渡海先生らしく、すごく読みやすい文体で
最後まで安定した内容で安心して読めました。
一家に一台欲しい、受けさんの優人。
名は体を表すという言葉がしっくりする程の
優しい思慮深い子で。
一方攻めさんの彰一さんは、なんとバツ2で…。
この2人がどう距離を縮めていくの!?と、
最初は疑問でしかなかったんですけど…。
人に尽くし過ぎなくらい尽くしても、
結果が返って来ず心が疲弊していた優人に
酸いも甘いも経験してきた大人な彰一さんが
一歩も二歩も黙ってリードしてくれていて。
それが優人の男の矜持を保ちつつも
立ち直れるキッカケになっていってて…
気付いた時には好きだったっていう
ちょーーー王道なパターンだったんですが、
そこに優人の家族絡みの話なんかも
うまく織り交ぜてあり
凄く読後感としては満足です。
最後、優人の一人暮らし先に
逆に入り浸ってる感じを出してる彰一さんが
好きでした。
えー、優人のことめっちゃ好きやんって
ニヤニヤしちゃいました。
主人公で受けの祐馬が腐男子設定っていうのは
割かし好きなので買ってみたのですが…。
腐男子ネタで盛り上がるのとか、イベント参加するのとか、2.5次元が好きだとか、祐馬のキャラははっきり立ってて良かったんです。
でも!
攻めの社長さんやら当て馬のショーゴやら
中途半端感が半端ないというか。
社長さんは最後の最後に
『俺たち恋人だよな?』って確かめてたけど。
いや、その前にお酒で潰してなし崩しに関係もっといて告白とかもないままそれは無いでしょうっていう。
ショーゴは本当に憧れの存在だけでいて欲しかった...。
なんで最後あんなことしたんだろう。
と、モヤモヤが後半になるにつれ溜まってく
1冊でした。
鈴倉先生のイラストは本当に可愛くて
祐馬の可愛さが上手く表現されてたのは
流石でした!!
タイトル買いのデビュー作家さん。
帯の『読者支持率NO.1』という文言にへぇ~!と 思いながら
読み始め、あまりの面白さに一気読み。
デビュー作でこんな!?と、次作からも期待したい作家さんです。
受けさんのイクセルは、実母は早くに死に実父は国王であり数えるほどの面識しかなく
義兄姉に疎まれ義母に疎まれ…という、冷遇される身。
辛く当たられ落ち込んでた最中出会った騎士と交流を繰り返すが
婚姻の場に現れた相手が攻めさんであり、幾度も逢った騎士のジークヴァルト本人で…
と、話の初めは結構辛いです。
イクセルの小さい頃の回想シーンなんて、痛くて読むのも辛かったです。
ですが!
やっぱ見てくれてる人は居るんですね!という、希望を持てる展開で。
笑えなくなったイクセルをこれでもか!と溺愛する旦那様、素敵です。
羞恥心の欠片もなく、嫁を見せびらかす旦那様、可愛いです。
完全無敵のはずなのに嫁にはとことん翻弄される旦那様が好きです。
最後は義母や義兄姉ザマア展開で
旦那様の屋敷に務める住み込み使用人達のキャラ具合もいいスパイスとなり
本当に最後まで楽しんで読めました。
強いて言うなら、
ダニエルには足を引きずってた事に対するあれこれは聞いたのかな?とか
副隊長のホードとは少しでも良好な関係に戻れたのかとか
ジークヴァルトがイクセルを娶った理由が曖昧でよく分からないとか
モヤモヤしたものはあります。
でもまあ、溺愛うまうまで読ませてもらったので案外読後感スッキリです。
作家さん買い。
これはアレです。
ファンタジー・ほんわかほのぼの甘々ストーリー・モフモフ好きさんは
是非読まれることをオススメしたい1冊でした。
受けさんのポン太改め里は、子狸の時に人間の罠にハマり動けなかった所を
攻めさんの五明に助けられ。
恩返しという名目で化け狸となり五明の元を訪ねることに。
漢方を専門とする薬局を営んでいた五明の元で弟子として働くうちに
恋心が芽生えていくのですが…
と、恩返しストーリーではあるある設定だなあ…と読み始め。
ですが、ん?んんん??と、謎が深まるばかりの気が付けばどハマりするほど
面白かったお話でした。
白銀の出現・「時間外のお客」・何と言っても1番気になる五明の正体。
少しづつ明らかになっていく真実と、
書き下ろしでの若君と五明の決別と、
里の家族との逢瀬による心の成長と。
どれをとっても大事な要素で本当に楽しめました。
欲を言うなら
里久そば店主×Cafeしろがね店長の番外編なんてあったら嬉しいです★笑
子狸が本当にこんなに可愛いなら、一家に一匹欲しいものです(●´ω`●)