秋葉東子さんの久々のリーマンもの。最近は学園ものを多く書かれていた印象だったので、期待して購入。同じオフィスの二組のカップルのお話が収録されています。
【新入社員のしつけ方】
こちらはクーデレ新入社員と可愛い先輩とで年下攻め。皮肉屋で生意気なばかりだった新入社員槇村くんが、先輩である水守さんに落ちた瞬間からの攻め方がなんともあざとい!見当違いなヤキモチを妬いたり、付き合いだしてからも四苦八苦している槇村くんがとても良いです。手をだしかけた槇村くんをぶん殴ってしまう水守さんの童顔とのギャップもまた萌えます。
【新入社員のしつけ方‐社内恋愛研修中‐】
先のカップルのスピンオフ的お話。こちらは眼鏡上司と空気の読めない新人というカップル。時系列は先のお話とほぼ被っていて、内容も相関性があります。最初はマイナスな印象だったのが、だんだんと好感度が上がり近づいていく様子は恋愛シュミレーションさながらです。ずけずけとものを言う空気の読めない今城くんと、意地悪をしつつも今城くんの全部を受け入れている室井さんに終始にやにやしてしまいました。中でも今城くんの事後の「でないと俺掘られ損じゃないですか!」という台詞は破壊力抜群です(笑)
スーツ、眼鏡、煙草、上下関係、お酒…と、やはりリーマンものは萌えの宝庫。同時収録の学生カップルもかわいらしく、秋葉ワールドを堪能できる一冊でした。
帯のあおり文句に惹かれ、作者さんの初オリジナル、初コミックスということで期待して購入。読み始めて数ページでかわいらしい絵柄と、激しいエッチシーンのギャップに驚かされました。表題作を含め二組のカップルのお話が収録されています。
【くさかんむりに化けると書いて】
デザイン系の専門学校に通う先輩後輩のカップル。受けが元オネエ、ということで大変期待してたのですが、個人的にはその設定があまり生かされていなかったように感じます…。お話は、全体的に糖度が高いです。ヤキモチを妬いたり妬かれたり、大きな喧嘩もなく終始ゆるふわ。シリアスな展開にはならないので癒されたいときには良いかもしれません。2話目で登場した弟くんと先輩とのスピンオフも期待したいところです。考察不足やもしれませんが、タイトルの意味については最後までよく分かりませんでした…。
【新妻くんと新夫くん】
ホストとヤンデレストーカーのカップル。個人的には、表題作のカップルよりも、こちらの方が好みでした。出会いから幸せに結ばれるまで、陰鬱な受けに引きずられることなく、軽快なギャグがハイテンションでかわいらしかったです。女性に勃たないホストとストーカー小説家というちぐはぐな二人でしたが、そこがなんともかわいい。表題作同様、エッチシーンは色気も十分です。
書下ろしでは二組の繋がりも垣間見え、ボリュームのある一冊でした。表題作へ期待していたイメージと、実際の内容がちょっと異なってしまったので、評価は星3つ。かわいらしい絵柄ですが、ストーリーは読み手を選ぶかもしれません。
バスの運転手さんと翻訳家さんの日常を切り取った1冊。二人の可愛い短髪男子が登場します。
日常の些細なコマをばらばらに切り取った「スニップ(ぼろきれ)」のような「スネイル(かたつむり)」みたいな「ドッグテイル(犬のしっぽ)」に似た他愛のない日々。…といったようにタイトルを解釈したのですが、時系列がばらばらで、読みにくさを感じました。インデックスは一番最後についているので、初発だと、かなり注意深く読まないとストーリーの流れを把握できないように思います。ストーリーとして楽しむというよりも、それぞれのパーツで楽しむ作品のように感じました。
ただ、相変わらず台詞やモノローグは音楽的でハイセンスです。読んできゅんとときめくような単語が随所にちりばめられています。時系列がバラバラになっていることで、彼女のいる相手へのジレンマとかもどかしさみたいなものは若干緩和されて、読んでいる身としてはあまりはらはらせずに済みました。
書下ろしのオレガノ4連発はとてもかわいかったのですが、わたしには雰囲気主体の作品に感じられてしまったので、大好きなヤマシタさんということで贔屓目に見ても萌評価です。
お洒落な雰囲気やセンスのある文章に惹かれる方は気に入るのではないかと思いました。
『鮫島くんと笹原くん』より、笹原くんの弟・真希ちゃんを主人公としたスピンオフ作品。初発の感想は、とにかく真希ちゃんがかわいい!
恋愛体質の兄にささやかなコンプレックスを抱く真希ちゃんが、ひょんなことからリア充を絵にかいたような同級生・新庄くんからの恋愛相談を受けることになります。ちょっと潔癖なところすらある真希ちゃんがヲタ力を駆使しながらどこかずれたアドバイスをしていく姿や、それを素直に聞き入れる新庄くんがとてもかわいいです。なんのてらいもなく触れてくる新庄くんにどぎまぎ意識してしまう真希ちゃんはもちろん、真希ちゃんとの距離感を測りかねる新庄くんのふたりの間の微妙な空気が読んでいる方が恥ずかしくなるくらいに痛くて初々しい。告白しただけで涙してしまう真希ちゃんはこれから立派な受けになっていくことを思わずにはいられません。
些細なことで怒ったり、喜んだり、一喜一憂する様はまさに青春!1巻だけでもずいぶんなボリュームがありますが、スピード感のある展開で長さを感じさせません。ところどころにゲスト出演している鮫島くんと笹原くん(兄)も相変わらず喧嘩したりいちゃいちゃしたり仲睦まじくて微笑ましいです。ひそかに仲良くなっていく真希ちゃんと鮫島くんにも注目です。
ただ、ハイテンションなギャグのつもりで読み進めると、ラスト40ページくらいのキスシーンからの自慰シーンへのギャップに驚くかもしれません!眼鏡オフの真希ちゃんの色気を侮ることなかれ、わたしは驚きました(笑)。ラストにこのシーンを持ってくる腰乃さん、さすがです。
今まで読んだ腰乃作品の中では一番気に入っています!2巻も待ちきれません、ということで文句なしの神評価です!
ヤマシタトモコさんに三角モチーフという素敵コラボに釣られて購入しました。
黒と寒色系のクールな表紙をめくると、ビビッドな配色のカラーページが一枚あり、その装丁からヤマシタファンにはたまらないものがあります。
物語は霊が見えてしまう体質の書店員の三角くんと、除霊師の冷川さんが出会うところから始まります。BLというくくりにはないものの、除霊が「気持ちいい」という設定や、やたら接触が多い所なんかはBLらしい香りを感じました。除霊の方法として「ぶん投げる」という表現や実際除霊をするシーンは何度も読み返さないとしっくりこないかもしれません。それでも、魅力的なキャラクターが織り成すシュールなギャグもかわいらしくて、ホラー?サスペンス?ながら怖さやグロテスクさというのはあまり感じませんでした。個人的にホラーはあまり得意ではありませんが、苦手な方でも読めると思いました。
1巻のハイライトは、ランニングで眠る主人公の三角くんです。2巻の発売まではまだ少し時間がありますが、続きが気になるというよりも、それまでに何度も読み返してゆっくり続きを待ちたい1冊でした。今回カバー裏がなにもなかったのが少し残念でしたが、非BLながらここまでの萌えを提供してくださったことと、2巻への期待を込めての神評価といたしました。