インタビュー記事を見て好みの内容だったというのと、あと久々に見かける挿絵作家ということもあり入手してみました。
主人公、ルカ侍祭は重大な生い立ちを持っているのですが、その描写を避けるためか当初どこかキャラ描写が希薄かなーと感じつつ読んでいました。表紙の通り東欧系の退廃的で幸薄い感じです(その点、表紙には人となりがよく描かれていると思います)。読み進めていくと生い立ちが徐々に明らかになりキャラ描写も増えていきます。半分ぐらい読んだところで亜麻色の髪と出てきたような(笑
オルマン司祭は偽善者の上、外法は使うわ、ご奉仕はさせるわ、(受け以外にですが)薬を使うわで、人目につかないところではクズっぷりを発揮しています…ルカにとっては恩人ということもあり、ルカ自体は依存にも似た篤い信仰心を持って接しています。
攻めのガルバスは半ば偶然召喚された悪魔です。当初は甘言など用いた悪魔っぷりを発揮しルカを籠絡しようとしたります。当初ルカの司祭への頑なな依存に呆れつつも、ルカを知るにつれ優しさが出てきたり、甲斐甲斐しく世話するようになり、うわ、いい人…いや悪魔という感じに。ガルバス、マジ天使!…ある事柄でルカと一度離れてしまうことになるも、一連の事をきっかけにして復活しクライマックスへと繋がります。
お話に絡む、死神のセトがキャラ的に良い感じ。ガルバスとは付き合い長そうでそこら辺のエピソードも読んでみたいものです。
お話を振り返ってみると、受け攻めともに特殊な事情による死生観的なものが、語られる感じでしょうか。多少重い話になりますが、スッキリまとめたと思います。世界の自由度の高いファンタジーならではの展開で楽しめました。
ガルバスの「俺を誰だと思っている」で全て解決です。