18禁ということでかなり身構えてましたが、そちらよりストーリーの方が心に残りすぎてあまりエロさは気になりませんでした。というより、いろんな感情が入りすぎてエロいという言葉が似合わないというか。
レンの記憶を引き継いだアラタと、レンの記憶に縛られたマキが、レンの存在の外側で惹かれあっていく過程がこの一冊で上手く表現されていました。
ただ、絵はもちろん、設定やストーリー、見せ方が素晴らしいだけに、もう少しじっくり読みたいと感じました。
気になったのはレンのこと。
ヨシアキのことが好きだったからの行動とはいえ、レンの記憶を持ったアラタが最初に発した「ごめんなさい」の言葉にレンの、マキへの愛情を感じました。
レンはマキのことも愛するようになっていたんじゃないかと。
死をも覚悟し、記憶を提供することがヨシアキを選ぶことになっても、ヒューマノイドに写った自分の記憶がマキを愛し続けてくれるかもしれない。(アラタがヨシアキに会って涙するシーン)
しかし、ヒューマノイドのアラタに写った記憶の一部はヨシアキの部分で、アラタはアラタとしてマキを愛し、マキはアラタを愛していく。
負の感情に縛りつけることになってしまったマキを解放したのは、自分の容姿と記憶を持った"アラタ"だった。
マキがレンのお墓に行くシーン、マキがレンから解放されたことが、レンにとっての報いにもなったんじゃないかな。
なんとも皮肉だなと。
という、よくわからない私の妄想が膨らんでしまう前に(^^;)レン視点も含め、もっと長編でじっくり読みたかったです。