりです!
ストーリーが良いだけじゃない!エロいのにストーリーもしっかりしています!
また、短編として女装攻めのお話があるのですが、そちらは主にエッチ重視な印象でした。短いのでストーリーは特に何も感じませんでしたが、受けを見て欲情する様子などの描写が上手く、雰囲気や心情が伝わってきてエロいです。
おげれつたなか先生の他作品がどれも大好きなので読んだのですが…タイトル通りエロ要素は強いのですが…あまりにぶっ飛んでいて笑えないです。
タイトルから察せるので現実味がないのは全然平気なのですが、萌えられるところや笑えるところがあまりなく、下品な印象が強く残りました。
おげれつたなか先生の作品はエスケープジャーニーのようにキャラの面白さや、そんなキャラの葛藤などの心理描写の活きる、少しだけ切な目なお話が面白いのかなと感じました。
ストーリー重視ならこの作者の他作品の方がいいと思いますし、エロ重視だとしてもなんだか中途半端な印象です。
ただ、現在1巻でまだ伏線的部分が多いので、今後それぞれのキャラクターの思いや内面的な部分に深く切り込んでくれるのでしたら続きが読みたいなと思います。