話はそこそこ面白い、エロもそこそこある――だけど、何故進まない?
そんなことを思いながらではありましたが、ようやく読了です。
読んだ感想としては、登場人物のクセが強い。
基本ドタバタなんだけど、時々シリアスでそのシリアスが「へ?!」と思うぐらいヘビーな回想だったり……という話の展開です。
文章がアップテンポなので、ちょっと気を抜いているとすぐに置いてけぼりになってしまうのが残念。
ポカーンとしている間に、シリアスになって、ギャグが出てきて、またシリアスになって、エロがあって……「今、何が起きてるの?」と前のページに戻ってみたり……読むのに結構エネルギーを消費しました。
ここまでキャラが立っていて、尚且つアップテンポな文章なのであれば、いっそのこと、スコーン! とギャグならギャグ・おバカならどこまでもおバカで突き抜けてしまったほうが、気軽にサラッと読めて楽しさが増したかもしれません。
池澤のキャラが舌足らずのおバカキャラだったり、きちんと喋れるキャラだったりと場面によってギャップがありすぎて、びっくりしました。
池澤自身の「おバカな大型犬」というキャラクターは可愛らしいとおもいます。
瑞樹は、背は決して高くは無いけれど、腹黒の上に外面を繕うのが上手く、上手にけんちゃんを転がしてます。
一方で”けんちゃん”は、タッパがあって金髪というだけで「怖い人」と思われています。でも本当は寂しがり屋でちょっと天然ボケのお人好し。涙もろいし、優しい。それっぽく見えるというだけで根は真面目。当然、瑞樹にコロッと騙される。
そこが何だかカワイイんですよね。
見た目だけで「怖い人」と思われて、人と目を合わせてもらえなかったり、あらぬ噂を立てられたり……そんな中、瑞樹は自分の外見や噂にも物怖じすることなく話しかけてくれた――それが嬉しくて、そうやって自分に話しかけてくれた瑞樹のことが好きになって……
そんな瑞樹が「実は好きな人がいる」と言う。相談に乗ってほしいと頼まれて、本当は寂しくて仕方ないんだけど断るに断れず――「これで自信が付いて、瑞樹が幸せになるんなら――ッッ」と覚悟を決めたら、その「瑞樹が好きな人」は「自分」だったと知り一安心。
瑞樹も瑞樹で、女子から告白されるエピソードがあります。
最初は即断るつもりだった瑞樹なんですが、けんちゃんの一言で、けんちゃんのために返事を先延ばしに――。
結局その女子とは似た者同士ということで、未来編では何だかんだ言いつつ友達です。(しかも彼女は女子に目覚めていた(笑)!)
寂しがりで、心配性で、お人好しで……けんちゃんのキャラクターが乙女なんですが、そこになぜかキュンとする。
これで瑞樹が単なる「チビの眼鏡くん」だったら面白さが半減していたんじゃないかと思います。
瑞樹の幼少時のモノローグだったり、腹黒さやしたたかさが作品の良いスパイスになっていると思いました。
ヘンタイ教師 と 生意気ヤンキー で「生徒指導」と聞いて、てっきり「先生×生徒」だと思っていたら、見事に予想を裏切られました(笑)
話の無茶苦茶ぶりが逆に痛快です(爆笑)
普段はクールビューティーなのに、黙っていれば美人なのに……ヤンキーが好物という先生は、とんでもないヘンタイで――
先生、口が緩くなってますよ……口の端からヨダレ出てますって……そのツラで廊下を爆走するなよー!!
呼んでなくとも現れる、神出鬼没のヘンタイ教師。ここまで吹っ切れていると怖いのを通り越して笑えてくるから不思議です。
メインはヤンキーとこのどうしようもない「ヘンタイ教師」なんですが、もう1カップル収録されています。
ヤンキーを快く思わない真面目な生徒会長と、ヘンタイ教師(外面は良い)を尊敬する暑苦しい体育会系教師の話です。
ヘンタイ教師の餌食になってからというもの常に悶々としている生徒会長が先生に相談を持ちかけるんですが……
ちょっと待てぃ! なんでそーなる(笑)
潔すぎです、先生! というか、ちょっとは恥じらえ(笑)
まぁ、無事に生徒会長の悩みも解決したので、丸く収まったということで良いのでしょうか。
イヴァン編の「Cold Fever」とベルナルド編の「Ring-Ring Backtone」、そしておまけコント「デイバン怪談 真の邪悪そして恐怖」を収録した1枚です。
まずはイヴァン編。
今日も今日とて次期カポは、書類に追われておりました。
もう書類なんて要らねー! と思っていたら、アレッサンドロの親父さんから電話。
食事会をやるから予定に入れておけという親父さんは、忙しいと言いつつも、マディラ(酒)をやりつつ新聞のマンガ欄に目を通していました。
で、電話を切ったところでイヴァンがご出勤。だけどなんだか様子がおかしい。口を開けば「Fxxk!」と悪態をついているのが当たり前のイヴァンが――あのイヴァンが、礼儀正しく穏やかだ……
その様子のおかしさは、周りが気持ち悪くなるぐらいの変わりよう。
爽やかに笑うし、Fxxk! って言わないし、怒らないし――イヴァンの身に何があったのか。
拾い食いか? それともキャトルミューティレーションでもされたか?
と皆が心配しているところに、ジャンが「あのさぁ、俺、実は……」とカマをかけます。
イヴァンが大切にしている車を……と話を始めたら、イヴァンが壊れ始めたから、さぁ大変! 敬語とスラングが混じり合っているし、話し方は壊れたロボットのようで。
なんだ、どうしたと思ったら、発熱している?!
「向こうの部屋に連れて行こう」
「医者を呼べ! 車回せ!!」
「おーい、大丈夫か?! なんか変なこと言ってるぞ?!」
馬鹿は風邪を引かない――のではなく、引いたことに気付かない……という――。
病院に入院と相成り、ジャンが付きっきりで看病。
その後、病み上がりにもかかわらずムラムラきてしまい――という話です。
イヴァンの壊れっぷりが可笑しいし、品行方正なイヴァンを本気で気味悪がる面々の反応も面白かったです。
続いて ベルナルド編。
こちらはなんと、テレフォンS○X。電話回線を掌握しているベルナルドらしいと云えばらしいんですが、変態性が垣間見えているのはご愛敬。
電話越しの美声に酔いしれちゃってください。
個人的に、イチオシなのが最後のコントだったりします。
イヴァン、オチだけでなく「出オチ」までやるようになりました。
しかし、ここで一番美味しいところを持って行ったのはアレッサンドロ親父だったり……メンバー年長組の反応、特にベルナルドの本気の悲鳴をお楽しみください。
甘い――甘すぎる。どうしようもなく甘い……
コーヒーが「ゲル状の何か」になるまで砂糖を入れたような「甘さ」です!
龍のことをずっと好きだったけれど、付き合いが長い故に想いを伝えられず、「親友」として付き合いを続けていた紅葉。
そんな紅葉の職業は、なんと官能小説家。話の筋は良いけれど、濡れ場がちっともエロくないという稀有な官能作家です。
それもそのはず。なぜなら、経験が無いのですから。
ずっとずっと龍を想っていたが故、一途が故に経験が無かったのです。
龍が好きで、だけど想いを告げることで関係が変わってしまうのが怖くて伝えられなくて――だけど、好きで好きで……龍の名前をペンネームに入れてしまうくらい好きで。
そんな紅葉のもとに、龍は通ってくる。
龍も紅葉が好きなんだけど、互いに一歩踏み出せないままの関係に龍のほうがアプローチしていくんです。
最初は「賭け」でも、それがきっかけになって想いが通じ合って――
想いが通じ合ってからは、もう甘い甘い。喉が渇くぐらい甘い!
「可愛いなぁ」の連呼です(笑)
いや、実際に無意識な仕草が可愛いんですけどね、紅葉は。
ぜひ「龍が仕事に行く前のやりとり」を聞いてみてください。
紅葉の「天然小悪魔」ぶりがわかります。そして、それに必死に抵抗しようとする龍の苦悩も……(苦笑)
タイトルで「うっ……調教?!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心を。
何も痛いことは出てきません。むしろ、聞いているとこっちの体がなんだかむず痒くなってくるような、くすぐったい感じがあります。
甘~い作品を探している方にオススメですよ。
聞き終わった後、なんだか「ほっこり」できる1枚でした。
周囲も思わず顔を赤らめるようなダーリン&ハニー、明とエディ。
今回は日本を出て、エディの実家へ行くことになりました。
エディの実家はイギリス。
しかも……着いてみたら「お屋敷」ではなく「城」だったという。俺様吸血鬼は、伯爵と言うだけあって超セレブでした。
ただでさえ明の周りは賑やかなのに、今度はエディの実家の身内や親戚(当然吸血鬼)が絡んできて、更にてんやわんやです。
エディの祖父であるステファンは、エディにそっくり。そんでもって、孫の嫁にちょっかい掛けまくり。
親戚のお嬢ちゃん・アンガラドは、「私が将来エディのお嫁さんになるの!」と明を勝手にライバル視してトラブルを引き起こす。
明のお伴として付いてきた聖涼さんは、順応性が高すぎる。
明は無事にエディの「ハニー」のまま、生きて日本に帰ってこれるのか?!
聞いているこっちがこっ恥ずかしくなる「ダーリン」「ハニー」の応酬も、ここまで来ると、最早作品の味になってくるという不思議。
コミカルで、賑やかで、てんやわんやなファンタジーです。
カラッとしていて、コミカル。だけど、エロさもちゃんとある。
「伯爵様は邪魔者がおイヤ!」というミニドラマも付いていて、お得感もあったり……
クスッと笑えて、きゅんとする
そんなCDをお探しの方にオススメします。
相変わらずはっちゃけている吸血鬼モノです。
何があっても穏やかな聖涼さん(寺の跡取り息子。嫁さんは妖怪。嫁バカです)、
頭の中が年柄年中「アレル~ヤ、グロ~ゥリィ~!!」なチャーリー(なんちゃってエクソシスト。けれどホントは……)、
そのチャーリーのお守役の苦労人・宮沢さん(真面目ゆえに、チャーリーの後始末を小さい頃からずっとしてきている”チャーリーのおかん”のような人)……
そんな連中が脇を固める中、「ザ・男前」の明と「実家はセレブ」な吸血鬼・エディはダーリン&ハニーとして、ちょっとだけドタバタでも、楽しく毎日を暮らしておりました。
しかし! そこに出てくるのがエディの知り合い――というか、昔一悶着あったジョセフ。
ジョセフのせいで、周囲も思わず顔を赤らめる「ダーリン・ハニー」の生活に亀裂が……!! 男前な嫁さんが「別居だ!」と宣言したからさぁ大変。
果たして、エディは無事にジョセフから明を守り抜き、別居状態を解消できるのか?! というのが大まかな筋書きです。
とにかくコミカルで、聞いているとき「クスッ」と笑える明るさが良いですね。カラッとしていて、後味が悪くなく、大団円で終幕です。
注目していただきたいのは、「吸血鬼の決闘シーン」!
紳士的ではありますが、カ……カワイイ……「萌え萌え評価」の萌え一つ分――それはコウモリへの「萌え」です。
ふろくの「伯爵様は夏祭がお好き」も必聴ですよ!
クスッと笑えて、底抜けに明るくて、ラブが溢れるちょっとエッチなBLCDを探している方は、要チェックです。