ダブルバインドの新藤さんと忍が本当に好きで、2人の話が読みたくて買いました。
今までも小冊子などで2人の新しい話が読めるたびすごく嬉しかったけど、今回の話はめちゃくちゃ泣いてしまいました。このふたりの話で萌えることはたくさんあったけど泣くというのは今回が初めてで自分でもびっくりしました。
忍の成長や新藤さんの人間くささ、2人が歩んでいる道の切なさとお互いに対する愛情の深さが詰まっていてもしかして新藤さんと忍の話は今回が最後なのかなあと思うくらい、今まで2人の集大成のような話でした。
本当に今まで好きでいて良かったと思える話だったので、新藤さんと忍が好きなひとには絶対読んでほしい!
今回の話が小冊子ではなく、普通の書店でも手に入れることが出来るもので良かった。これから2人のことを好きになる人にも本編とあわせてぜひ読んでほしいです。
「名もなき花は」の音声化。
雑誌付録の「存在理由」も含めると新藤と葉鳥の主要なエピソードは全て音声化されたことになり、なんというかファン冥利に尽きる。
皆川さんはダブルバインドでも兼ね役で美津香を演じていたけど、がっつり喋るのはこれが初めて。
原作よりも落ち着いた大人の女性という印象だけどこれはこれで良い。少年役も良いけど皆川さんの大人の女性を演じている時の声も色っぽくて好きなのでキャスト変更がなくて良かった。
モブも含めて皆演技が良かったので色々カットされてるのが少し残念だけど、原作の、最後いつものつれない新藤に戻るシーンもカットされてて、CDではラブラブな感じで終わるのでこれはこれで良いなと。
個人的に好きなのは、自分の気持ちを決めつけられて泣く葉鳥に新藤が「俺が悪かった」と謝るシーンと葉鳥が「控えめな方がすき?」と尋ねるシーン。
前者はただ慰めるという感じではなく、本気で葉鳥に対して申し訳ないと思っている言い方が良かった。ここの葉鳥の言葉と涙で葉鳥の気持ちが本物であることを理解し、それを受け入れる覚悟を決めたんだなとこの一言で理解できた。
後者は原作を読んだ時はもっと軽く尋ねてると思ったけど、CDでは真剣に尋ねてる感じで、本当に新藤が好きで嫌われたくないと思っているのが伝わってきた。健気でかわいかった。
「ダブルバインド」や「アウトフェイス」の時もそうだったけど、CDでは原作ではさらっと読んでいた台詞にハッとさせられることが多い。
もちろんCDの解釈が絶対正しいということではないだろうけど、個人的にこのシリーズはCDを聴いてよりキャラクターの心情を理解することが出来た。
CDで「アウトフェイス」を聴いたので「名もなき花は」も読み返してみる。
「道ばたに咲く名もなき花」って自分で思う分にはいいけど他人が言うのは結構失礼では。良い意味で言っているというのはわかるけども。
正式に愛人になるときにああいうやりとりをしていたら葉鳥がダブルバインドで「愛人としての自分」に意固地になってしまうのも無理ない気がする。
瀬名との確執も含め、ダブルバインドが拗れたのはだいたい新藤のせいなのでは?とつい思ってしまった。ごめん新藤。
それにしても「葉鳥忍」という名前は何事にも負けない強さ(葉、忍)と何事にもとらわれない自由さ(鳥)を表していてキャラにぴったりな名前だなあ。
原作もすごく好きだけど声がつくとよりキャラが活き活きとしてていい。
新藤は原作を読んでいるときは淡々とした喋り方をイメージしてしまうけど、CDだと全体的にすごく優しくて、葉鳥や葉奈をとても愛していることがより伝わってくる。
特にトラック7で二回目を却下するときの「俺も同じ気持ちだがダメだ」は最初聴いたときは良い意味で衝撃的だった。こんなに優しく言うのかと。
個人的にCDで一番好きなのはその後の「親だもん、しょうがないよね。俺、葉奈の父親だもん」「いい心がけだ」という会話。
新藤の台詞はCDオリジナルだけど、葉鳥が親としての自覚を持ち、新藤がその成長を喜んでいるということがよく表れているすごく良いシーンだと思う。
ふたりの声が穏やかなのも良かった。
なんというか、CDでようやくちゃんと葉鳥に対する新藤の気持ちがわかった気がした。