待ち望んだ3巻であります。
1巻のできごとにいたったことがほぼ八割描かれています。
犯人の容姿がわかるのてすが、まだ名前と正体は不明です。
仕事絡みのセフレから少しずつ仲が深まっていく篠原と浅野。契約の終了日に浅野は篠原を自宅に招き自分の考えを玄関にて「伝え」ます。
公の場から引いた浅野はプライベートで篠原に協力していくことになります。
偽ネタ撒いた数ヶ月後、場面は1巻のプロローグになり犯人の登場となります。
どのような手段で拉致されたのかは省略されていまして、廃屋に移ります。連絡がつかなくて焦燥する篠原。
嘲笑する犯人、狼狽する浅野。
6日間、棺の中の浅野の独白が絶望感を煽り立ててくれます。
後半犯人の子供じみた狂気を伴うレイプシーンは流血を伴う激しいもので海外作品らしいと思いました。
一瞬、浅野が折れかけてしまいます。
一番感動したのは這いずりつつ外へ脱出したシーンですね。篠原の言葉たよりにしながら。
外の世界がアメリカみたいに広かったですが。
次巻は篠原との激甘シーンが見れるといいなと思います。
官能的な表紙絵が素敵でした。
この作品を読む前にできれば「Lucidity」を読んだ方がよりわかりやすいと思います。
克哉の誕生日を祝う食卓の話題の流れからデビッドが以前、常連客だったSMクラブのことに興味を持ち二人で行くことになった。
クラブの元締め、Mと呼ばれる男との軽い面接の翌日、克哉のもとに彼から招待状とともに銀製の首輪を贈られる。そして・・・。
「Equilibrium」ではデビッドに懇願されたにも関わらず、内密で克哉は指定されたホテルに出向き、Mと先日の続きをした。
数日後、異変に気付いたデビッドに詰められ肉体に刻まれた証拠を見られて露見する。
その翌朝、デビッドはMのオフィスに凸・・・訪問し警告するがが逆に警告される。
克哉にかかわると君が不幸になる。
あれは壊れている、と
されどべたぼれ状態のデビッドは理解できずまた聞こえなかった。
戻った後、彼らの激しいシーン。
克哉の提案でデビッドと一緒に再びM氏宅を訪問することに。その際克哉はM氏と契約を結びたいと申し出る。3人で期間は5日間。
打つ者、打たれる者、見つめる者お互い違う一面を見る。
この作品を読んで克哉の自覚していない弱さ。生い立ちから来る「他人の心の痛み」を感じることができない事からくる行動ではないかと思いました。愛してくれるデビッドへの負い目、孤独感から身体を痛めつけることで感覚を欲するようになったのではないかと。簡単に外側から見ればデビッドを裏切った行為だと思いますが(苦)
再び二人でM氏の所へいく行動は理解が出来ませんでした。共有?分かち合えない自分ひとりの痛みならどうして自分で解決しないのかな?
デビッドもあえて関わらない、突き放すことも愛情の内だと思うのに。
共依存めいた2人の愛情形態がとても危うく感じさせてくれました。
M氏が一番正論言っていると思いました。
萌えるより色々考えさせてくれる作品でした。
SideAがあるならBもあるのか、あるとしたらどういう展開になるのか楽しみにです。
これはただロマンスも何もない暴行を受けた物語
事件やほかの視点から見ればこれからの展開が楽しみだとは思いますが、単に甘い夢に浸りたい場合はまったくのお門違いです。
警察官になりたての篠原は早々に香港に派遣されます。目的は行方不明になったある有力者の子息を探し出し連れ帰ること。目星がついている人身売買組織へバーテンダーとして潜入します。
組織の実情をさぐり、一網打尽することが目的ではありません。優秀な腕を評価された彼でも経験不足から不意の事態を招いてしまいました。
取引をしきっている寺岡に一目で見破られていたのです。
逆に彼に動向を監視されていたのでしょう。
腹いせに犯されてしまいます。
愛情も何もあったもんじゃありません。お尻にタイキックをくらい続けたと思った方がよろしいかと思います。
気絶して水の音に目覚めた篠原にメッセージが置いてありました。
バージンの代償に彼の居場所を教えてやると。
現場に到着すると箱の中に目当ての者は無残な姿で詰められていました。
失意のまま帰国の途つく篠原ですが、あとがきだとそれからのことを匂わして終えてます。
あれで終わるのはなんとなく生煮え状態で辛い。
弱い。
本当に体力も精神力ももろくて弱すぎる。どうやって成長していくがその過程を見てみたい気はあります。
あのシーンは苦手ですが、対決としては楽しみです。
本編とはちがってとてもリラックスして読めました。
甘くやさしい表紙絵で本編から思えば浅野が一番幸福なときであったのではないかと思われます。どこか懐かしく泣けました。
ちょっとしたすれ違いから話が始まります。
急用が入り誕生日を一緒に過ごせないとデビッドが電話でいいました。
「彼は悪くない・・悪くないんだ」自分に言い含める浅野が健気でした。では当日何をするのかと問うとビールを買い、女を2,3人ひっかけるかなと彼は言う。
冗談まじりです。彼も大人ですから余計なことは言わず電話を切りました。
お互い後ろ髪を引かれながら・・。
その直後、浅野は素早い行動にでます。
日付が変わってAM1:00,眠っていたデビッドは執拗なノックに起こされドアを開けると彼が立っていました。
「やってきた。最終便の飛行機で。誕生日おめでとう。」
くちづけを受けたデビッドはさぞ嬉しかったことでしょう。!!
「お姉さんたちをキャンセルしてもらわないと・・。大勢いると上がってしまうタチでね。」
「あんたが二人分の仕事をしてくれるなら。」
ほんとは心配だったりして。自分がいるのに他の人と寝るなんてやめてほしい。実は浮気封じの意味合いを込めた・・。
やきもちをみせる浅野も可愛いです。
そして勢いのままベッドに倒れこんで「やったこと」がないようなことをして盛りあがるわけですが・・・。
翌朝、デビッドの背中をマッサージしながら語り合う浅野の姿はとても色気がありました。このありきたりなシーンにこそ彼らの仲の深さが表現されていると思います。
仲間が誘いに来ると「歳をとるのもしんどい」といい浅野との時間を楽しみます。
「誕生日ブルーってやつ?俺も同じ年になったらああなってしまうのかな。」と嘆く若手に年配がニヤツキます。
「お前は結婚して子供がいるから毎日ああじゃないか」と。
デビッドの歳はいくつなのでしょう。ああみえても結構な歳なのでしょうか?
そして終わりはショートストーリーで甘々な時が流れ、
「あんたなしの生活は考えられない。」とデビッドから意味深な告白を浅野は受けます。
「あなたは私を幸福な気分にさせる」が、
「少し待ってほしい」と彼は言う。
なぜ私も愛していると言えないのか、気にはなります。
何か言えない「理由」でも持っているのでしょうか?
本編でその秘密が明らかになるとよいのですが・・。
恋が積もると淵になり
そこには嫉妬の蛇がいて彼に近づく者を殺してしまう。
青年ジェシーが主人公の「私」によって拉致され、兄の「花嫁」に仕立てられて犠牲になる話。一見ジェシーの気の毒な事件の裏には「私」の兄に対する特別な感情が存在していた・・。
主人公の名前、知りたかった・・。
「私」の嫉妬は兄が最初の花嫁を紹介された時からはじまる。
ジェシーが兄に意外な結果をもたらしたことでついに自分の気持ちに気づいた「私」は「君は私にはできなかったことをアレンにしてあげた・・だから自由になる方法を教えてあげる」といいジェシーに刃物を握らせて死を迫った。
このシーンが一番怖ろしかったです。 蛇ににらまれたカエルの心境です。
優しいいたわりの言葉や柔らかな動作に隠れている猛烈な嫉妬!!
有無を言わせぬ強制力。すごいですよ!!
気が弱まっているジェシーは「私」の思う行動にでます。
そうするしか選択の余地がなかったから。
これでは何人「花嫁」をもらおうと決して警官の兄は幸せになれない。主人公の「私」の企みがわかったらどうなるんだろう。その後の展開がとても知りたい好奇心があります。
戦うか、妥協するか。
しかしその前に意思が「私」によって見事封じられている感がある。真綿でくるむような愛情によって。思考の力さえ奪われているようなところがある。
すべて弟である「私」に依存させるよう仕向けている力を感じます。
圧倒的な力・・・・愛情なので抗うには相当な精神力を必要とします。
兄弟の禁断愛で濃厚なシーンはありませんが、終わりでは雲行きが怪しい形になっています。
読む人の精神力を試す作品だと思います。
中身を読むまでタイトルを信じられませんでした。
強い印象は「拘束」。
首輪をつけさせ、いうことを聞かないとお仕置き。ガブリエルがウリエル・ブラックストーンに対した行為は制圧力が強くまるでスパルタ教育を見ているようでありました。
さすが法の執行者。
拒めば殺すとは簡単に言わない。限りなく痛めつけるやり方は無駄がない。
BLいう枠踏みに無理にはめなくてもいいかもしれません。BLの視点で見ると父子姦というテーマはロマンスが制御されてしまう感がありますので・・。
愛情表現がとても切ないですが、結果はガブリエルが当初から計画した通りの幕をおろします。
重い形となりました。
愛しているが、信用できない。母から得られることのなかった愛をウリエルに求めているにすぎない。根底にあるのは強烈な人間不信ではないのかと思います。
虚偽を見破る鋭いカンを持っていて納得させるには生易しいタイプではない。
(敵にまわしたらこわい男だなあ・・。)
ウリエルは身をもって証明する必要に迫られました。
決定的な「一夜」にしてウリエルの心境が変わったのは確かですが何を考えていたのかはよくわかりません。フィリップの言葉から推察するのみであります。
事が発覚してからの展開が面白く『ITW』の主人公浅野克哉が精神科医として関わっています。彼の役目は検察側の人間として、ウリエルの遺体のありかを聞き出すこと。そして裁判沙汰にできない精神状態である診断を下すこと。被害者の家族を黙らせること・・浅野の背後にある組織の『意思』がうかがわれます。奪われた指輪を取り返し改めてガブリエルの「左手の薬指」(意味はここに記すまでもありませんが)に嵌めなおしているシーンが意味深だなと思いました。
ガブリエルの最大の美点はウリエルから貰った「約束」をj遵守することに発揮されます。
その後、フィリップと浅野の会話があります。
フィリップの淡い萌え感でてました。
事件から4年後という設定とのことですが、『ITW』ではあの「事件」が始まったころですね。
これはそのプロローグなのでしょうか?
涼しげな容姿のなかには火がボーボー
ヒポクラテスも言葉なく恋につける薬なし
失礼しました。(汗)
ニューヨーク時代の浅野の逸話。デビッド負傷の知らせを受けた彼が病院にかけつけると帰ったあとだと言われ、あんたなら大丈夫だろうと相棒のマイクから彼のアパートのカギを渡される。薄々彼らの「関係」がわかっているような節があります。
アパートのベッドのデビッドを確認すると重症だが無事とわかり安堵する。
あなたのことで頭がいっぱいで有力なコネを棒にふったと軽く詰った浅野にデビッドは事の経緯を話す。
老婦人に孫の死を伝えたら逆上され刺された。
簡単にかわせただろうに黙って怒りと悲しみを身に受けたのだ。
相手と真摯に向き合うそのような彼に浅野は惹かれたのでしょう。
冗談めいて誘うががとても気弱になっている様子がわかる。今、彼は身心ともに癒しを求めている・・・。
さてどうする?
もう甘くて甘くて見てられません!
浅野はデビッドの上に跨り、ためらいがちに身をゆだねます。
彼は床に伏す身。
この行為が生命に危険を及ぼすかもしれない。でも互いに恋しさは募る。この焦りにもにた雰囲気がとても表現されています。
そしてとうとう浅野が「本気」を出し始める。
「そんなに痛みが好きならどれだけ欲しかったか見せてあげるよ」と。
デビッドの傷口が開くくらい、医者があきれるくらい何時間も激しく腰を動かしている彼のすがたを想像してしまいました。と色っぽいというより凄まじい。受けなのにまるで犯しているようです。
浅野は絶倫だ。S気もある!!
やりすぎないよう気をつけましょう(笑)