「イノセントラブ」3話
近所のお兄ちゃん なるちゃん × 高校生音人
近所のお兄ちゃん、なるちゃん(攻め)小さいころから面倒みて少しずつ懐かせてきた音人(受け)を調教していきながら取り込んでしまう話です。なるちゃんは病んでます。うまい具合に調教して全部貰っちゃったり。同級生と一緒にいるのに嫉妬して盗撮写真をわざと見せて撃退したり。
愛のある病んでる人は好きなので楽しく読みました。
「禁忌」2話
高校生先輩伏見・同級生雅臣 × 高校生大槌
大槌(受け)が二人を使って気に入らない生徒をケガさせていて、二人を飼い犬として女王様然としていたのに、周りにばれそうになって手を切ろうとしたら、二人に思いっきりかまれてしまう話です。
3Pは苦手なうえに愛があまり感じられないので私は苦手です。これからこの3人はどうなっていくのか心配です。
初めは大槌が何で二人を使ってるのかと思ったら、操ってたのは一番やばい伏見だったんですよね。大槌に執着しているのは雅臣の方のようなので、雅臣と大槌がくっつくんだったらちょっとは安心なんだけど。伏見が早く飽きて二人を解放してあげればいいんだけど、そうでないと堕ちるとこまで行ってしまいそうで恐いです。
「勝てる気がしません」2話
高校生、紘 × 高校生、悟
上の2編とは違って可愛い高校生の話でした。
付き合い始めの二人がどこでも盛ってしまって困っちゃうみたいな可愛い話で読んでてにこにこしてしまいました。ギャグの顔もかわいいし。
上の2編(特に真ん中の話)が病んでだけに心が軽くなる感じがしました。
こういうのが最後にあると読み終わりが暗くならなくていいです。
ヤンデレ設定は好きですが、真ん中の話は私好みではなかったです。
表題作と最後の話をもう少したくさん読みたかったと思いました。
妾腹のアルファ王子とオメガの次期公爵
国で確認されている唯一のオメガである公爵令息ティルダ(受け)は余命宣告されている父に早く番を見つけるようにと言われています。理解者である国王が厳選したアルファを紹介してもらうため王都へいくことになり、アルファの王孫達が迎えにきます。
予定より早く到着したことで準備が整わず、出発まで待ってもらうことになったのですが。第2王子のロベルトは頻繁に誘ってくるし、なぜがいい匂いのする第3王子のエイリーク(攻め)は素っ気ない。
ティルダはそんなエイリークが気になって仕方ありません。
それはエイリークの方も同じようで‥
そんな中、放蕩息子の従兄弟パトリックもベータなのに参戦しようとしてきて‥
王都でお見合いと言いながら、王子達との見合いが始まってしまって、王都へ行くために病身の父の代わりに領主の仕事をしているティルダは引き継ぎに忙しいのに、王子を無碍にもできず余計に時間がかかってしまって大変です。
初めに通達した日よりも大分早くくるなんて非常識だな、王族のくせに常識ないのかなと思いました。特にロベルトが仕事は優秀のようですが、人間性はダメなようなので、何しても王子だから便宜を図ってもらえるとか思ってるんでしょうね。選ぶのはティルダだから心象悪くなるばかりなのに、そういうの気遣いができないところがダメなんでしょうね。
従兄弟のパトリックは美しいティルダを奪われると思い突撃してくるし、ティルダは大変です。
この国には不敬罪はないのかな。
初っ端だけでもしょっ引かれても仕方ない暴挙なのですが。特にロベルトなんて速攻で騒ぎそうなのに。
公爵が急いだのは、はじめはパトリックが無理やりことに及ばないように自分の目の黒いうちにアルファの伴侶を見つけてあげたいと思ったんだろうと思いました。
話が進むうち、ロベルトも何かやらかさないか心配になりました。もしかしたら2人が手を組むかもとも。
そう思ってたら、ティルダとエイリークが何も遮るものがない丘で何時間も睦合い始めた時は絶対なんかあると思いました。
予想とは違ってたけど、やっぱり暴走するのはこの2人で、彼らは好きな人が自分のものにならないなら困れば良いと思えるくらいクズな人間でした。
発情期はその苦しさで自死する人が出てるくらい大変なのに、そうなれば良いと思っている2人の末路は自業自得かな。
それにしても、ティルダが最後のオメガになるまで国はなんの対策もしてなかったのだろうか。ティルダの母のように面倒を見てくれる貴族が動いてくれていたら、もっとオメガについて調査も進んでいただろうし絶滅寸前にはならなかったのではとは思うけど、オメガがいて良いことがこの世界では特にないようなので(他の作品とかならアルファが生まれやすいとか利点が有る)絶滅する運命だったのかもしれない。これからティルダの子供とかに引き継がれて薬の開発が進んでいくといいですね。
2人目の妊娠
最愛の息子で宝珠であるロアールが産まれて3年。
スクスク元気すぎるくらいに育つロアールと仲睦まじいロイ(受け)とゼクシリア(攻め)
宝珠が産まれるのは稀だとロアールの時に言われていたのに、再びロイの妊娠が発覚。
それもロアールが気がついたため、まだ本当の初期。
前回のような綱渡りのような展開にならないで済むとそれでも早急に仮腹を探し、仮腹の所へ急いでいると、ロアールが番を見つけて連れてきて(誘拐)しまいます。
番を返さねばと予定と違うコースに変更するのですが、またしてもロイの宝珠を狙う輩の攻撃されるのです。
前作のつづきから。
今回も怒涛の展開。
ロイが妊娠すると騒ぎが起きる。
そして肝心な時にいつもいないゼクシリア。
頑張ってるのに役立たず。
自分の命を賭けても卵を守りたい蛇の一族の気持ちもわかるし、元気な卵を仮腹にしたいロイの気持ちもわかるし、優しいロイが悩むのもわかる。
私は自分の子が少しでも危険なら悪いと思ってもひび割れた卵は見捨てるな。
と薄情なことをか思いながらどうなるかとハラハラしながら読み進めました。
本当にタイミングが悪い。
ロアールが番を誘拐して来なければ、ずっとゼクシリアがそばにいれば、こんな騒ぎにはならなかっただろうにと思うと、まだ3歳だから考えなしだけど宝珠のせいで能力だけは高いロアールがこれからも色々やらかしそうで大変そうです。
側仕えはもう少し優秀な人にした方が良いのでは、と思ってしまいました。
この事件の元凶の元凶になってしまったし、本当に優秀なの?って思ってしまう。
とはいえ、ここでロイが決断しなければ、蛇一族の子供は生まれなかった可能性が高いと思ったらよかったのでしょう。
怒涛のような展開で疲れて読むのを休もうと思っても休むところがない。
一気に読んでしまう感じでした。
将軍と叔父さんのスピンオフがあるのかなと思ってたら、もう出てたんですね。
知らなかったので、梟の長の胡散臭さとかその辺りがよくわからなかったです。
今作の怒涛の展開は面白かったけど、前作に続いてのフルスロットルな感じでちょっと疲れました。もし続きがあるなら、もう少しゆっくりな感じの話が読みたいです。
とにかく滅多に生まれないと言う宝珠が2人も産んだロイはまだまだ産んじゃうかもしれませんね。
それにしても早くからつがいが見つかったロアールは幸せですね
バツイチ医者と恋人に捨てられて自殺した幽霊
バツイチになった内科医の那須川(攻め)は町並み保存地区の風情ある一軒家を購入引越しをします。が、そこは裏吉原と言われる場所だったらしく、夜になると男花魁や禿たちの幽霊の溜まり場になるのでした。
悪さをするわけでもなし、すっかり慣れてしまった頃、令和に死んだと思われる綺麗な男性の漣(受け)がやってきます。
他の幽霊とは会話ができないのですが、なぜか漣とは話ができ、話すうち少しづつ距離が縮まっていきます。
那須川は親が敷いたレールに乗り、兄が大学病院に勤めたいということで、医院の跡を継ぎ、見合いで結婚し、とずっと言われたとおりの人生を生きてきましたが、父親が亡くなり、妻には浮気されて離婚し、これからは自分の人生を生きようと心機一転、引っ越したのでした。
結婚も恋愛もこりごりと思っています。
思いがけず始まった幽霊の漣との生活が思った以上に楽しく、仕事から帰ってくるのが楽しみになっていきます。
那須川が言うどんな名医でも治せない病は『絶望』
自殺した漣にとってすごく救われれる思いがしたのではないでしょうか。
絶望して自殺した漣が毎日楽しそうにしていて、2人が恋人になり、ついに幽体なのに本懐も遂げて良かったと思う反面、いつ満足して成仏しちゃうかとドキドキして読んでいたら、そっちかーってなりました。
那須川の兄の行動は那須川の立場だと腹立たしさしかないけど、兄の立場からしたら、かの牡丹灯籠でも亡霊に生気を奪われて死んでしまうのですから、仕方なかったと思ったけど、それでも抜け殻になってしまった那須川が『絶望』してしまうんじゃないかと心配したし、漣がめだかに転生してくることを願って庭にビオトープを作り出した時には、壊れたのではと本当にヒヤヒヤした。
連が結構な年上が好きなのは母子家庭で育ったことが原因かな。
そして、漣が幽霊だったからこそ恋人になれた2人。そうじゃないと医者としての社会的立場が邪魔して恋心すら芽生えなかったかもしれないと思うと、2人のそれぞれの失恋は運命だったのですね。
傷ついた2人が寄り添える存在を見つけることができて本当によかった。
シェアハウスでの同居から同棲へ
まだまだ売れないクラフト作家の小糸(受け)は大学生の時から住んでいる格安シェアハウスに未だに住んでいます。
大学の移転に伴い入居者が減り、とうとう後輩の八木(攻め)の2人だけになってしまいました。
月2万という超格安で2人しか入居者がいないとなると採算がとれているのか不安になるくらいです。作品作りに集中するためバイトもしていない小糸の収入では引っ越すこともできず、いつ廃業の通達が来るかと不安に思いながらも、感性の近い八木との生活は快適なこともあってずるずると居座っているのです。
そんな頃家主の孫が帰ってきて事態が動き出します。
雑誌掲載の小糸視点と書き下ろしの八木視点で話が進みます。
両片思いだったけど、小糸は初恋で失敗していたし、八木の方もひよってしまってなかなか進みません。
BLを普通に読んでると気づかないけど、バイセクシャルの人は自分が男性も恋愛対象だと認めるのはきっと大変なんだろうな。
それにしても八木は意地悪だなー
黙っていれば、ちよっと満たされないかもしれないけど幸せになっただろう兄に、自分が選ばなかった幸せな未来を見せられて、絶対後悔してると思う
そして、小糸に相談できる友人(瞳)がいて本当に良かった。彼女の存在がなかったら、小糸はもっと生きづらかっただろう。
小糸に、覚悟があったのが一番だけど、なんだかんだでうまくいきそうで良かった。
胸の中で数匹の猫がにゃあにゃあ
クーデターを起こすために頑張りすぎて初恋にワタワタしてる新王と元王の寵童
前王の寵童だったライリ(受け)はクーデター後前王の墓守をしながらひっそりと暮らしていました。
そこへ現王のファリド(攻め)がやってきて、王宮の書見の塔の仕事を与えられます。
前王に書見の塔の言葉を与えると言う遺言をもらっていたこともあり、目録を作ってのんびりと半ば幽閉生活を送るのですが、なぜかファリドが度々顔を出すのです。
実直すぎて苛烈な性格になってしまい、気楽に話せる相手のいないファリドにとって、構えて話してこないライリは話がしやすいようで、たびたびそこで寝てしまうようになります。
そんな日々の中、書籍整理が進み、前王の残した遺産のあり方がわかるかもしれない手紙が見つかります。
両視点で話が進むので、とても楽しく読めました。
特にファリド視点は初恋にワタワタする姿がとても楽しかったです。
2人の距離が縮まり、一緒に宝探しをしている時はドキドキしたし、より仲良くなろうとして慣れない冗談を言ってライリを凍らせた時には拗れるんじゃないかとハラハラしたし、ライリが前王からは手を出されてなかったことを知らないため色々なことを想像して悶々とするのは笑えました。
初恋にワタワタしたりモヤモヤしたりウズウズしたり色んな感情を「胸の中で数匹の猫がにゃあにゃあ鳴いてるとか引っ掻いてる」と表現するのが、美丈夫なファリドとギャップがありすぎてかわいかったです。
最後の方は猫じゃなく虎にグレードアップしてるし。
のんびりのほほんとしている時は良かってのですが、前王の隠し財産を狙っている前王の従兄弟のゴバードが絡んできて不穏なことになった時は、ハラハラドキドキしました。
用心深いゴバードは尻尾をなかなか出さないし、向こうが仕掛けてきた時は本当にどうなることかと思いました。自業自得な最期を迎え、2人に危機が去ってホッとしました。
これからはライリの元で心身ともに休んでは国王稼業を頑張ってほしいものです。
ただ、前王が何を考えていたのかとても気になりました。
初めはそれほどひどい王ではなかったようなのに、なぜやる気も無くなり、堕落した王になってしまったのか。
処刑される寸前の前王しか描かれていないので、気の毒に思ってしまう気持ちもあったのですが、隠し財産のカラクリの酷さとかやはり悪辣な王だったのだろうか。
死ぬ前の手記のようなものが読みたかったな。
生まれも育ちも恵まれず、やさぐれた男が心を取り戻すまで
生まれに恵まれず、半グレ集団の頭として、何でもやって生きてきた礼夜(受け)は、ある日側近に刺されて死んだ。と思ったら、落ちた川から異世界へ転移していた。
礼夜を呼び出したのは同じ顔をした少年フレイ。
亡国の王子でであるフレイが、逃避行の途中、王族だけが知る神の泉で祈った結果、礼夜が出てきた、らしい。
病弱で余命幾許もないフレイの願いは側近たちが命を散らさずに逃げること。
後を託された礼夜だが、フレイを慕っていた側近たちは、フレイの死に後追いしかねない消沈具合だった。
特に、フレイの護衛騎士ヴィダール(攻め)は完全に放心状態で役に立たない。
礼夜は自分が生き残るため、彼らを叱咤激励し逃亡を図る。
礼夜は自分の居場所を作れるのか。
この作者様の作品は私にとって当たり外れの激しいことが多いのですが、評価が高かったので手に取りました。
最後の一文まで読んで一息ついた後の感想は、「良かった」に尽きます。
長く辛い人生の半ばで、今まで以上の逆境の中で足掻き続けた結果、仲間と愛する人を見つけ、色々な感情を覚え、はじめに求められたもの以上のものを手に入れて、心残りも解消する。大団円と言っていい壮大なお話でした。
ただ、礼夜は呼び出された被害者なのに呼び出したフレイはすぐ死ぬし、側近は反抗的でお前が代わりに死ねば良かった的な対応を取られ、周りは敵だらけの場所も人も完全アウェイな中で必死に生きようと足掻く様は読んでいてしんどかった。
皆が信頼できる仲間になり、ヴィダールが恋人になるまでがほんとーに長い!
そもそも受け様がしんどい話は好みではないのです。
お陰で何度も読み手が止まり、なかなか読み進められなかった。
でも、露悪的に皆を煽り動かし、仲間を増やして縄張りを増やしていくのは面白かったです。
経験から他人を信用せず、自分の感情も意識の外にやり、常に淡々と生き残るためにやるべきことをし、感情は邪魔とすら思っていた礼夜が、仲間が傷付いたら心配することができるようになって本当に良かった。
そして最後の最後、神の泉が新たな奇跡を起こしてくれたことにちょっと感動しました。
これからの明るい未来を感じることのできた良い話だったと思います。
顔が推しの知人からのアプローチ
過労で倒れてしまったカフェ店長の智巳(受け)は知人の紹介で静養も兼ねて、元別荘地でのんびりセカンドライフを送っている老夫婦のカフェの店番をすることになります。
のんびりと楽しく好きなことをして生活し、体調も良くなってきたころ、尋ねてきたのが、好きなゲームの推しキャラクターの顔モデルになった海渡(攻め)です。
学生時代からゲームのデバッカーをしていてその関係で知り合ったのです。
顔以外は全くイメージと違う(声も仕草その他)海渡に推しと違うところに気付いてはがっかりするのを繰り返しているうちに、供給が無い推しの代わりにこの人で推し活しようと思い立つのです。
仕事で滞在している海渡に食事を貢ぐ智巳。
そんな智巳を口説き始める海渡との攻防戦。
時々海渡の視点が入りますが、ほとんどは智巳視点で話は進みます。
最初のブラックな職場の話以外はのんびりふんわりしているので、ストレスなく楽しく読みました。
口説きはじめた海渡に対していつ推し活が恋愛になるのかなと思いながら、どう見ても餌付けだなーと思いながら読んでいました。
知り合いのカフェを夫婦と交代で家賃代わりに店番をしているのですが、カフェの中のカップその他が智巳の母から送られてきたものばかりで、紅茶やハムやらなんかも両親からそれぞれ送られてきて、パンと場所のみ提供している老夫婦とのお金関係どうなってるのか気になって気になって仕方ありませんでした。
最終的に定休日に智巳がカフェとして開いて仕事にするということになってましたが、それで生活できるんだろうかとかお金のことばかり気になってしまって、集中できなかったのが残念でした。これって私だけ?
若いけど、ちゃんとした社会人2人(特に海渡はそこそこ異性と経験ある)なのになんか初々しい恋愛が楽しかったです。
2人が恋人になり少し経った頃、スランプの御影(攻め)のために地方のホラーイベントに一緒に行くことになります。
締切も近く切羽詰まっていた御影を気遣う友春(受け)ですが、なんだか御影がよそよそしい。
友春に夢子が入ってからは過保護だったのに急にそっけなくなった御影に不安になる友春。
締切で忙しいであろう御影に気をつかって、1人で文献などをさがしていると古ぼけた本を見つけます。
なぜか読むたびに読み解ける場所が変わるその本は、今の2人の状況に似ていて、自分たちがこの本の内容に追いつき追い越され同期してしまうような気がするのに、読むのを止められません。
怪異によってこられる体質の御影は友春が危険な目に遭うのを嫌う。
自分がしっかりしなければ御影が離れてしまうかもと思った友春の暴走で怪異につけ込まれる様が怖かったです。
全てのタイミングが悪くて負のスパイラルに陥ってたように思います。
ナニかはわからないけど大ごとになりそうな前に間に合ってよかった。
後半はルームシェアするため、部屋探しをする話。
どこへ内覧に行っても変な声が友春を呼びかけてきて、全く決まりません。
この声はなんなのか、不安になる友春にまたもや試練が。
折悪しく御影が風邪をひいてマスクをしているため口元が見えず、怪異の干渉に気づくのに遅れ、友春はまたまた不安に。
最後は友春が今までの御影の言動を信じた愛の勝利でした。
前半の話も後半の話もちゃんとお互いが面と向かって話せば怪異につけ込む隙を与えなかったので、2人には恐れずすぐに相談し合える関係になってほしいですね。
作者様もあとがきに書いておられましたが、今作は前作よりも怖さは、控えめでした。
そして、煙草以外の対処法が早く見つかるといいなと今作でも思いました。
健康が気になってきになって仕方ありません。
前作で新事業のプレゼンを終え、融資が降りるかどうか待っているリバースエッジの面々。
融資が降りたら何をしようかと色々な企画を考えていたのですが、ここで融資元(久瀬の2番めの兄)から今までの事業との関連が薄いと指摘があり、融資を後押しするための実績という高いハードルを課せられます。
開発の皆が阿鼻叫喚するハードルを越え、融資を取り付けることができるのか。
半年ほど前、ゲイバレしてリバースエッジに転職してきた重治(受け)が営業としてそろそろ今までのやり方で行き詰ってきたこの頃、新事業への融資を受けるために課せられた、個人アプリ一万ダウンロードという高い目標にむかって社長の久瀬(攻め)はじめ開発の面々たちが奮起します。
重治が入社してきたばかりから見違えるように久瀬をはじめ社員のみんなが変わってきているのが如実にわかります。
それを見て重治が自分も置いていかれないようにと気を引き締めてるのがいい傾向です。
そして、甘えるのが苦手な重治が年下の久瀬に甘えることができるようになってるのは進歩です。
たとえ、それが他の人から見たら甘えとは言えないものであっても。(笑)
と思っていたら、アプリのアピールのために社長を前面に出したネット記事を企画したことにより予期せぬ方向に向かったことで、やはり自分だけ変わってなかったのではと思い悩むことになります。
言われなき中傷の嵐に思い悩む重治ですが、そんな重治を横目に若い社員たちは全く気にしていません。
これはネットに慣れている若手と全く慣れていない重治のジェネレーションギャップなんでしょうか。胃痙攣起こすくらいのストレスを感じてしまった重治が本当に気の毒でした。
でも、そのことでみんなが本当に目標に向かって一つになってることや、年上の重治を慕ってる様子がわかって、そしてそれを体感した重治は、変わってないように感じていてもちゃんと変わってたんだね。昔は自分の居場所がなくならないように頑張っていたけど、今は仲間たちを応援したいって気持ちから頑張ってるということをこの大変な2ヶ月で気づけて本当によかった。
こんな難儀な性分にした義母たちは本当に許せません。これからも不干渉でお願いしたいですね。