上巻と続き、こちらもレビューします。ちょっと長くなってしまいました。
読んだ後は本当にショック受けて、頭まわりませんでした笑
今までの国枝先生の作品の中で一番救いようがない、絶望的なラストだったのではないかと思います。
三木は幸せだったのかな。
少しでも巽と一緒にいて幸せだったのであれば、救いにはなるのですが・・・それを確認したくても叶いません。
他の方もおっしゃっているとおり、確かに行き当たりばったり感、とっちらかっている感は多々あります。
しかし、主な登場人物が
・何を言い出すのか、何を考えているのかわからない三木
・意外?にもダークサイドに堕ちてしまった涼馬
・普通と狂気の境目で不安定な巽
なので、こんな暴れ馬3匹をうまくコントロールして収まりのいいラストに導けるのか、といったらかなり難しそうですし想像が出来ない。
ですし、このとっちらかった感が悲壮感、絶望感をより際立たせていてよかったのではないかと思います。
国枝先生が好きなので、色眼鏡入っているかもしれませんが。
そして最後の最後に入っているショートストーリー。
スピンアウトとは180度真逆のコメディーです。
これのせいで本編スピンアウトの虚無感がより浮き彫りになっているような気もするし、ちょっと救いがあるような気もするし。
でもこれを読んで、「あ、明るい方の国枝先生だ!」とちょっと嬉しくなりました。
国枝先生の描くコメディーは短くてもすごくぱあっと明るくなりますし、幸せになれます。このテンションの国枝先生の方が本当は好きです。
色々言いましたが、好きな人は多分好きだと思いますし
非日常を味わいたい、痛い気分になりたい、国枝先生が大好き!!な方にはいいかと思います。
以前から「耳たぶの理由」や「箱庭」ですごく大好きな国枝先生の新刊ということで、発売日に上下巻買いました!
レビュー遅くなりましたが・・・というより上下巻読んで衝撃受けてショック受けました・・・
嫌いじゃないんですけど、万人受けはしないんでしょうね
国枝先生の作品が初めて・あまり知らない人は、他の作品にすごく明るい、幸せなコメディ作品もあるということを知ってほしいです笑
内容紹介は既に他の方がされているので割愛しますが、
巽が三木の寝顔を撮るところは、このジェットコースターのような展開の上巻の中で一番穏やかな瞬間でした。
これが後に下巻への伏線というかフラグになります・・・下巻を読んだ後はすごく切なくなります。