蕪木の妹が登場した話はよかったです。妹の提案で尾上が蕪木に素っ気なく振る舞うんだけど結局失敗してしまうとか2人のやり取りが楽しかったです。
でも最後の話で評価を下げました。
蕪木的には尾上が変わるのが嫌で距離を置いていたということらしいけど、それで何の解決になると思ったのやら。要するに全てほったらかしにして、ただ逃げていただけじゃないの?
尾上と自然消滅でもやむを得ないという覚悟があったならまだマシだけど、和解時の態度からするとそれもなさそう。
もし編集長がフォローしてくれなかったらどうしていたんでしょうね。
というか、なんで編集長が蕪木の気持ちを代弁して悩みを解決してやっているんでしょうか。後押し程度なら分かりますが、あれは編集長に丸投げしたようにしか見えませんでした。
尾上に会いに行ってからの態度も何様かと。
蕪木が一方的に尾上を拒絶していたくせに嫉妬するわ、車の中に突き飛ばすわ、それで従ってしまう尾上も尾上なんだけど。
更に和解Hではほぐしもせずに突っ込むし。…これって萌えどころなんでしょうか。私は嫌な気分にしかなりませんでしたけど。
蕪木は体で情報を取れるぐらいのテクニシャンのはずなのに、この巻を読んでいると毎回ただつっ込んでいるだけなので全然そういう気がしません。こんな描写しかできないなら朝チュンのほうが想像で補えるだけマシだと思いますよ。
というわけで、終始苛々した最終話。普段は尾上のほうがガキっぽくて蕪木が大人のように見えるけど、実際は蕪木のほうが遥かにお子様でしたね。
あらすじや設定だけ見ると好みだったのに、実際に読んだら萌えたのは序盤だけ、あとは不思議なほどに萌えられなくていまいち楽しめませんでした。
何が合わなかったのか、いろいろ理由を考えてみたんですが、せっかく同期で同い年なのに友情は全く育たずにいきなり恋愛になってしまったのが肩透かしだったのかも。
どちらもゲイではなかったはずなのに、友情だと勘違いする暇さえなく恋愛モードに突入してしまって、友達っぽいカップルが好きな私としては残念でした。
あと、「ケンカップル」というならもっとお互いに張り合っていて欲しかったかな、と。
ぎゃんぎゃん噛み付く尾上を蕪木があしらっているだけだったり、蕪木が尾上を一方的に避けてコミュニケーション自体成立しなかったり、私が漠然と期待していたイメージとはかけ離れていました。
元カノの扱いも酷かったです。魅力皆無で尾上が彼女のどこを好きで付き合っていたのか分からないし、それどころか好きだった時期が本当にあったのかさえ疑わしいレベルまで落とされてフェードアウト。
作者さんの愛情の無さ(都合のいい駒扱い)が露骨に透けて見えるキャラを主人公たちの近くに配置して何度も登場させるのはやめて欲しかったです。
尾上が蕪木を見直すまではドキドキしながら読んだし、内容的にはそこそこ面白かったような気もするのですが、読み返してみたらなんかもういいやという気になったのでこの評価です。