旧版からずっと続きを待ってました!!新装版も、もちろんセットで即購入しました〜
はらだ先生は、どの作品も第三者的な視点で物語を描かれてるのが魅力だと感じてましたが、今回は登場人物を徹底的に突き放した、鳥瞰から見てるような視点で描かれてる気がして、今まで以上に先生の世界観が深くなった作品と感じました。
福介の自分だけを見て、肯定して、依存して欲しいという強烈な執着はサイコパスと一言で表現するには難しく、福介というキャラだけに留まらない気がしました。
例えばSNSなど見てると、1人に対して、または大多数に対してとにかくこの意見に同意して欲しい!肯定して欲しい!!と福介的な執着を示す書き込みは珍しくない気がしますし、それに対して、りくのように理論武装で囲い込んで追い詰める割に、無責任に傍観者を決め込む人が居たり。そうかと思えば鬼原さんのように、勝手に相手に夢を見て一方的に理想を押し付ける人が居たり。
福介もりくも鬼原さんも、方向は異なってても相手を従属または自己を承認させたい欲が強烈だからこそ、笑吉のように常に肯定されなくても自分の身ひとつで立てる人物に惹かれてしまうのかなと。
そんな笑吉とお互いに思い合える関係性を望むには、福介は自己愛が強すぎて永遠に無理だろうな…と思ったラストでした。でも、きっと永遠に終わらない関係じゃないと福介は満たされないと思うので、福介的にはハッピーエンド?なのかも。
BLという題材を通して様々な歪んだ関係性を鋭く描かれてて、読み応えたっぷりな上に、笑吉の泣き顔とか福介のゲスい目つきとか身体とか本当に最高(笑)なので、ぜひ多くの方に読んで頂きたいです。