作家さんのインタビュー記事を読んでの購入でした。
もう何回読み返したか。そして読むのは必ず寝る前。
正直な話、最初の方のツァイホンは好みではなく、記事の中でも全然印象が違うこの子の本質はどっちなんだ、と読み始めは戦々恐々でした。ハマるかハマらないかのどっちかだな、と。
複雑なお話です。複雑ですけど難しいわけではない。切ないけれど、優しいお話だと思うのです。
キーパーソンはフェイの兄であるラン。読み手がこの兄をどう分析するかで若干感想が変わりそうな気もします。
インタビュー記事の中でも帯でも出ていますが、ツァイホンの涙を流しているシーン。この時のツァイホンは涙は後悔の涙なのか、希望の涙なのか…。
それから最後のシーンのツァイホン。これがすべてだな、と自己完結しました。
もうひとつのお話の「いちばんりっぱな花になる」
8ページの短いお話です。…こういうのをメリバっていうんでしょうか。
いや、違うのか? バッドエンドでもないけれど、はっきりとしたハッピーエンドではない、よね?
確かにBL度は低い。でも、BLとして出してくれて良かった!と思いました。
BL以外で発表されていたらニアBLとしての扱いも気が引けるというか…
その位、ある種の美しさがあるお話でした。
BLとしてではなかったら、この物足りなさは不満でしかなかっただろうし
(なんでBLじゃないんだ…)
邪な感想は自己嫌悪になるだろう(腐目線で読んでしまう…)と思います。
障害については、私自身がそれを題材にされる事に違和感や嫌悪感を抱く
タイプではないので(勿論、扱い方によりますが)何ですが、少なくとも
障害を受け入れる過程がメインですし、また、そのバランスも絶妙だと感じました。重すぎず、軽すぎず、大学生という設定も良かったです。
最後に
続きを期待しています。LOVE成立まで読みたい。
みなさんおっしゃってますが、この絵でこのエロ度。
受けの裕一は基本的に女子思考というか、女友達との関係もまさに
「女の子同士」って感じです。(友達は裕一の苦悩みたいなものをちゃんと
知っていて、の上での友達なのでBLとして違和感があるわけではないです)
それなりに、すれ違いや不安と言った部分もあるのですが、LOVE=エロって
感じるくらいの割合なので、ストーリー物としては軽い感じがしました。
でも、逆にその軽さが読みやすい、とも言えます。(色々考えなくていい)
このお話の中で唯一、裕一を「男の子なんだなぁ」と思ったのはラストの
リバ。シーンが、という訳ではなくて「抱かれる」妄想ばっかりしていた
裕一が「抱きたい」と言った、って所なんですが…。
基本的にリバは避けて通るので(地雷まではいかない)このシーンはなくても良かったのが正直なところです。
でも、そのシーンがあるからこそ、BLとして成立したのかも、とも思います。