大好きな異世界トリップ系のBLでページ数も多くとても読み応えのあるものだと思います。
ロクマリアは異世界の神のような存在であるが現代に存在し異世界の事など当然知らない、一方アルキヨはアルキヨの世界にはいもしない金の竜をずっと考えて生きているのに当のロクマリアは当然知らずに生きてその年月すらはてしないくらいに違って、その千年をのアルキヨの苛立ちや復讐心をロクマリアは押し付けられ出逢っても擦れ違います。しかし千年以上待ったロクマリアがロクだったからこそ、アルキヨは好きになり復讐心だけではなく愛情になっていったのではないかと思います、思いを育むスタートラインは違ったとしても相手を知ってからそれを愛情へ変化させるのは同じ速度だったのではないかと思います
辛いシーンも勿論ありますがそこをどう乗り越えるのか、いっそ死んだ方が楽なのでは?と思うのに死ねない理由など自己犠牲愛が好きな私は心臓が痛くなるほど切なくて萌えました。
ロクマリアの価値を認めない鈍さとその価値に生きる理由を探す健気さ、そして終盤で判明するアルキヨの不器用な優しさとその気持ちが伝わらないもどかしさに涙が出たので素直にそのまま受け取るのではなくその気持ちに触れてどういう意図があるのか、というのを考えながら読み返したいと思います。