面白い作品でした。弟のドロドロとした執着心が上手く描かれていて話全体もサスペンスぽくてドキドキしました。また弟の可憐な容姿や実は恐い性格にも惹かれました。でも一方で、兄の心情が急展開すぎて「ん?」ってなりました。
まず、なぜ優しかった兄の態度がいきなり冷たくなったのか分かりません。また、両親が死ぬ以前は本当に美月を可愛がっていたのに、ずっと前から美月の不気味な性質に気づいていたというのも不思議ですし、なぜ最後憤慨した兄がいきなり美月を受け入れることにしたのかちょっと謎でした。美月を愛しているから仕方なく受け入れたというよりは美月が恐ろしいからただただ言いなりになったという感じでした。
テーマ自体が難しいので心理描写が重要だとは思いますが少し作者の力量不足のような印象を受けました。
ただ全体的には面白い作品でしたし、水原さんの中ではこれまでと違った作風は衝撃的でした。
私としては水原さんは健気で心優しい受けのほうが向いていると思います。