二人はどうなるのか???
ギャグのセンスが神です。
上司攻(ゲイだけど政略結婚で既婚者)と、結婚でしょげてた攻にまた活力をもたらした部下受(受といってもガタイがいい)のキャラも最高だけど、脇を固める攻の妻もいい味出してて、BL的に禁じ手をやすやすと飛び越えて、逆になくてはならない脇役になってます。
受は天然鈍感ワンコだし、攻も浮気するつもりはないから、受へのただのセクハラ的な接触と妄想だけで満足(我慢?)してたとこを、受がだんだん自分の気持ちも、「アレ?俺セクハラ受けてる?」⇒「アレ?気持ち悪くないのはセクハラじゃないよね?じゃあ恋?」的になったとこで終わりですが、この二人の将来が気になって眠れませんww
桐乃せんせい、なんとかしてくださいー。
この感動をどうあらわせばよいのか、うまい言葉が見つかりません。
ただもう、後半は涙が止まらず(悲しい涙ではなく、二人のつながりに胸をしめつけられる涙)、読後に他の本を読む気力も興味もすっかり失うくらい、この本に溺れてしまいました。
二人の生きた時代や戦闘の描写だけでなく、南洋戦線下におかれた当時の若者たちが、内地に残る大切な人たちをを守るために、どんな生活をしながらどんな気持ちで日々を生きたのか、戦争小説家の小説を読む以上に心に響きました。別のレビュアの方も書いていますが、本当に作者の筆の力にただただ感激です。
そして二人が種類は違えど、どちらも空と星をバックグランド(育った家庭環境)に持つ世界観を共有し、それが軸になり二人の関係が始まり、そして極限で生き抜く強い支えになる。
度々出てくる宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も二重三重の複線となり、後半の二人は、まるで中有(あの世とこの世の境の世界)にいるカンパネルラとジョバンニのようにもかんじました。カンパネルラたちと違って、離れることはなく、二人手に手をとってこの世に帰ってきますが・・・。
頭の中にずっと『星めぐりの歌』がぐるぐる廻ってます。完全にやられました・・・。