「うちのダーリン外国人」がおもしろかったためコレも借りてみたところ、大あたりです!「うちのダーリン外国人」のほうは、受け(日本人)が箱入りボンボンで、ツッコミどころ満載な天然ボケキャラでしたが、「英国紳士」のほうは、受けがイギリス人でしかも伯爵という設定です。33年間規則正しい生活を送って来ていてものすごい世間知らず。セックスの意味も分からずに、エセックスかサセックスかとか言っちゃうような人です(笑)ワイルドな庭師の日本人がカッコイイですよ。最後はお決まりのハッピーエンドですが、読後感が爽やかですね。エッチもほどよく入ってますし、楽しめる作品だと思いました。巻末のアレクサンダー(伯爵の愛馬)のショートショートが可愛くて好きになりました。馬BLもいいですね。
人間に恋する猫のお話なのですが、これは好みが分かれるところかもしれません。猫好き、擬人化好きじゃないと生理的にNGって人もいるのかな。そのせいかちょっと評価が低めな気がする。私はどれも楽しめました。表題作の猫シリーズは2話しか収録されていません。で、、なぜか続編2話が「三村と片桐」に収録されてるのですよ。これ、ひとつにまとめることはできなかったのかなぁ。それだけが不満です。人間を好きになってしまった猫が人の姿にしてもらうという設定が、人魚姫を思い起こさせます。せっかく人間の姿になったのに、肝心の恋する相手には猫の姿のままにしか見えないんです。言葉も通じない。だからコミュニケーションが取れない。他の人にはちゃんと人間として映ってるし言葉も通じている分、混乱が生じるんですよ。悲劇的なことになるんじゃないかと最初はハラハラして読みましたが、そんなことはありませんでした。ちゃんとハッピーエンドです。好きな相手と両想いになれたときに初めて相手にも人間の姿として映るんですが、その一番のクライマックスであるはずのシーンがちょっと弱いかな。あれ、いつの間にか人間に見えてる・・・のかな???みたいな。その辺も微妙だと感じる人がいるかもしれません。全体的に切なくて可愛い感じが好きであれば、問題なく入っていける世界観です。他の短編も可愛くまとまってるお話ばかりですが、一度長編も読んでみたいなと思いました。