ずっと神父の過去が明かされ、過去の事件にぞっとする・・という展開を待ち構えていました。実際そうなりましたが思っていたのと違う。もっと凶悪な犯罪がらみだと思っていたのです。
実際はサイコパス寄りだけど、そうではない。
事件は発生しているが、神父視点では神父としての行動しか行っていない。
こうしたことから「黒の聖者」という言い表し方が「正に!」という。
黒の聖者の背景などが凄いことに対し新人刑事からみ部分は薄っぺらく感じたりもしたけれど、でもこういう素朴だけど悩みを抱えて誰かに立ち直らせて欲しいという弱いというキャラクターがマッチングするんだな、と最後は腑に落ちました。
もしかすると3巻一気読みする方が良い作品なのかもしれません。
というのもAxBアイドル同士のカップルのBL漫画だと思って1・2巻は読んでましたけど、この3巻はアイドルの物語風に変わっていき、ラストはアイドルの生き様みたいな感じで終わりましたので。芸能ものが特に好きではない私にとっては{何を読まされているのか?}と疑問??になる部分がありました。
とは言っても最後のシーンは突然グッときたのは事実。
実は2巻の表紙に惹きつけられた事から読み始めたシリーズだったので、私にはその2巻表紙の眩しいキラキラ感と3巻ラストがリンクしました。
最後に一気読み薦めておきながらなんですが・・完結まで数年掛かった事から最初と最後で絵柄が変わっている為、こんな顔だったっけ?とも思います。
原作通りと言ってしまって良いと思います。
小説は 美しいこと→愛しいこと→愛することまで読めますが、コミカライズでは最初の美しいことですら途中まで・・となっている点が残念ではありますが、全てコミカライズするには超大作となり過ぎてしまい難しいでしょう。
私はここで切って(終わりとして)コミカライズは成功していると思います。
又小説の挿絵との違いは私はそれ程気になりませんでした。
読者である私の年齢が高いからか?多くの感想で見受けられる松岡が可哀相・・という感想だけではなく、どちらかと言うとどちらのスタンスもよ~く分かるというか、どちらの行動も自分に置き換えられるので本当にどうしようもないんだよなと一緒に呆然と出来る作品でした。
誰にでも読んで欲しいですけれど
BL小説読まない人
コミカライズが食わず嫌いの人
小説の最後まで描かれていない・・という情報から中途半端なら止めとこうと思っている人
こうした方々にも是非読んでみて欲しい。私がこうした人だったからです。
確かに小説の途中で終わっているけれど、ここで終わるのも作品として全然アリです。私にはここで終わっているから「とてつもない作品」として記憶される事になった気がします。それ程強烈なエンディング(下巻の)です。
松岡洋介の台詞は全て読者にも刺さってきます。これ程無駄な台詞が無いキャラクターも凄いです。
下巻最後にその後のショートストーリー(小説)が付いています。これは一安心できる内容となっています。
レビューに多い「上巻はあんまりBLではない」というのを参考に読み始めたせいか、私には十分BLでした。そこかしこにだだ漏れる研究者の検体に対するツンデレ気味の執着。
そして読みながらこの二人が「マイリトルインフェルノ」の二人と被る被る。ルックスも設定も職業も全然違うのに何故かすごく似ているのです。
だから最後もそうだろうと思いました。「もう一人では生きていけない」
それにしても今作で最も驚いたのは、研究者のルックスです。よく編集がOKしたなぁって。それだけ信頼関係が構築されているのでしょうね。上下揃った作品を表紙買いする人にはハードル高いよね。でもこのルックスが作品に効いてます。