異世界系をいろいろ読んでいる内に、自分が駄目なものが分かってきました。
一応主人公の記憶が蘇ったという体を取ってはいるんですが、ほぼ憑依型・人格乗っ取りです。元のユリウスの意識は出てきません。記憶や知識として利用されるだけです。
理由があって自分から引きこもったとか、消えてしまったといった説明は一切ありません。まじりあって納得し合って落ち着いた、というような雰囲気も感じ取れませんでした。根底にユリウスの人格が根差しているというような事でもないようです。周りの人間が「人が変わったようだ」と評しますが、”よう”ではなく人が変わっています。
いくら悪役だろうが、性格が極悪だろうが、人間のクズだろうが、人ひとり消滅しているのに全く頓着しないタイプのお話にすごくモヤモヤするようになりました。過去の所業で窮地になると、「ユリウスめ~!」とか憎まれ口叩くんです。オイオイと。あなたユリウス押しやって消してしまっているじゃないですかと。それについて何も思わないんですかと。
全く読めない訳ではなく、例えば攻めに萌えたりする場面もあるんですが、どうしてもモヤモヤが消えないままに読了する、という体たらくです。
もしかして乗っ取り系かもと読むのを迷い、でも評価も良いしランキングも入っているしすごく気になるので、読まなきゃ判断も出来ない!自己責任!と覚悟を決めて読んだため、私自身はモヤモヤレベルで済んだのですが、どうやらこの設定は地雷の人がいるようなので、書こうかどうか迷ったのですが、注意喚起として記しておきます。
本当に、設定は面白いと思いますよ。でも他の方のレビューにもあるように、(特に攻めに対して)モヤモヤしてしまう人が出てくるのも仕方ないかなぁという感想です。
以下、そもそも論というか、IFだったり物語の根幹に触れてしまうので、未読の人は回れ右でお願いします。
ちゃんと伏線のように「カグヤ」という名前、「モーント」というバーの店名、と序盤にヒントを出しているのだから、攻めが自分で気づく、という展開に持っていけばよかったのにな~と思います。
でもその為には、ちゃんと満月にだけ変身するという設定を生かし、はじめは月イチ以下でしか接触出来ないだろうし、数年単位の時間が必要になるでしょう。
月イチでしか会えない「カグヤ」と、毎日仕事で接していく「周」とで攻めの気持ちが揺らいで逆転していく様を無理なく描けたと思います。
しかしそれでは「老舗駄菓子会社の再建」が間に合わなかったのだと思います。こちらは急を要する問題で、ちんたら何年も描けていられません。
なので暴論ですが、「満月に変身する男」の話と、「老舗駄菓子会社の再建」の物語を、それぞれ別の本で描けばよかったのではないかと思ってしまったのですよね。
タイトルと試し読みと、あと過去作が好きだったので購入したのですが、割と試し読みのすぐ後ぐらいで「えっ」って意外性にびっくりして、でも全然嫌な感じはしなかった。そして今このページに飛んで「作品紹介ページ(キャラ紹介)でネタバレしとるやないか~い!!」ってさらに驚いている所です…。
自分的には先に見てなくて良かったほんとに…。読み進めて「えっ」て驚けて良かったほんとに…。作品紹介の親切もほどほどに…。
前に「スプーンが曲がったら」読んだ時も思ったんですが、割と家族関係とか対人関係とか、恋愛関係以外の悩みとか葛藤を描く作家さんかなと思います。
でもトーンとしてはあまり重くなり過ぎないで(これは絵柄の効力が高い)ほのぼのトーンを維持しつつ展開します。ほのぼの言った直後でアレですけど、無表情で展開されるシュール?なやりとりも結構好きですw
あと絵が綺麗というか、すごい丁寧ですよね。仕事一緒にするの安心しそうな丁寧さですよ。凝り性な人好き!
ほのぼのや可愛らしいのがお好きな方、エロはあんま無くても無問題な方にお薦めですよ。
今までのなろう系(ウエブ連載版)のイメージは、
・設定が甘い
・描写が甘い
・文章が甘い でした。
ここで言う「甘い」とは「あまあまでかわいい~」では無くて、「詰めが甘い」の方の甘いです。でもキャラクターが魅力的だったり、関係性に萌えたりしながら、甘い部分は脳内補完して「良い面を汲み取るように」して読むものなのだと。書籍化するなら校正修正が入るのだから問題無いんだろうしと。
しかしそれらをガツンと払拭されました。
実は続きが待ちきれなくてムーンライトノベルズの方、今読める分全部読んじゃったんですが(まだ連載続いてる)、
設定に関して、作者さんは「貴族マニア」或いは「貴族オタク」なのではないですか?とにかく貴族に対する知識がハンパない。挨拶、立ち居振る舞い、建前と本音、言い回し、義務と教養、階級の違い、慣習、矜持、まだまだあると思うが追いつかない。
また人物だけではなく衣装や建物、街に乗り物に食事に生活に…ありとあらゆる方向で隙が無いです。ですので描写の甘さも必然的に無くなる。
その上でゲームファンタジーとしての「いきすぎ」た誇張やコメディ部分を上手く乗せています。
文章は書籍化にあたって修正必要ないんじゃないかなと思うレベルで書かれてますし、修正したのはご本人が変更したいと思った場所のみではないでしょうか。
さらに、この膨大な貴族に対する熱量をそのまま硬い文章にするとものすごく読みにくくなるだろうという懸念も、めちゃくちゃ緩く砕けた主人公の独白で進める形にする事で「読みやすさ」もクリアしています。
(貴族としての口上部分みたいなのが全編続いたら読み続けられないと思う)
今後(発売されるなら)多分3巻後半か4巻あたり?で設定そのものに対して切り込んでくる展開もあって、意表を突かれてさらに唸りました。
この作者絶対超頭いい。
希望としては家系図は載ってるんですけど、後はサウジリア王国の地図も載せて欲しいのと、王立学院やラグワーズ邸とランネイル邸の間取り図や見取り図も載せてもらえたら嬉しい。きっと絶対設定しっかり作りこんであるでしょ?w
タイトルゆるい感じだし。表紙もかわいい感じだし。
いや~騙されたって言っちゃうと作者が可哀想かもしれないですね。
お話の構成はとても良かったと思うんですよ。うん。
先が気になって一気読みさせるチカラはあるんです。
でもあのね、私はここまで可哀想な目にあう受けにはお話全体に萌えないんですよね…。もう嗜好の違いですので仕方ないんです。はあ。
途中ギルベルトと同じ気持ち「見て(読んで)らんない(´;ω;`)」になっちゃって読み飛ばした箇所あります。
先が気になってちょっと飛ばし読みをよくしてしまうんですが、ある程度確認したらまた戻ってきちんと読み直すんです。が、この本にそれはしない、…と思います。辛くてどんよりする部分読みたくない気持ちの方が上回っちゃいますね。
ほんわかする平和な本を私にください。
キャラクターの性格がありがちでは無いのが面白く、目新しく感じる。
しかし万人受けはしないかもしれない。
クズだとしても100%クズでは無くてピュアな部分も持っていたり、優しかったとしてもやはり100%ではなく人の気持ちが分からない所があったりして、それらは矛盾する事なくその人を構築している。そういう部分にリアル味を感じる。
出てくる人がほぼほぼ皆、性格悪くて面白い。実際いたらお近づきにはなりたくない人ばかりwゲイもビアンもバイも出てくる。恋愛について重く考えているのに、付き合う事については軽いのが自分には理解しにくかったりするのだが、嫌な感じはしなかった。
1巻の段階では本当にこの2人付き合うまで行けるのか…と疑問になるw
「ずるい男」で早速作家買いになっている うすいしっぽ先生です
ところで奥付が「まんがpark」となっていたので飛んでみました。
すると何という事でしょう、おまけとして数ページずつですが「DK小田切くんの片思い日記」も連載されてるじゃないですか。しかも本編と違って無料で読めます。(現在1~12まで。でも7だけ多分手違いで無料になってない)
rentaで確認しましたが、単話配信の方でこのおまけは無いように思えるのですが、単話読んだ方そこの所どうですか?今後単行本にこのおまけ収録されるのだろうか…。
2巻の巻末にまとめて収録とかもあるかもしれない。あったらいいな。
2人の身長差がガバガバなのがもったいない。
多分15cm差ぐらいを想定してるんですよね。2人で並んで立つと、受け(瀬川)の頭のてっぺんが攻め(三上)の目のあたりに来るぐらい。
しかし、三上が背中丸めて前にかがんで顔のぞき込むような時でも頭部半分近く瀬川より高かったりするんですよね…瀬川は直立してて、です。
こういう事が結構頻繁に起こってですね。三上が伸びたり縮んだりしてるよーって気になって集中がちょっと削がれましたね。
とある作家さんの後書きで、「身長差に気を付けて描きました」って書いてる人がいたんですが、それぐらいちゃんと設定して意識しないと結構ガバガバになるもんなんです。ただ身長差が変わってしまったとしても、角度とか構図とかモロモロアレコレで気にならない事も多いんですけど、このお話はなんだか妙に目につくような描き方されてたので気になってしまいました。
他にはラスト、factor3のHシーン。右手と右足、左手と左足それぞれ縛られて拘束されてるのに、挿入あとに抜かれまいと足を背中に回してホールドしてるコマを描いてしまい、次のコマでまたそれぞれ手足が拘束されてるというイリュージョンが行われています。「ああーやっちまったな~」と思わず独り言を。
まだ他にも気になった点はあったりしますが、それでも絵柄としてはすごく魅力的でしたし、スーツ姿も良かったです。キャラもなかなかクセがあって、好き嫌い分かれそうではあるけど悪く無いと思いました。なので萌え2、神までちょっと足りないな残念、という感じです。今後もチェックしたいです。
藤崎都さんは読んだことなくて、でもシリーズは有名なのでどんな感じかは気になってたんです。
シリーズだと冊数多いし、1冊完結、新しめのもので様子を見たいと思っていた所、タイトル・表紙イラスト・設定など面白そうだったのでこれだ!と選択。
結論から言うと期待外れでした。
設定は面白かったんですけど、文章がなんかつまらなくて。
展開が簡単で、こういう風に進んだらお手軽過ぎて嫌だなあ、っていう方向に進むんですよね…。読んでて全くワクワクしない。これ作家さん本人面白いと思って書いてるのかなあ、片手間に書いてるとか、仕方なく書いてるとかじゃなくて?って邪推したくなるくらい読むの面倒くさくなりました。
やる気があって気を込めて作ったものに思えなくてキツかったです。
8割くらいつまらなくて、霊関係のあれこれの所だけちょっと面白いと思えた。でもだから、イコール恋愛部分はつまらなかったです。受けの性格もあんまり好きになれなかったし。
それと細かい所で矛盾とか辻褄合わない所がちょこちょこ出てきてそれも評価下がる原因。