ハッピーエンド…かな?という感じの、少し不思議な作品でした。攻めがとにかくヤバすぎます。ヤンキーの受けはしっかり更生するのですが、攻めはもう根本的で治らないタイプの頭のおかしさがあります。2人がそれぞれ捻くれてしまった原因として、育ちの部分をしっかり描いていたのも説得力がありました。中盤で「自分たちは2人とも可哀想」であると受けが言い、それに攻めがピンときていないシーンは対照的な2人の姿が映し出されており印象に残りました。受けがまともになり、攻めの性欲の強さに辟易しながらも、普通の幸せに近づいていく…という甘いハッピーエンドでした。そうなんですが…攻めが最後まで、自分のおかしさに気づいてないんですよね。確かに受けを溺愛してるし助けたりもしてますが、結構酷い仕打ちもしてるのにそれに対しての謝罪とかもないし。まあこれは受けの方もそうですがね。でも受けよりも攻めの異常性は際立ってます。それに共依存の香りがするので、健康的な関係ではないですね。そのため、なんか不穏な要素が残っているように感じてスッキリハッピーエンド!と思えなかったのかもしれません。それが悪いというわけではなくて、むしろ仄暗い感じは素敵です。
一巻の中に波瀾万丈な展開が詰め込まれており、かといって展開が早すぎるわけでもなく、満足感がありました。不穏な空気を挟んで結局幸せになる、というのは好みなので良かったです。愛を知らないからこそ、子どものように暴れてしまう受けが可哀想で可愛くて、なんだかんだ攻めがいてくれて良かったです。
あと、帯に「ヤンキー、おもらしさせられる」とありますが、それ目的で読むほどのシーンではないし、もっと他に伝えるべき魅力があるのになぜそこを切り取ったんだろう?と不思議です。お漏らし好きからすると、受けが嫌がってるのに、攻めが受けのお腹を押して漏らさせるのはかなり萌えるシーンではありますが、あくまでワンシーンです。あと尿道カテーテル使ってるので我慢の限界、とかではないです。
丸賀先生の「いないいないばあ」がとても好みだったので、自分としては珍しく作家買いしてしまいました!結果…「いないいないばあ」とは違う味がしつつも、ほどよいフィクション感や魅力的なサイドキャラなど強みは引き継がれてるという印象でした!
受けはもみあげ?触角?が長めで、そのキャラデザは正直あまり好みでは無かったのですが、それを凌駕するレベルに顔が可愛い!というか、今思えばそのキャラデザが味があっていい。シンプルな顔の強さだけでなく、表情のバリエーションが豊かであざとくて、昔のベタな少女漫画のヒロインみたいです。でも女々しくはなくて、かっこよくて潔いところもあり、見ててイライラしません!
攻めもかなり癖の強いキャラで、荒唐無稽でなぜか王様みたいな口調ですが、段々それも愛おしく見えてきます。受けを全力で守りに行く姿がかっこいいです。
攻めが受けになかなか好きと言えない、というのが軸のストーリーです。上巻まるごと、またしても昔の少女漫画のごとく邪魔が入りまくり、想いを伝えることができません。とはいえ、いやもう両思いすぎるでしょ、という感じなので、悲壮感はありません。ただ邪魔してくるキャラにちょっとムカつくところもあるかも(笑)悪い奴ではないんですけどね。
サイドキャラはみんないいキャラしてます!可憐すぎる故に孤立していた受けが、だんだん攻めのグループと仲良くなってるのが愛おしいです。
ところどころの表現がギャグ漫画っぽく程よいフィクション感・ドタバタ感があり、ノリ良く読めます。ちなみにエッチはありません。ライトめなレーベルみたいです。
キャラデザやギャグテイストなどは好み分かれると思うので要確認です!もちろん私的には満足でした☺︎
上巻は受けから攻めへの矢印が大きい印象でしたが、下巻では攻めの嫉妬や溺愛が強くなっていて、2人の絆もより深まってます!
当て馬の後輩くんはかなりグイグイ来ていて、受けにキスまでしちゃいます。うわ〜と思いましたが、キスされてしまったことを攻めに正直に伝え、泣きながら謝る受けが可哀想で可愛くて、そんな姿を引き出してくれたのはGOODです。そんな感じなので、引き続き甘々でありつつも上巻よりはモヤモヤが多いかも。ただ、攻め受けの絆はちゃんとできてる信頼があるので◎
当て馬くんは強引ですがら背景を知るとなかなか嫌いになれません…。話の間に、ニコニコな当て馬くんの挿絵があって、なんだか切なくなってしまいました。
あと地味に気になるのは、攻めはスパダリ・シゴデキであるはずなのに割と会社で盛っちゃうんですよね〜…。そんな攻めの理性を飛ばしちゃう受けがすごい!というのもわかるんですけど、この攻めにはそこらへんちゃんとしててほしいな〜なんて思いました。あと社内の電話で堂々とイチャついたりセンシティブな話したり当て馬と攻めが揉めたりと公私混同しすぎなのは一周回って面白いです。
読了後、良すぎて「なんで今まで知らなかったんだ?!」「てかなんでみんな教えてくれなかったの?!」「絶対もっと評価されるべき!」という気持ちが押し寄せてきました。歴代トップに躍り出る勢いで良かったです。
・「顔が見えない」がファンタジーではない
ある日から友人の顔が絵文字に見えるようになる、という一見フィクション色の強い導入ですが、その真相が明らかになっていく過程に引き込まれました。記憶が無いという点も含め、現実にも起こりうる「症状」だなと思い興味深かったです。錦くんも「病院行きな」って言ってますしね。
あと歩の顔が見えてない序盤は、秀樹と同様に読者側も歩の性格を把握しづらかったのが面白いなと思いました。顔が見えてからは、結構ツンツンしてて素直じゃなくて、でもそこが可愛いヤツなんだな〜とわかります。
・大満足のボリューム
一巻完結の作品はどれも駆け足になりがちなのが気になるものですが、こちらは300pのボリュームで、なおかつペース配分がとても良く、大満足でした。メインCPが無事成立してからの後日談も充実していて嬉しかったです。くっついてからのイチャイチャが1番見たいのに、あっさり終わる作品多いので…。
・受けの「可愛い」への執着
受けの歩はイケメン設定で綺麗系だと思うのですが、中性的というほどではなく、可愛い系では無いのですが、攻めのせいで「可愛い」に執着してしまっているところがとにかく可愛かったです。両思いでのエッチの中で、受けが「可愛い」に執着していることがわかるシーンが1ページ丸々ドーンとあるのですがそこが本当に良くて…。読めばわかると思うのでぼやかしておきます。
・友人がめちゃくちゃ良いキャラ
BLにおいて、メインCPの友人が良いヤツであることってとーっても大事だと思うのですが、この作品の友人(錦くん)は良いヤツだし面白い。メインCPが美味しくなるようなイジり方をしてくれてます。彼女のユキちゃん含め、サイドキャラにも関わらずめちゃくちゃ好きです。
・エッチシーンが◎
ストーリーが厚いためエッチシーンはそこまで多くないのですが、めちゃくちゃ好みなエッチでした。童貞S攻め×経験豊富M受けという対比が良いです。ハッキリとしたSMでは無く、受けのMっ気に乗せられてSぽくなる攻めという感じです。攻めにいじめられたい、という受けが可愛いです。
・その他
-作画は結構勢いのある感じです。繊細な絵柄では無いですし好みが分かれるかもしれませんが、その作画だからこそ躍動感が感じられて私は好きでした。
-登場人物の服のセンスがいいです。特に歩はこだわってるのがわかります。
-歩の紹介に「陰キャ」とありますが、陰キャってほどでは無いと思います。秀樹と対比して社交性が無いってくらいです。
お漏らしが性癖である者として、こちらは本当に理想的な作品です!そもそもおもらしというニッチなシチュエーションがあるものの中で良い作品に巡り会うのは難しいというのに、こちらはおもらしを前面に出した上で攻め受けの関係性やストーリーも素晴らしいです!ありがとうございます!!
前作は一巻完結だったこともあり少々駆け足でしたが、今作は既に関係が出来ており、更に上下巻でじっくり楽しむことができます。
攻めの影響で、受けは完全におもらしが癖になっていて、認めたくないけど快感になっているのがとっても可愛いです。「無理やり」なのも、逆に「自分から」なのも萌えないので、「認めたくないけど気持ち良い」というのは絶妙な萌えバランスです。