原作既読。最後の方のストーリー展開は、音で聴いてもやはり「??」という感じは否めませんでした。
しかし!!なにはともあれ、メインの興津さんと吉野さんが、とても椿と三島でした。(←語彙力)キャストが発表されてから、「間違いない!」と期待して発売を待っていましたが、フリートークでお二人が「気を遣った」と仰られていた通り、それが伝わる期待以上の作品でした。
やり直しの世界で、椿への想いに雁字搦めになりながら、もがく三島。
思い出の中の、素直じゃないけど真っ直ぐでカッコイイ三島。
三島に冷たい態度をとられても、ひたむきに三島を想い続ける椿。
恋人に惜しみなく愛情を伝える、誠実で優しい椿。
マリアや三島の死後の、痛々しい椿。
上げたらキリがない・・・というか、全編通して聴きどころだと思います。お二人の演技や椿と三島の空気感は、前半は苦しくて切ないけれど、甘やかで温かくて、ほっこりします。長谷川や由香子、それから最重要キャラの死神など、脇のキャストももちろん素晴らしいです。何気に豪華ですし。飛田さんのちょっと怪しい感じがすごくハマってます。椿のお母さんと三島のお母さんは、「あぁ、二人のお母さんだな」と好感を持ちました。
以下、個人的に色々な意味で印象に残ったシーン。
椿の誕生日に三島が椿に「しよう」と言って誘う所なのですが、その時の三島の声が想像してなかった程のあまりの可愛いさで、思わず一時停止しました。
場の雰囲気で自然に出ちゃった声なのか、椿フィルターを通して見た三島だからなのかは分かりませんが、吉野さんのその一言に悶絶しました。
そして初めて結ばれた後、ベッドの上で死神の話をして、二人の約束を交わすシーン。ちょっと切ない感じも漂うんですが、音声で聞くともう甘くて甘くて、乱暴な言い方・・・というか変な例え方になりますが、盗聴器で盗み聞きしてるような気分になりました。
大事なシーンなのでカットされてないのは当たり前ですが、なんだか、二人の会話を聞いてしまうのが憚られるというか、そこは本当の意味で二人きりの世界にしてあげてほしいかも・・・という、妙な感覚です。
(ここを共感してくれる人は果たしているのだろうか・・・)
CDとしては全体的に綺麗にまとまってると思いますし、興津さんと吉野さんのファンは聴いて損なしだと思います。