SIDE:B。
初読時に評価を入れてしまい、今更変更できません。「A」は萌でそのままだけど、こちらの「B」は今読むと「神」だよね。
ただ、これはBL的なラブがどうとかエロがどうとかじゃなくて、生きづらさを抱えた子どもが自分で生き方を切り開く決意をしていく、という彼らの人生航路に感じ入るから。
最悪なパターンで自分を拒絶された柳田は性暴力野郎に成り下がり。(そしてご存知の通り「深潭回廊」へ)
田舎町で噂になり同時に親に知られた三島、桐野、夢野。
三島母は元レディースで、テメーはテメーの道を行け一択。
夢野母はさすが国際結婚当事者。いいんじゃない?であっさりしてる。
問題は、桐野母。これは…
だから桐野は自分の人生を決める。断腸の思いで。
なんて苦しいんだろう。
生きることはままならない事の連続。自分で選んだという事その一点で桐野は人生を生きていくんだろうなぁ…
さて、驚きは三島と夢野がパートナーになってること。
夢野〜良かったね〜。
…ってだけじゃなくて、今は生きやすいであろう三島も夢野もままならない事も悩む事もたくさんあるよね、というのも伝わってくる。
恋愛縛りのBLじゃなくて、リアルな人生、生き方の選択を見せてくれる作品。
初読みは2014〜2015年頃。今読んでも「!」がある。
この場所から10年経っても、多分まだ「女みたい」だからいじめ、みたいなのあるはず。
本作の主人公は三島フトシ。
名とは逆に、綺麗な顔して華奢な美少女のような男の子。で、ゲイで化粧に興味がある子。
いじめきっかけで、いじめ側のイケメン男子・桐野も自分と同じだ、とわかり…
…と1巻目である「SIDE:A」はなんでも話せる友達ができた!みたいな友情編とも言える。
そこに並行して、生活と精神に不穏を抱えて生徒に対して性的な何かを燻らせていく人気教師・柳田も登場している。
また、田舎の閉塞感の中での母子の助け合い、故に母への気持ちが強い2人という伏線的なものも。
桃源郷に行きたい、でも母が…という状況がすでに出ていますね。
これ、高校生BLの中で1、2を争うくらい好きな作品です。
すっごくかわいい!
ある日、原は曲がり角で人とぶつかりそうになる。
ところがその瞬間、相手はふわりと空中に浮き…
…と始まります。
相手の子は、同じクラスの水野。この事がきっかけで親しくなったけど「秘密を共有する友だち」みたいな特別感を感じ始めて。
でも段々。
あの時偶然ぶつかったのが俺じゃなかったら、その誰かと仲良くなってた?
…とか思い始めるようになる原。
一方、水野は大人しい子で、原といる時にほんとに楽しそう。好きが溢れちゃってます。溢れちゃってつい言葉になってこぼれちゃう。
水野は本当は人の感情も少しわかる。
だからいつも落ち着いてる原が好きになって、近づきたくて、あの時わざとぶつかった…
健気じゃないですか〜。
それでいてあざとさは感じないの。一生懸命できれいな気持ち。
だから原の方も、その気持ちうれしい、って受け止める。
すぐ恋愛っていうわけじゃないところもいい。
絵柄も良いです。塩顔の原と可愛い系の水野はマッチしています。
ゆっくり進んでいってね!
天涯孤独の凪は、実は妖怪のハーフ・半妖⁉︎
20才の誕生日を境に妖怪たちが凪を襲いにやってくる!というお話です。
最下等の妖怪たちが、わらわらと無抵抗の凪を襲う。と言っても暴力とか殺すとかの襲うとはちょっと違う。身体をまさぐったりアソコをいじったり。
それは凪の精気を奪うため。
単に凪の精気が美味だからというだけはないのです。
実は凪は、母親は人間だけど父親は妖怪ヒエラルキーTOPのぬらりひょん。
血を引く凪の精気を得れば下層からの下剋上が可能となる。妖怪たちの地殻変動を招いているのが、凪の成人問題というわけ。
そんな凪を護りに妖怪界からやってくるのが、烏天狗の藤士郎。
凪は自分の身がそんな世界と繋がっている事を受け入れられず、藤士郎を拒絶。
しかし全く身を守れずに結局何もかも藤士郎に助けられて、反省と共に次第に藤士郎に惹かれていき…
BL要素、エロ要素はともかく、家族、幼馴染、主従、階級、誤解やすれ違い、忘れていた記憶…等々、様々な要素が詰まっていますが、多少のトンデモを交えたテンポの良さでグイグイ読めます。
加えて主人公2人の絵柄もいい。
冒頭のぶよぶよの造形に怯まず読んでみて下さい。
こふで先生による、獣人αx人族Ωの切なすぎる激愛。
人気獣人俳優•影光の「運命の番」は、人族のコハク。
しかし…
肉食類獣人のうなじを噛む行為は動物として弱い人族には大変危険。
だから、影光とコハクは「番う」ことはできない。
運命なのに番えないから、Ωのコハクは体調が不安定。療養が必要で田舎に住んでいます。
今日も1ヶ月ぶりに会いに来た影光に全身で喜びや嬉しさを表すコハクだけど。
久しぶりの夜も、影光は爪を出せず、コハクは大きなネックプロテクターをつけたまま。そこまでやってもフェロモンを抑えるための抑制剤も必要で。
愛がいっぱいなのに障害だらけの2人。
それでもお互いの「運命」を受け入れて2人だけの愛の形を築いていこうとしている姿が…!
タイトルが「日日是好日」というのがもうほんとに…
切ない〜…
絵柄はとても良い。影光はイケメン獣人でコハクは長髪の美人さんです。
すごく素敵な作品ですね。
試し読みで、文机で書き物をしていた倉岡が視線をよこす場面…この「眼」にドッキーンとしてしまいました。
古い家屋の、手入れが行き届かずに茂ってしまった庭の奥でひとり、どこか切ない物語を紡ぐ美しき小説家。
もうそれだけでなんか素敵というか…
そこに配されるのが、庭師の朴訥な男性・俊。
木や鳥や自然の色々にとても詳しくて、逞しい男。
最高に合いますね〜。
思わずニヤついてしまうけれど、読み進めるうちにそんなよこしまな気持ちは消えて、2人の節度ある澄んだ気持ちのやり取り、庭に吹く風に心を開いていく倉岡の新境地、繊細な倉岡に静かに寄り添って世界の見方を変える俊、2人の近づく心をドキドキしながら読みました。
騒音でしかなかった木々のざわめきは意味を変え、木も残せて庭の恵みは食べる楽しみにもなり、倉岡の紡ぐ物語にも幸せの気配が。
絵柄も素晴らしく綺麗で大満足です。
めがね先生による、ズバリ「ポリネシアン・セックス」!
エロに定評のあるめがね先生はどう描くのか。興味津々です。
主人公は、30才の売れない小説家・侑里。
恋人は22才のともくん。
ともくんからの「5日間で愛を深めたい」提案、がポリネシアンセックスです。
侑里は自分がH下手だという自覚があるので、やっぱりともくんは不満だったんだ…と思っていたけど。
1日目。30分見つめ合う。その後ハグで終了。
2日目。キスだけ。深いキスは禁止。
3日目。深いキス解禁。でもキスだけ。
4日目。性器や乳首への愛撫OK。挿入/フェラは禁止。
5日目。1時間愛撫ののち挿入。挿入後動かずに30分。その後は…
というスケジュールで、いつもは低温な侑里も5日目はカラダが疼いて疼いて、欲しがりやさんに。
その後、濁音喘ぎに擬音オンパレードの潮吹き描写がありまして、これが愛を深めるという意味か…と実感する侑里。
ともくんは低温な侑里でも大好きで、今回もっと好きになったそうです。
よかったねのハッピーエンドです。
思ったんだけど、ポリネシアンHっていつも無体な責め方で酷く抱く系の攻めへのお仕置きにいいんじゃないですか?
いつも抱き潰される受けには癒しの時間。受けへのご奉仕っていう事で。
「リセイある王様Ωと赤春を。」電子限定描き下ろし番外編となります。
4p。
以下、内容となります。
↓↓↓↓
タイトル「ト•リなのかライオネスなのか」
一夏が生まれてまもない頃の話。
卵の時はト•リ感あったけど、すっかりライオネスっぽくなった一夏。
親の高校生たちは夏休み後すっかり平常へ。
子供たちは平日はライオネス政府管理下の宿舎で養成、夜や休日は帰宅可。
なので夕方から一緒に子育てしてる四麻と九十九だけど、四苦八苦です。
夜中、爆睡してるとベビーベッドの一夏がみーーーみーーー(ミルク)と泣く。
四麻は一緒に寝たいのかな?と2人の真ん中に一夏を入れます。
すると、寝ている九十九のおっぱいを吸い始め。
九十九の乳首は四麻と間違って勃っちゃった。
ト•リは母乳育児中心。ライオネス類は母乳は出ないので完全ミルク育児なんだって。
やっぱり一夏はト•リ遺伝子入ってるね。
全く前情報無しで、ただオメガバースという事で選んだ作品。なんだけど。
なんじゃこりゃぁ〜っ⁉︎
ぶっとびの独創性。
オリジナリティの爆発だ!
ただ、設定は色々詰め込んでる。ページ数も多くてすごい満腹感、お腹いっぱいすぎる感はあります。
そして、所変われば品変わる。オメガバース全体そして発情期の捉え方が独自です。
αとΩはライオネス類のみ。αは男性、Ωは基本的に女性。
だから発情期=生理来る=妊娠可能=すぐαと交尾せよ、と一連の流れで男女間の「交配」が推奨されている。
初潮時が妊娠しやすい。ライオネスΩ男女の初潮時は決まっていて、それが高2の夏休みに一斉に。
だから政府/学校の規定で、夏休み中に生徒同士交配(=乱交)しまくりなさい、と。
妊娠はすぐ。3週くらいで卵宮器で急速成長、その後器を切り離して、女子高生は夏休み中に義務出産を終えて、産んだ子供は課題として学校/政府に提出するのだ!
えぇ〜っ
…という背景の中で、初めてαとΩの繁殖の実態を知ったト•リ類(全員β)の四麻が、αのはずなのに急にΩの発情期になってしまった(=生理になった)ライオネスの九十九を助けたくて…というのが本作。
βxΩであり、ト•リxライオネスである恋物語はそれとして、何もかもブッ飛ばすのが生理描写の詳しさというか…
経血の出てる膣が出てくる。腿を伝う経血も。あわわ。
四麻が九十九のために生理痛の薬やサニタリーショーツやナプキンをあたふたしながら買う。(イイネ)
そして何と言っても「卵宮器」。スゴイね外付け子宮。
六車くん、私は嫌いじゃない。
一途だったのに。初めから好きだって言ってれば良かったのにね。