Dom/Sub大好き!という事でこちら。
Subの不調を癒すクリニックで人気のカウンセラー・矢和多が、新人カウンセラー・堅島の研修中に異変を感じ…
…という冒頭。
Domとして生きてきたけれど実はSwitchで、より強いDom性を持つ堅島とのロールプレイイング中に急にSub性が発現してしまった、という状況。
初めてSubとしての欲求や快感を身をもって知り、堅島に惹かれる矢和多。
…という感じで中心は強Domの堅島とSwitchの矢和多の順当な恋が描かれるわけですが。
このクリニック。
風俗との境が曖昧だなぁ。勿論理念や職員は真面目です。でもSubを癒すことを真剣に考えれば考えるほど性的な充足に偏っていくのか、結果的におもちゃだったり他人に見られたりのプレイでオナニーを手伝ってるだけみたいになっちゃってる。あまりにも性的。
また、強Domの堅島は学生時代に「多頭飼い」をしていたという。これもっといい名称無かったの?って思う。Subは家畜ですか?
堅島と矢和多の性格や恋愛には全く文句はないですけど、全体の印象は中立寄りの「萌」で。
リアルリーマンと、BLあるあると、BLファンタジーが絶妙にマッチした作品。
リアル、は見た通り。
あるある、はマチアプで嫌いな同僚が来ちゃった。
ファンタジーは、ムダにいいカラダのところ?
真面目で人付き合いは下手、恋もうまくいかないリーマン・山田に降りかかったある恋の話。
勝手に嫌っていた同僚の瀧宮とマッチングしてしまい、意地でHしてしまい。そしてまとわりつかれる。
…というのは山田側の言い分で、実は瀧宮はずっと山田が好きだった。
山田は他人を遠ざけているから瀧宮の事など見えていなかったし、誤解していたんですね。
一度瀧宮を受け入れたらそこからは嬉し恥ずかしのイチャイチャが満載。
瀧宮は狙いを外さず粘り強いところが意外とハンター的?恋に慣れない山田は可愛らしい恋人になるでしょうね。
「成仏」とタイトルにある通り、死んだ人が大きく物語に関わっている作品です。
とはいっても、別に怖いお話とも言えず…
ちょっと今までに無いタイプのストーリーだと感じました。
大学で法律を学んだ優秀な3人が主人公。
死の床にある大地と付き添う恋人の優にやっと連絡が取れた圭吾。しかしすぐに大地が亡くなる。
そのまま引きこもった優を案じて家に忍び込んだ圭吾が見たものは、大地の幽霊と暮らす優だった…
生きている人間そのものの大地から、優のために食事を作りに来てくれと頼まれて家に出入りするようになる圭吾。そして、大学時代の別の友人から依頼された仕事を優と2人で引き受ける事にするが…
元々優が好きだった圭吾が、幽霊の大地に甘えきっている優を見る地獄。
…もあるけどそれがメインでもなく。
依頼された仕事は、銀行の横領事件でしかも新興宗教絡みだがそこもメインでもなく。
そこに法律解釈などの堅い話題あり。
大地には可愛こぶってそれ以外は冷酷的な優の、二重人格というか現実不適合的な様子あり。
結局何で大地が幽霊に?という合理的な理由はナシで、大地亡き後圭吾よろしく頼むみたいな。
つまらないとは言わないけど、どこに焦点を当てていいのかよくわからなかった、というのが本音です。
圭吾よく待ったね。
「萌」で。
夏にぴったりのホラーアンソロジー第3弾。
シリーズ化ありがとうございます。
7作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「蝶の眠る庭」凡乃ヌイス
作家と、優しく美しい従順な恋人。でもこの2人の関係は⁉︎
「業夏の螺旋」幾がお
夏に帰省する青年。だがいつも死んだ恋人の夢を見て…恋人も自分も時間が止まっているのか⁉︎
「アニマ・ヴィータ」琢磨
3人で仲が良かったハクとユイとサク。だがサクが事故死。
ユイはサクを生き返らせたくて怪しげな儀式に手を出し…
「半夜のフタオモテ」宇良たまじ
皐月の首のアザを心配してくれる友人の旭だが、このアザには秘密があった…
「Summer melancholy」恋緒ジノ
仲良くなった彫刻家に誘われてモデルをすることになったヒカル。だがそのうち変な手紙が来るようになり…
「走馬灯」パース
透視能力がある和泉は、妙に距離感の近い後輩の溝口が苦手。でもそれは惹かれる心の裏返しで…
「無垢の枷」咲本﨑
親友で大好きだった周平が殺された…しかし毎日泣いていたら幽霊になって戻ってきて…
今回もそれぞれ面白く怖い短編が集まっています。
でも総合で「萌」なのは、同じようなテーマが重複しているから。実は死んでいて…というのがいくつかダブっている。そこが残念ポイントです。
あら、つづきのつづきが出た!すごい。3巻目。
で、もはや波乱は無く、2人の結びつきがより強く温かくなっていく巻です。
シンゴと「ウロ」はクリスマスに行われる大きなライブに賭けている。
そして実は瀧の誕生日は、クリスマスイブ…
…という設定で、結局誕生日やクリスマスに一緒にいてやれない自分は今までのクズ彼氏と同じ、だけど絶対同じにはならないぞというシンゴの瀧想いがあらわになります。
同時にシンゴはやはりライブを控えて緊張していて、そこは瀧に隠してる。
一方瀧は幸せいっぱいで、ライブが成功することだけを祈っています。
今回、そんな2人のお互い健気な恋心が、すれ違うことなくお互いにハッピーを届ける…そんな素敵なラブいクリスマスが待っていた!
シンゴ〜!誕プレとケーキのアレ、ニクいな〜!
瀧〜!自撮り、アホいな〜!
2人〜!よかったなぁ〜!
で、まだ続きそうですね。次は同居編かな。でも同時にデビューすると周囲の環境変わるし…試練編になるのはヤダな〜。
可愛らしい作風というイメージがある琢磨先生によるおそろしい物語。
ジムで目立っている中性的な彼。
よく声をかけられているが誰にも靡かないのを見て、自分は他の奴とは違うアプローチをしてやる、と考えて…
あえて否定的な言葉をかけるとなぜか自分を選んでくれた。
そのまま、自分は言葉責め的なプレイとしてだらしないだの乳首が汚いだの言いながら抱く。せっかく顔も体も最高なのにメンヘラだよなと思いながら…
ところが…
…と、この辺りからBLでは見たことのない異様な世界が開幕。
私はタトゥーやボディピアス好きの流れで身体改造界隈にも興味があるのですが、「こういう」人海外にほんとにいるんですよね…耳を削いだり鼻を削いだり。
ただ、多くはなりたい外見を得るために、という理由です。耳を取ってしまう人はトカゲ(や蛇/爬虫類)になりたい人たち。
日本人にも指を一本抜いてる人とかいますよ…ヤクザの指詰めとは違いますよ。薬指を手の平の奥からくり抜いて、生まれつきの4本指のようにして。
でも本作の彼はね…
よくこの題材をねぇ。正にこれは戦慄ですわ…
珍しい特殊設定もの。
ある生命体が人間を拠り所にして、自分の子孫を残すために性的エネルギーを搾取する…
これってB級のエロスリラー映画の設定になりそう。実際「liquid sky」という昔のアメリカ映画もこういうテーマだったな〜。
でもさがの先生の手にかかれば、可愛くてちょっと残酷なラブストーリーになるんですね。さすが。
まず、主人公は隠れゲイの朋也。
そんな朋也が一目惚れした男性・栗原には子供の霊が憑いていた…!
それは実は霊ではなくて未知の生命体で、栗原を働き蜂のように使ってセックス時の快感を奪っていたのです。
栗原は朋也の恋心が十分にわかっていたのに、距離を縮めようとしない。なぜなら。
さて、生命体はもう1人働き蜂を持っています。
その男・兵頭は、その能力を使って決まった相手に好き放題⁉︎
…に見えるけど、兵頭には兵頭の恋心があるんですよね。
好きなのに、抱けない。
好きだから、虚しい。
そんな想いが渦巻く中、生命体の繁殖期限が迫ってきて…
何があっても、という気持ちで栗原に抱かれる朋也。一方栗原の方はどれだけ不安だったか。
ストーリーはちゃんとハッピーエンドです。
面白かった。発想の勝利ですね。