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誰1人死なせないために何度も死に戻る皇子




異母兄弟もの


未だ皇太子が決まらない開国150年を超える大国、汪国。
夏の宴席で毒を盛られ他の4人の皇子が皆死んでしまい、唯一生き残ってしまった第二皇子・太鳳(受け)
たまたま、味に違和感を覚え食が進まなかっただけですが、幼い頃から一緒に育ち、慕っていた第三皇子・龍生(攻め)を目の前で亡くし、生きる気力も無くなっていた中、犯人だと勘違いした怒り狂った第三皇子の近習に殺されてしまいます。
気がついたら、宴の前日。
前日と同じやりとりが行われやり直していることがわかるのですが、また龍生の死を見なければならないのかと、今回は自分も毒入りと知りながら食事をし死ぬのですが、なぜか再び宴の前日。
そこから、兄弟たちを救おうとしては死に戻りを繰り返すことになるのです。

いつもはコメディタッチの楽しいお話を書かれる方なのでかなり驚きました。作者名を確認したくらい。

ストーリーは最終的には「面白かった」です。
ただ、二段組なためボリュームたっぷり。
たっぷり過ぎて、死に戻るたびに気力が削られていきました。
その度にインターバルを取っていたので読了までに時間がかかりました。

何度も死に戻り、その度に前回までの情報を精査して犯人や毒の正体について推理するのですが、何とももどかしい。
普段からミステリー系の本もよく読んでるので遅々として進まない推理にイラッとなります。
どうして一番怪しい人物を最初から排除するのか。それで何度もやり直して、流石に4回目に死んだ時は読むのやめたくなりました。
あと何回死に戻ることができるのか判明し、あと2回とわかり、この一回は捨てるつもりで動くと早々に決めてて、読む気が再び失せそうになりました。
諸々を全て揃えて、最後の死に戻り。
やーっと本懐を遂げたーっとなった時はやったー終わったーというが最初に感じた感想でした。


あとがきで作者様は絶賛しておられたので恐縮ですが、太鳳の後見人・沈清のイラストと女性言葉のギャップがあり過ぎてどうにも一致しなくて困りました。
途中まで父皇帝のイラストだとばかり思ってた。

読んでる最中はとにかくもどかしかった。
全部わかって読み終わった感想は「面白かった」
ですが、読んでる最中は死に戻りの度に挫折しそうになるのが本当にしんどかったです。
だから評価に困りました。

萌かな

幼なじみの2人




引っ込み思案だった悠太(受け)は、小学一年の時の引っ越しでお隣になった二つ上の櫂(攻め)に面倒を見てもらい非常に懐きます。
櫂が所属していた児童劇団に誘われて悠太も所属するのですが、そこでも櫂は抜きん出ていてますます憧れます。
が、櫂は本番前だけは緊張で気分が悪くなってしまうのです。それを見た悠太は今までの櫂の頑張りを讃え励まします。それ以来、悠太は櫂の精神安定剤となるです。それは櫂がアイドルになっても変わらず、本番前には関係者として楽屋で櫂の安定剤を続けていたのですが、悠太が劇団の舞台で主演に抜擢されたことからギクシャクし出します。


タイトルからは幼なじみがアイドルになって主人公がいろいろある話かなと思ってましたが、どっちも業界の人になる展開とは思ってませんでした。
幼なじみはアイドルで主人公は俳優。
悠太視点なので、信用のおけない語り部状態で、悠太のスペックがわからず、一般人なのかと思ったら、劇団で主役に抜擢されるほどの逸材だったとは驚きです。

完全に両片思いなのですが、お互いヘタレなためなかなか進展しません。
それと同時進行で悠太が俳優として開花していくのですが、悠太視点なので何ともよくわからない。
デビューがうまくいき、やーっと2人はくっつき(これもお膳立てしてもらってほんとやーっと)これから俳優として大きく羽ばたくであろう悠太といつか共演しよう、時がたち映画で共演が発表されたところで終わったので、ちょっと残念。
そこからの悠太の快進撃、もっともっと読みたかったなー

そして、2人が共演した映画は何だったのかしら。BL映画かなー

私が今まで読んだこの作者様の作品とはちょっと違った比較的可愛い話だったと思いました。

題名通り




大学サークルの後輩✖️先輩

湊(受け)は大学卒業時から後輩の航(攻め)とセフレになってかれこれ4年。話も合うし体の相性も良く一緒にいてとても居心地の良い関係です。が、恋人ではない。最近友人の結婚式の招待も増えてきた。爬虫類カフェで働いている航はオーナーの母親から「嫁を貰って後継いで」と言われているのも知ってる。航はモテるのですぐにでも相手を見つけてくるだろう。自分も早く恋人が欲しいとなった湊は今何回目かの「恋人が欲しい」となっています。
でも、湊は恋人の理想が細かすぎて相手がいないのです。
そんなとき、部署統合で異動があり新しい部署に理想の男が2人もいたのです。
モテ期が来たと喜ぶ湊でしたが‥

題名通り、お互い両片思いなのにチキンなせいでずるずるセフレをしていた2人がやーっとくっつく話でした。

湊のモテ期。同じ部署になった課長の喜多と営業の矢城。湊を真ん中にして喜多と矢城が戯れてて、当て馬にされてるだけなのではと思いながらながら読んでましたが案の定でした。

過去バナを読むと、何だセフレになる前から航のこと好きじゃんってなります。気づいてなかっただけで、恋人が欲しいというのは航にセフレをやめようと言われたときに傷つきたくないから、先に一抜けたをやりたかっただけ。
航は航で告白する勇気がなくてセフレという形で繋ぎ止めたかっただけ。
2人のチキンがチキン戦法を続けた結果このような流れになってしまったんですね。

理想が細かくて絶対そんな相手出てこないと思ってたのに、リアルに存在してたことを知った航の焦りはいかほどだったか。
湊視点だから終始余裕っぽかったけど絶対焦ったと思う。そんなことを語ってたしね。
航視点も読んでみたかった。

書き下ろしの方は、矢城と喜多のもう一つのカップルのチキン戦法の話。
こっちはこっちで両片思いなのにこの関係が壊れるのが怖くて、相手に気づかれるのをビビりながら側にいたいと思った結果、湊をダシにするという流れになり、2人して湊に相談することに。「好きバレしたみたいどうしよう」と、全く同じシチュエーションで思うなんて、仲良いなー。
こちらの話では喜多視点で読めるので、湊を客観的にみれます。本人が言うのと外から見るのとではだいぶ印象が違うんだなとちょっと楽しくなりました。
ここに出てくる映画「すみっ◯くらし」のような「はしっこせいかつ」がかわいらしかったです。イラストがみたかった。


恋にはみんな臆病なんですね。
傷つきたくないですからね。

2組のカップルのチキン戦法は本人たちの懊悩をよそにとても楽しかったです。

何度赤信号に気づかず渡るねーん




カフェ店員の大学生 × 息苦しい地元を出てきた会社員

大学から地元を出てきて東京で就職した愛斗(受け)は自分がマイノリティであることに疲れを感じている今日この頃。恋人を作ることははや諦め、カフェ店員の大智(攻め)をアイドルのような憧れで眺めるだけで満足しています。
そんなある日、動揺した挙句事故に遭い、病院まで付き添ってくれていた大智にうっかり告白してしまいます。が、咄嗟にカフェのマスター(大智の伯父)が好きだと誤魔化してしまいます。
大智は協力を約束し、擬似デートに付き合ってくれるようになるのですが、ますます好きになってしまうのです。


前編は雑誌連載で、後編は書き下ろしの2篇編成になっています。

愛斗はいまだに男尊女卑が色濃く残る田舎出身で、昔から「男らしくあれ」と言われ続けできました。早くからゲイだと認識しており、それを周りに知られないように息苦しく生きてきて、大学に進学して初めて息ができるようになります。
そろそろいい年になり、両親から結婚の催促を苦しく思っているのですが、両親のことは大好きですが逆らえないとも思っており、カミングアウトして罵倒されるのを恐れ、のらりくらりと躱している日々です。
事故に遭い死ぬと思った時、玉砕しても告白しとくべきだったと思ったら、目が覚めて目の前に大智がいたことで勢いで告白してしまうのですが、すぐに我に返り誤魔化してしまいます。
この時、そのまま勇気を出していれば万々歳だったのですが、マスターに恋してると誤魔化してしまい、協力して貰うことになり、擬似デートに付き合って貰ううちますます好きになってしまったり、大智にも好きな人がいるのにとショックを受けたり、忙しいです。

大智は気さくで誰とでも親しくできて、悩みもなく愛されてきたんだろうと勝手に思っていましたが、駆け落ちした両親、大智を生んですぐに死んだ母、クズな父からのネグレクト、となかなかハードな幼少期でした。
マスターからの愛情をたっぷり受けて、こんなにいい子に育ったんですね。

大智の生い立ちを聞いて、自分の甘さ具合にショックを受けていましたが、父親に「男らしさ」を強要され、結婚して子供を作れと言われ続けるのを抵抗できないいうのは別に甘くないと思います。人それぞれに悩みがあってそれは比較するものではないと思っていたのですが、それをちゃんと大智は理解できて、愛斗にフォローできるのが素敵でした。
本当に大学卒業間近な青年とは思えない思慮深さ。
エッチなことになるとバカ犬っぽくなるけど、ちゃんとそれを自認してるところも可愛いし、可愛いわんこなのに頼り甲斐もある本当にいい彼氏ができてよかったですね。

両親との邂逅では、結局両親の方が「すわ熟年離婚か」て感じになってうやむやになってましたが、時代錯誤なことばかり言っていた父親も本当に悪い人ではなさそうだし、母親を引き止めるため頑張るんじゃないかなって感じに終わってて、きっといい感じになっていくんだろうな。

生き残るために

当て馬✖️悪役


子爵令息フィン(受け)は母親の葬儀の最中に前世の記憶が蘇ります。
自分が物語の中の悪役令息であるということを悟り、運命を回避するためにまずは嘆き悲しむ父が堕落するのを阻止することにするのです。
無事父が立ち直り、ホッとしたのも束の間、別荘に保養に行った先で、主人公の恋を応援する当て馬となるユエン(攻め)が奴隷のように働かされているのをみかねて保護します。
本来なら騎士となるべく見出されるというストーリーから外れますが、「悪役」である自分を追い詰めるユエンのそばにいて恩を売ったほうが安全だと判断し自分の従僕に取り立てるのでした。
ユエンはとても優秀でたちまちフィンの執事として頭角を表します。
フィンにとってもユエンのいない生活は想像できなくなるくらいです。主人公に出会いユエンが恋をしたらと考えると落ち込むくらいに。

没落の原因の一つである飢饉から領地を守るためじゃがいもを広めたり働き方改革してみたりと没落回避のために動いていると、とうとうストーリーが開始します。
始まってみるとユエンのこと以外にもストーリーと違うところがあちこちあり予想がつかなくなっていて‥

飢饉を危惧してじゃがいもを広めたのはいいけれどそれが原因でストーリーが本筋から逸れてしまい、何度もじゃがいものせいかーってなって
「うちのじゃがいもが何か粗相を」と思わずフィンが叫んでしまうのは、そんな場合ではないのに笑ってしまいます。

物語のメインヒーローのエイデンは話の中では貴族のボンボンということでしたが、麻薬などの調査に来たエリートでこれも違ってたのかと思ってたのですが、最終的にやっぱりボンボンだったというオチにも笑えます。一度は見放されてたのにこの甘さが主人公リルの心を動かし、結果オーライでしたが、決着するまでは高位貴族というのをフルに生かした傍若無人な態度には何度もイライラさせられました。リルに一度盛大に振られて嘆き悲しんでいたたり、手柄をユエンに持っていかれてたから溜飲が下がりましたけども。

ボンボンなのはフィンも同じで、エイデンと2人で乗り込んだ時は、敵地で出された飲み物を躊躇なくそんなにガブガブ飲むなんてなんて危ないと思って読んでたら案の定薬盛られてるし。
2人とも伴侶がいないと危なかしいのは同じでしたね。

元々BL作品に転生ということで出産ありの世界かと思ったら違ってて、後継問題も出てくるのかと思ったら、父が再婚したところからその辺りのオチは早い段階で見えていました。
最後は大団円ということで、楽しいお話でした。

最後の方は腹黒執事になってしまった執着攻めの本領発揮していてそれもとても楽しかっただす。

転生したら推しの義弟になった話の4巻


前巻で乙女ゲームのトゥルーエンドにたどり着いた後の後始末

前巻で宝玉に魔力を補充して国存亡の危機を回避したアルバ(受け)+攻略対象者たち。
国から褒賞をもらってもおかしくない偉業を達成したにも関わらず軟禁されるアルバたち。
状況から国王にアルバとオルシス(攻め)が宝玉に、魔力を入れたのだと看破され、鑑定魔法によりラオネン病が完治していることもバレてしまいます。「刻魔法」がバレてしまうのではないかと窮地に陥るのですが‥

ゲームの場合トゥルーエンドになってはい終わりなのですが、現実はそうはいかなくて、アルバのことを守りたいみんなと信用されてない国王サイドとのあれこれや、せっかく救国してもらったのに自分の欲のためにそれを台無しにしようとした強欲王太子たちにより、また騒ぎが起きたりとなかなか落ち着かなかったけど、やっと2人が婚約できてよかったです。
第一王子が廃太子されその元側近たちの子息たちがアルバに嫌がらせしてきたのはちょっと驚いたけど(貴族のくせに公爵子息に何やってんだろう。アルバがおとなしいからって自分達がどれだけ危ないことしてるかわからないなんて頭おかしい)、アルバが命の危険に晒されたけど、反対勢力が一掃されたのでこちらサイドとしては結果オーライでしたね(オルシス初めみんなそんなこと絶対思わないだろうけど)

WEB版では一旦ここで将来まで飛んでハッピーエンドになってたように記憶しているので最終巻かと思ってたのですが、そこまで描かれなくて終わったので、今連載してるアルバの高等部の話も出版されるのかな。
結構綺麗に終わってたので、ここで結婚その後でも良かったような気もするけど、今の連載も楽しく読ませていただいているので、次巻が出るなら楽しみです。

すごく加筆修正されていてとても読み応えありました。アルバがいじめられてるところとかハラハラするやらムカムカするやらしんどかったですが、オルシスが学園を半分凍らせるという暴挙に出たので、凍らされそうになったクラスメイトたちはさぞかし恐怖だったと思うとスッとしました。バカなことして自分の将来を潰していい気味です。

料理で元気に



戦争で活躍した英雄の騎士団長と騎士団所属の料理人


国旗沿いの村の定食屋出身のアイル(受け)は第3騎士団の食堂で働いて2年。
先の戦争で戦地のすぐそばだったアイルの村を守ってくれた第3騎士団に感謝しながら料理を作っています。
その中でも1番の功労者シャルゼス・グライアー(攻め)が第3騎士団団長として就任すると聞き、感謝を込めて自分の料理を食べてもらいたいと思います。
が、団長が食堂に来ることはなくがっかりしていると、夜な夜なアイルの練習食を食べに来る不審な騎士ゼスがやってくるようになります。
やさぐれた感じだったゼスがアイルの料理を喜んで食べるようになり、それが嬉しくてますます料理の練習に気合が入るようになるアイル。
そんなある日、アイルは神殿に呼ばれ、アイルの料理に治癒の力があると告げられます。
どのような過程でどのくらい力が入れられるのかといったことを調べるため神殿に通うことになるのです。
ゼスは早くにこのことに気づいていたようで、実は騎士団長であることも教えられ、騙されていたのかとショックを受けます。
神殿に通い神殿長と炊き出しなどに参加し、自分の料理を喜んで食べてもらえることに喜びを感じ、それが治癒力を高めるということもわかってきたころ、隣国に熱病の後遺症で苦しむ患者が多くおり、助けて欲しいと要請されるのです。ゼスと心を通わせるようになったばかりなので悩むアイルですが‥

治癒能力をどうやって使いこなすのかとかゼスと仲違いから両思いになるまでは穏やかな感じで読んでいましたが、隣国の病気の話から不穏になってきます。
こんな貴著な存在をゼスですら大切にしないのがすごく不思議でした。他国に知られたのならいつ拐われるかわからないのに。
治癒師というものが多くいる隣国と違ってあまり恩恵を感じてないとはいえ、複数人を一度に治癒できる能力は戦争が終わったばかりのこの国ならその価値がわかると思うのですが。
案の定、拐われてしまうし。
拐われてからはハラハラドキドキでした。
無事に再会を果たしましたが、結局アイルの人の良さが利用される形に終わった気がしてなりません。

一年で迎えに行くって言ってるけど、そんなので返してもらえるかどうか。この能力があれば戦争だってすごく有利に進めるし、なんだかんだアイルの心根の優しさに漬け込んで返してもらえないのではないでしょうか。
心配でならないので、今から旅立ちますで終わるのではなく、それから一年たったとこで無事に戻ってきて再会して結婚しましたとかまでやって欲しかったな。

乙女ゲームクライマックス

キャラの性格は全員違っていてもストーリー通り

前世の最推しオルシス(攻め)の義弟になったことに気がついたアルバ(受け)が知ってる知識を余すことなく利用して皆に協力してもらってラオネン病を完治させることに成功させたのが前巻。
死ぬ恐れがなくなったことで終わりではなく、乙女ゲームはまだ続いてています。
ゲーム通り宝玉に魔力を注入しなければならないのですが、最重要秘匿事項なため確認するのが難しく、じれじれしながら進み、とうとう各領で魔物が現れるようになるのです。

とうとう今作で乙女ゲームのトゥルーエンドまで進みます。色々とゲームと違うけど誰も命を落とすことなく、国の危機に果敢に立ち向かうアルバと攻略対象者とその保護者。
アルバは相変わらずです。
どんな時でもオルシスの新たな一面を見ては大喜びで、緊張感がいい感じで削がれます。
ずっとやりすぎな兄弟愛で話は進んできましたが、ここにきてそろそろそんことは言ってられない展開になってきます。
次巻できっと2人は結婚することになることでしょう。楽しみです。
そして、性格の悪い国王に王太子に罰が当たりますように。

劇重男の難儀な恋愛



先祖の愚行で女神の加護を失った公国の王と女神に転生させられたコンビニバイト


コンビニバイトをしていたナナキ(受け)は客に刺され死んだと思ったら女神と出会い女神の世界に転生させられ、お相手も決められていました。生きるのに疲れていたのもあって、死なせて欲しいと思っていたのに余計なことをと反抗するのですが、願い虚しく転生させられてしまいます。
お相手は先祖の愚行によって加護を失い国の守りがガタガタになってる公国の王ルドヴィクス(攻め)。
ナナキもルドヴィクスも出会った瞬間惹かれるのですが(女神の祝福というか呪い)、ルドヴィクスは人を愛したことがない為、つがいになってもらうのに傲慢な態度が表に出てしまうし、ナナキはルドヴィクスが舞踏会で仕方なく踊ったたくさんの女性の残り香が鼻についてわれ知らず嫉妬しまくりで反抗してしまいます。
拗れた2人はつがいになって国に加護を戻すことごできるのか。



初め、ナナキにつけられたメイドが気に入らなくて仕方なかった。
いうこと聞かないなら泣いてやるって、メイドって偉かったっけ?ありえない。
そして、泣かれるのが嫌だからということ聞くナナキにもイラつきました。

女神に好きになる人を決められるなんて呪いと同じだと思って、マイナス感情から読み始めましたが、暗殺されそうになったり、女神が愛する狼の子供を預かることになったり、駆け落ちした2人に助けてもらったり、ルドヴィクスが表向き活動するために二役しているラティスという騎士が接触してきていい雰囲気になったり、色々ありましたが、なかなか2人の仲は深まらないなと思いながら、楽しく読みました。
なんと言っても仔狼と駆け落ち夫婦との出会いがナナキの心を守ってくれましたね。
あんまり都合良いタイミングで駆け落ちしてきてたので誰かの差金かと初め疑ってました。

特に夫のサンチョがナナキの不安を汲んで、ナナキが役目を全うしないと国が滅んでしまうと聞いても、自分たちの都合を押し付けたりしない本当にいい夫婦で、彼らにとっても公王と繋がりをもててwin-winな関係ではあるけど、女神の贈り物かと思ったくらい。
色々あったけど、劇重男2人でこれからも仲良く国を治めていくのでしょう。
せっかく子供ができる仕様に変更されたんだから子供も見たかったな。
それがちょっと残念。

誰もか否定してくるΩである自分が幸せになるために




騎士だと思ったら木こりだったα ✖️ 幸せになることに貪欲なΩ


同僚のΩが善意で助けた見窄らしい怪我人が実は騎士で結婚の申し込みされ幸せになったのを知り、自分も騎士の嫁になると意気込んだΩのランティ(受け)。
普段から周りをよく見ているランティはやはり見窄らしいけど筋肉のつき方からして絶対αで騎士だと確信した男ガォルグ(攻め)を親切にして自分を売り込み嫁に貰ってもらうことに成功します。
が、ガォルグは実はチョー貧乏な木こりだったのです。
ガォルグは普段から言葉が足りず、家に着くまで全く説明がなく、ランティはあまりのショックに号泣します。
が、そこでへこたれません。騎士と結婚したかったのは幸せになりたかったからなので、木こりが夫ならここで幸せになるまでと大いに張り切り、絶望的な貧乏から貯金ができるまでになります。
そんな時、ガォルグが隠していたものを見つけてしまいます。


自分の勘違いで騎士に嫁いだと思ったらきこりだったことに大泣きしていたランティ。
誰にも八つ当たりせず自分の自業自得としたのは潔くて良いと思ったけど、ガォルグの前で本当のことを言ったのはいただけないな。
それは本人には隠したほうがよかった。自業自得だと思ってるなら余計に。
とはいえまだ17歳ですから、それはちょっと難しかったかな。

とはいえ、ガォルグも早々に離縁されるのではと覚悟するくらいの嘆き方でしたが、泣き疲れて熱を出し目が覚めたら、ランティは開き直っていました。
「僕はここで幸せになります」と宣言して。

Ωだからと親に捨てられずにちゃんと学校に行かせてもらっていたらさぞかし優秀だっただろうと思うとちょっと惜しい。
でもだからこそガォルグに出会えたのですがら、今までの苦労はガォルグに出会うための修行期間だったのですね。
小売を飛ばして直売を思いつくなんて賢い、

がめついし、計算高いけども、自分を卑下しない、自分の良いところはちゃんと理解していて、かつ褒められても否定したり恥ずかしがったりしない。そうでしょうそうでしょうというのが可愛いし、すごく良い。
こういう子大好きです。

一生懸命すぎて、あんまり色気はないですが、そんなランティに振り回されているガォルグを見ているのも楽しい。2人がお互いを振り回してたり、すれ違ったり両片思いの時間が長いけど、ストレスなく楽しく読めました。

一つ気になるのが、勝手にランティに横恋慕し、自分のものにならないからとΩを下に見る発言をして暴力まで振るってきた、騎士志望の青年はどうなったのかな。
みんなの前でやったことだし、騎士になる資格なしとして、牢屋にぶち込まれてたら良いんだけど
それだけが気がかりではあるけど、とても楽しいお話でした。