主人公の新は、ゲイだとカミングアウトして明るい大学生活を送っているけれど、そこへ中学生のとき同級生で好きだった山野が1浪して後輩として入ってくる。
山野はノンケだけど友人としてどんどん近寄ってきてしまい…。
新はやっぱり山野が好きなので、慕ってくれるのが嬉しいんだけれど苦しい…。
ひたすら友人として新を大切にする山野の気持ちが見えにくくて、本当にどうにかなるのかこれ?とハラハラしました。
あぁ早く臨界点こないかなと思って読みました。
途中、新とセフレとの縛りプレイが出てきます。あまりエロくは感じませんでした。精神的にちょっと切ない感じでした。
大学生の親友2人×高校生の啓太。
啓太があんまり可愛いのでころんでしまい、「矜持を書き換え」「フォーマットし直し」て啓太にアプローチ。つまり全員元々ゲイじゃない。
3人ともがどうしたらいいのか戸惑いを残しつつ、啓太が結論を出すまで同時に付合うことに。
ご飯に行ったり家庭教師をしてもらったりというほぼ清い関係でじわりじわりと進んでいく。H度は低いけど甘々です。
日常生活の中でゆっくりと進んでいく3人の関係。
そのうち真剣味が増してきて、答え出さなきゃとなるのですが…。
難を言うなら、啓太があまり男っぽく感じがしなくて、女の子でもいいよなと思いました。
前作「オーバーナイト」とリンクしていますが、独立した話です。(前作を読まなくても全く問題なし)
高校生と、母親の会社の同僚のお話。(同僚といっても後輩なので若いです。20代。)
主人公は初恋なので、だんだん惹かれて行って、自覚して、思い切って告白して、デートして、そのあと色々…という恋愛の初めての色々がていねいに書かれていて、甘酸っぱい気持ちになりました。
前作「オーバーナイト」がアダルトな大人の恋愛だったのに対し、こちらはフレッシュな2人。
おなじ作者さんの「可愛い男」が体の初体験でエロかったのに対し、こちらはういういしい恋愛初体験の話って感じでした。
主人公の父親が前作の攻め(飲食店オーナー)。離婚して離れて暮らしているので、何回か会うだけの登場です。前作の2人の性格が良く出ていて、ニヤリという感じでした。
林(受け)のやさぐれっぷりがすごいです。
有能なプログラマーで誰とも適当に距離を置き、セフレとは3PとかSMとかしてます。
高校時代に学校で男に強姦された経験があり、「負けず嫌い」で逆にそれ以来何人もの男と寝るようになったとか。
しっかりしているので悲壮感はまったくありません。
期間限定で入った職場で高校時代の後輩で社員の鈴木に再会するのですが、この鈴木がイイ感じのワンコでした。
まっすぐで健全で、でもやることはやれる大人のワンコ。
林の強姦後の現場を目撃しており、何かと気にかけて構ってくる。
林は懐かれてちょっと構うつもりが、軒を貸して母屋をとられるようなのっぴきならないことに…。
話が進むにつれて林が可愛くなってきて、だんだん鈴木のかぶっていたネコがはがれて行くのが読んでいてとても楽しかった。
セレブで有名人な精神科医の野田は、とても優しくていい人なんだけれど、心を守るためとはいえ、記憶を操作するというのが、個人的には気持ち悪く感じました。若干執着系でもあり、それがあからさまでなく、「ほんのり」なのが不気味。実は内心はすごい執着しているのでは…と疑ってしまう。
そこら辺はスパイスであって、そこまでのつもりで書かれたのでは無いのかもしれません。
基本は同居の日常生活でのささやかな出来事の積み重ねで惹かれて行って、最後は甘々ですし。
でも私には、まっとうなのかまっとうでないのか分からない「ほんのり」病んだ感じが座りが悪く、何とも気持ち悪く感じてしまいました。
2人ともめちゃくちゃカッコいい!(見た目も行動も)
お互い割り切った体だけの関係ができて、気遣いもできて仕事もできるアダルトな2人。
有能なバーテンダーを飲食店オーナーが自店のマネージャーとしてスカウト。
オーナーが熱心に口説くけれど、マネージャーは職場ではきっちりけじめをつけたいからということで、さんざん色っぽい会話をしつつも、なかなかカップルになりません。(話の後半までカップルになりません)
あるきっかけでやっとカップルになったと思ったら、めちゃくちゃカッコよかったはずのオーナーが、だんだん残念な人であることが発覚。最初のカッコよさとのギャップがすごい…。
受けは最後までしっかり者。次作「アフターナイト」ではすっかり尻に敷いてます。
主人公カップル2人のからみがユーモラスで痛快で、何回も読み返すお気に入りの話になりました。
マイペースで超ずうずうしい有堂(攻)と、がみがみ嫁タイプの英彦(受)。
2人とも周りが引くほど極端な言動で、トムとジェリーのような、互いに替わりはないという破れ鍋綴じ蓋のお似合いコンビ。
第1話の最後では、有堂が英彦(受)『嫁にこい』というようなことを言っていますが、第2話以降では(受け)が、嫁なんか行かず、甘々にもならず、現会社のままで着実に出世をし、何ともしたたかに強くなっていくのが好みです。
正反対の性質で、対等にケンケンゴウゴウやっているのが楽しい。
そして心底惚れあっている!
ユーモラスで、ときどきうるっとくるところもあって、美味しいお話でした。