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浮世絵離れれした茅島氏の雰囲気が伝わります

先に小説版の、日高様の挿絵で読みました。

正直、小説版で読んだイメージで読むと、小説とコミックの情報量の差からイメージが壊れる可能性があります。
日高様のイラストもとてもマッチしていました。

でも、麻々原様のコミックは、茅島氏の浮世離れしたイメージに、とても合います。
こちらはこちらで、茅島氏の可愛いらしさがでています。

大好きな小説を大好きな漫画家様で読めるなんてなんて幸せなんでしょうか!!

続きが読みたいです。

書き下ろしではありませんが、オマケでラフマニノフ視点のショート小説が入っています。

ギャップ萌え!

外見爽やかイケメンと、外見オタクの恋です。

イケメンさんが眼鏡ダサッ子に片想いして、
眼鏡が磨けば光る、シンデレラパターンは見かけます(これも好きです)。

が、この作品、イケメン君は、ありのままの眼鏡君が、外見的にドツボなのでシンデレラパターンを期待してはいけません(笑)。

Hシーンの回数は少ないですが、ある意味オンリーワンです。

BL越え

この本を購入したのは作者買いです。崎谷さん、大好きなので。


BLやライトノベルでなく、
純文学の中に、主人公と彼に心をかける男との、友情や保護欲が書かれているものがあります。

H描写もないのに、BL以上にエロさを感じたり、心情が胸に染みたりします。


逆にBLやラノベでも、マスメディアで話題にのぼる芥川賞などの、芸術とよばれる作品より、余程素晴らしい作品もあります。

BLは、流行っても異端のジャンルであると思いますが、そのせいか作り手、読み手の距離が近く感じます。

なので、BLの中の珠玉の名作に出会ったときの嬉しさは、本好きさんにはたまらず、ハマルと抜けられません。


この作品は、同人誌に発表されたものの改稿とのこと。
本筋は商業としての縛りがなく、自由に書かれていらっしゃるのでしょう。


暴力描写や近親相姦もあるため、人を選ぶ作品だとは思います。

でも、それを越えお勧めしたい作品でもあります。



作品の主人公は痛いです。入院するほどの怪我をしているのに、それ以上に心が痛いです。

傷ついた動物が警戒心を抱くように。

彼は人を信じることができません。一人で自分の武器を作り、それを信じることしかできないのです。

彼に関わる弁護士も心に傷を持っています。

2に共通するオディプスコンプレックスに近い感情は、怒りをぶつけるべき対象が片や壊れ、片や既に死んでいます。

既に立ち直った弁護士は、傷をおった少年に代償行為のように手を差しのばします。

主人公が自分が壊れそうになりながらも強く、弁護士は自分の気持ちに混乱しながらも、それを上回る強さで彼を包みます。

脇のマサルが本当にいい奴で、可愛い彼女作って明るい家庭を持ってもらいたいなぁー。

主軸の3人が、それぞろのやり方で傷を持ちながらも心が強く、腐ってないのも良かったです。



日常から、かけ離れた話しなのに、自分が持つ、どうにもできない傷や、寄り掛かることができる人がいる幸せに共感できました。

もし今がどん底でも、いつか差し延べてくれる手が見つかるか、乗り越える強さを持てる気がします。

私の読後感は、とてもよかったです。

誰もBLにそんなこと望んでいないと思いますが、個人的に、H無しでも(本音は有りで)もっと深く掘り下げられた作品として、読みたくなってしまいました。

是(9) コミック

志水ゆき 

使い古された言葉ですが、【待っているだけでは奇跡は起きない】

コミック派です。

前巻の鬼畜な終わり方からずっとヤキモキしていました。


9巻は、8の続きから。是の中で一番好きなCP、彰伊×阿沙利メインの巻。

ちなみに次席は守夜×隆成です。


1巻を除き、8巻まで和記の命じるまま、出会い、惹かれ会う紙様と三刀家の血筋の人とのお話し。

「紙様」と言魂使いは惹かれ会う運命、奇跡を信じる熱を失った、人形師和記。

何もしなくても、起きるときは起きるのに、切実に願っても、信じて、死に物狂いで行動しても、現実は奇跡なんて起きない。

9巻は、それでもあきらめない彰伊の話し。

ありったけの思いが、無駄になって更に気が沈むかも知れない行動が、起こした奇跡。

阿沙利の言葉通り、いい男になったね。

全てあきらめ厭世的な、和記は知らない、気付かない振りをしていたのかもしれない奇跡は、今までのストーリーの中にも実はある。

でも今回の奇跡は、目を反らす訳にはいかない。今度は和記の番。


今回、奇跡の瞬間、第一声が、罵倒なのが阿沙利らしくて大好き!

これからも、彰伊を振り回しながら悪口雑言、神出鬼没、エロくて凶暴な阿沙利さんでいてほしいです。