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女性もきゅ子さん

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丁寧なお話でした

とても良かった。
とあるカップルに訪れた人生の大事件とそれから。小説家の晴人(下半身不随)と会社員のあきらは大学時代からの恋人で、晴人の事故をきっかけに一緒に暮らし始めて二年。二人が一緒に暮らす上でお互いが自分で出来ることは自分でやる、困った時は頼る(ちょっとしたことでもあきらからも晴人を頼るのがとても大事だと思った)そうやって気遣いながら暮らす二人の様子が良い。

しかし晴人は大学時代とは様変わりしてしまった攻めの人生への罪悪感を消し去ることが出来なくてというお話。大学時代の変哲もない若者カップルな二人のエピソードを読むとやるせなさがある。攻めは自由奔放で旅好きで、 そのせいで留年したりしているタイプの若者だったのに、今は定時で直帰してくる会社員で週末に街に出かけるのも一苦労な自分に付き合ってくれている。そう思うと罪悪感を感じずにはいられないよね。

あきらが久しぶりに一人で旅行した時に、ここは車椅子が通れるか、あの段差はいけるか無意識に考えちゃって、結局旅先で見た綺麗なものを晴人と一緒に見たいと思っちゃうシーンが好きだった。

その他晴人の暮らし、日常の描写もとても印象的だった。排泄の手間暇、後遺症の神経痛、外出時の手間暇など丁寧に描写されていた。

映画が好きな晴人にとっての映画館。昔は特別感が好きだったカーペットの床も今は車椅子が動かしにくくて一苦労。車椅子席だってシアターによって位置が違うし、最前列の場合が多くて見にくい。そういう事を考慮しながら映画を選ばなくてはならないし、外食するにも事前の問い合わせや目的地までの動線の確認とやることは多い。下半身が動かないことに付随して日常に膨大なタスクが増える。だただ歩けないだけではない、他者からは見えにくい不便さにハッとさせられる。

パートナーであるあきら側についてもフォローされていたのも良かった。付き添い人ではなくパートナーとして一緒に生きていくことについての言葉が印象的だった。

あきらがくれたド派手な蛍光カラフルカラーなマジックハンドを「スゲー色だな…」と思いつつ使い続て愛着が湧いているのも可愛かった。

最後も良かった。

野球部BL

とても良かった。
高校の野球部に転校生が入部してくる。背が高くてシュッとしたイケメンだけどちょっと天然な攻めが受けや野球部のメンバーと仲良くなっていく様子が青春で良い。そして恋人になった二人の様子もとても微笑ましい。

受けが大好きで愛が重めで天然な攻めが可愛かった。

今まで特別に思っていなかった受けの誕生日が、攻めがめっちゃ祝うと約束してくれたのに果たされなかったことでしこりになっている描写も切ない。あとバイト先の人間関係の描写が生々しくて面白かった。二人の恋が過去の切ない思い出にならなくて良かった。

受けが送った数年ぶりのLINEが「祝えよ!」なのも可愛かった。そこからの怒涛の展開も最高。攻めが未練タラタラで重くて良い。受けを祝う食べかけのホールケーキも好き。

過ぎたる力の恐ろしさ

とても面白かった。
大陸統一を目指す強大な軍事国家の魔術師受け。受けは野心も出世欲もなく伯爵家の太い実家と恵まれた容姿をフル活用して図書館でショボイ魔術師としてのんびり働いている。なのに何故か敵国の捕虜の世話を言い渡されて受けの平凡ライフは終わりを迎える。

攻めが置かれた状況があまりにも辛くて悲しかった。攻めを蕃族と呼び人として扱わず、言葉も通じない中で異国の言葉で「帰りたい」と呟く姿に涙。急に攻めてきて親兄弟国民を殺したことを棚に上げて、攻めが抵抗して殺した人達を思って憎しみを向ける兵士達が恐ろしかった。

そんな状態の攻めを放っておけず世話係の範疇を超えて攻めに寄り添い看護する受け。手負いの獣状態だった攻めが受けに心を開いて懐いていく様子が良かった。口数は少ないが、命を救ってくれた受けに魂も運命も委ねて尽くすという覚悟が見える。攻めは慣れない異国語を話すことになってシンプルな言葉を使い口数が減っただけで、本当は冗談も言う朗らかな感じの人らしいとあとがきで知り、そんな攻めと受けの会話をもっと見てみたいなと思いました。

その後も戦争の悲惨さや愚かしさに悲しくなる。受けを攻めの世話係に任命した第二王子が狡猾で恐ろしくて二人が生きて平和に暮らすことはできるのかとハラハラした。第二王子が登場する度に緊張感が走るけれど、とても魅力的なサブキャラクターだった。王子は賢く統治者の才能もあり、受けと同じくこのままでは国の栄華は長くは続かないと知りつつも父や兄の望みの通りに国を動かしてきた。受けの隠された魔術の才能を知った時に、受けを帝国の英雄にしようと決めて迷うことなく侵略に加担してきた第二王子の執念と清さが印象的だった。

悲しい

とても面白かった。
家庭環境最悪な父子家庭で育った受けと、幼馴染で裕福な家庭で育った攻め。生きる環境が違った二人だけど大人になっても縁は切れずに親友として過ごしていた。失踪した父親との区切りをつけるためにも失踪宣告の手続きをしたことをきっかけに受けと攻めは過去と向き合うことに…というお話。

幼少期のエピソードや、お互いに救い救われてきた関係性、お互いを大切に思いあっている気持ちの強さに涙。最後はもう憂いのない状態で二人が再出発できそうなエンドだったのも良かった。

イギリス児童文学ぽい世界観

とても面白かった。
全寮制魔法学校に通う商人の次男受けと、少数民族の血が混ざった辺境伯の嫡男攻め。貴族と平民の溝は深く、平民のくせに監督生になった優秀な受けは貴族に目をつけられて嫌がらせを受けている。その一環で攻めに告白することになって、告白の理由を知った攻めに悪魔の提案をされる。

初めはいじめの主犯達をびっくりさせるくらいの気持ちだったのに、正反対な二人のセンセーショナルな交際(仮)は一気に学園中に知られ二人の両親にも届き事が大きくなっていくのに笑った。学園で浮いていた変わり者二人が手を組んで他の生徒達を翻弄していく様が痛快で面白かった。

偽装恋人になった二人の学園生活も青春でワクワクする。二人のウイットに富んだ言い合いも面白くて好き。翻訳小説好きな人には合うと思う。受けが悪役令息にワインを浴びせた時の「僕やりすぎだった?」「いいや。とびきり控えめだっ」という会話がクールで好き。冴えない受けをホリデーの間に大変身させようという作戦中にオシャレ番長な攻めが「その悪夢みたいな靴は今すぐ捨ててくれ。見てると目眩がするんだ」とキレキレなダメ出しをするシーンも好き。

お互いに恋心を抱いていく様子も甘酸っぱくて良かった。攻めは問題児として名を馳せていたけれど、根は優しくて照れ屋な可愛い人だったのもギャップ。二人の恋の進展は初心で焦れったい感じ。普段唯我独尊な攻めが受けの実家に遊びに行く時に緊張していたのが可愛かった。あと二人が超絶大喧嘩をした時の攻めが完全に受けの尻に敷かれているのも良かった。冷戦中毎日ご機嫌伺いに花を送って、気づかれるかも分からない花言葉にメッセージを隠していたのが健気で可愛い。

目立たないように下を向いてうじうじしていた受けが強かで人たらしな猫系女王様に成長していくのも良かった。

色んな魔法学の授業があって、個性的な教授がいる学園の世界観も楽しかった。学園の植物を世話する妖精達に対価としてクッキーやキャンディをあげるのが定番だけど、先進的な学園は妖精保護団体の訴えを気にしてちゃんと金貨で労働の対価を支払っているのに結局妖精達はその金貨でクッキーやキャンディを買っているというエピソードがお気に入り。皮肉が効いていてハリポタぽい世界観。

逞しくちゃっかりした受け

面白かった。
BL漫画の総受け美少年に転生してしまった受け。セクハラ地獄な未来を憂いて、将来悪役ポジになるぼっち攻めの腰巾着としてまとわりついて無自覚に攻めを絆していく。

誰もが自分の美貌をチヤホヤする中で攻めは塩対応でキモイとまで言われて、逆に大歓喜しちゃう受けに笑った。攻めに何を企んでいるのか聞かれて白状するシーンも好き。「人を近寄らせない君の怖い雰囲気が魅力的で。不人気なところもいい。君の傍にいれば人除けになるかと思った」正直に言えば言うほど悪口のオンパレードになっちゃう笑。

その後「貴様の面倒くらいは見てやろう」と受けの企みを了承してくれるんだけど、本当にずっと面倒を見てくれる世話焼き過保護攻めになるのが良かった。受けを甘やかしすぎるので受け自身が甘やかすなと怒っちゃうレベル。そうやって受けの人生の必需品になって受けファミリーにも溶け込んで外堀全部埋めて囲い込んでいく攻めが好き。そんなに強く執着しているクセに受けに恋心を知られて嫌われないように一生の親友兼騎士ポジションをキープする気だったのは健気。「貴様がおじいさんになっても世話を焼き尽くしてやる」って台詞が好き。あと攻め視点から見た受けが圧倒的な光でキラキラと輝く宝物のような存在なのも萌えた。気持ちを隠したい攻めと、自分の恋心に気付いてアプローチする受けとのすれ違い展開も面白かった。

何かあったら攻めの名前を出すちゃっかりした受けのキャラクターも好きだった。めちゃくちゃ腰巾着なスネ夫仕草。総受け主人公の治癒能力も金儲けに使う気満々。

雷々来世 コミック

野白ぐり 

切なくて甘い

とても良かった。
前世で悲恋に終わった主従の記憶を持つ高校生達。攻めは前世があまりに辛く悲しいので受けに再会したくないし、受けにも何も思い出さず今世を自由に生きて欲しいと思っていた。しかし再会した受けは記憶があるが最後のつらい部分だけは忘れていて、無邪気に攻めに懐いてくる。

前世の二人のエピソードが凄く切ない。ひとりぼっちでも受けの傍を離れずにひっそりと見守る道を選んだ攻めが健気。自分に尽くす攻めを解放してあげたかった受けの気持ちもわかる。

受けには今世は攻めの激重愛に縛られず自由に生きて欲しいと思っているけれど、攻めにとっては今世も受けが世界の全てなので受けを拒みきれない葛藤が良かった。

切ないんだけど、今世の場面が可愛らしくて甘さも満遍なく随所にしっかりあって読みやすい先生だなって思いました。これくらい優しくて甘いパートがあるのが好き。

とてもハラハラした

とても面白かった。
裏社会で悪いこともして自分第一にお金を儲けて生きてきた受け。最後は部下に刺されて終わりかと思いきや異世界に召喚される。受けを呼んだのは自分と瓜二つの病弱王子。王子を亡命させるために着いてきた家臣達の行く末を頼まれて、成り行きで王子に成り代わることに。

初めは王子達の事情なんて知ったこっちゃないって感じなのに、自分が異世界で生き残るために家臣達と協力しなきゃいけなくなって、そこからどんどん事が大きくなっていく展開が面白かった。

自分と同じ顔なのに汚れなく愛されてきた王子を見て、自分の幼少期と比べてドス黒い感情が湧いちゃうシーンや、どんなに感情を鈍感にして過去のとこにしたって他人のちょっとした一言で過去の記憶が蘇って辛くなるシーンが切ない。どんなにポジティブに自分勝手に今を楽しく生きていたって幼少期の傷は尾を引き続けるんだよな。

自分だけでも生き残りたいと言う割に、自分の事を粗末に扱ったり露悪的に振舞って卑屈なことを言う受けの危なっかしさにもハラハラする。そんな受けの挑発的な言動に最初期はイライラしていた攻めだけど、そのうち怒るのではなく憐憫の顔を向けるようになっていく。

二人がようやく甘くイチャイチャしたなと思ったら受けは「自分は将来きっとこの男のために命を落とすだろう」とか物騒なこと考えてたりするのも好き。攻めも攻めで受けのためにすぐ死にそうな言動をするから、このフラグがどうなるのか最後までハラハラした。

溺愛モードに入った攻めの過保護なまでの深い愛情も良かった。いつ死ぬかもわからない状況だからこそ数日離れただけでも熱烈な再会になるのが好き。

受けが可愛かった

とても面白かった。
事故や天災で家族も故郷も全て失った受けが異世界転移するお話。森の奥で隠遁生活を送る最強魔術師に拾われ穏やかな生活を送っていたけれど、魔術師のために王様の愛人役を務めることになる。

受けが愛嬌のある弟属性で周りの人達に可愛がられているのが良かった。特に魔術師に懐く受けが可愛かった。魔術師の家に初めて攻め達が訪ねて来た時に「この人達、エリューンの味方?敵?」と確認するシーンが好き。

その恩に報いよう、役に立とう、とし過ぎている姿は痛々しい。大切な人達を亡くした不幸に理由を探して、自分の選択が間違っていたと思い込むようになっていた受け。今度は選択を間違えたくないと、自分の意思ではなく相手が助かるなら、攻めがそうして欲しいならと周りの希望に沿うように行動する。役に立ちたいけど自分の選択が間違っていないか不安。そんな受けに対して、同じ喪失感を抱えた魔術師と王である攻めとでスタンスが違う対比も良かった。攻めは過保護だね笑。

時々垣間見える受け本来の肝の太さと逞しさも良かった。また一人残されないために何でもするぞという覚悟が良い。攻めも受けを一人残すくらいなら、死にそうになったら意地でも戻って受けも連れて行こうと言ってくれる。

他にも愛人の受けの可愛い我儘を何でも叶えてあげたいベタ惚れ王様という設定での王宮生活も面白かった。

大人の可愛い恋

とても面白かった。
40代の二人の可愛い恋模様。
受けは恋人ゼロな人生を送ってきたゲイ。仕事の関係でインストールしていた出会い系アプリでうっかりイイネしてしまった男性に偶然出会う。

出会いが運命的だし、攻めが出会い頭に受けに可愛いなって言っちゃう。一緒に笑ってくれた、かわいくて、輝いてた…と受けに惚れちゃった攻めのロマンチストな表現が好き。きらびやかなイケオジ攻めだけど内面はいい意味で普通で恋に思い悩んだりしている姿がギャップ。

攻めのアプローチにふ〜んと平静を装いつつも浮かれてる受けも可愛い。お互いに出会いの日の思い出の品をとってあるのも微笑ましかった。ラブラブ仲良しカップルで可愛いお話でした。攻めが受けをさん付けで呼ぶのも好き。二人の話がもっと読みたい。書き下ろしも良かった。

人生で一番エネルギーのある頃だったらどうしてましたか?それを今やるんです!という後輩くんのアドバイスも印象的だった。