個人的にめっっっちゃくちゃに刺さってしまい、読んだあともずーっとふたりのことを考えながら、繰り返し繰り返し読んでいます。こういう作品に出会いたくてBLを読んでるんだなあという幸せを感じさせてくれる作品でした。
読む前の印象はもっとダークで爛れた感じのお話なのかなと思っていた(でも、めちゃくちゃ色気はあります!個人的には)のですが、それぞれに過去の傷や拭いきれない痛み、コンプレックスを抱えている男の子達が共鳴しながら惹かれあっていき、身を寄せ合いながら不器用に寄り添って生きている…というような読後感で、いやもうほんとうにただただ幸せになってほしい……(双方とも歪なところはあれど、優しい子達だなあと思いました)一巻完結なのはわかっているけどもっともっとこの2人の続きが見たいなと思わずにはいられません。
繊細な絵柄も素敵で、電子で買ったのですが紙でも読みたくてそちらでも購入してしまいました。あーもう本当に良かったです!暴力や無理矢理の表現もあるので、もしかしたらすごく万人受けとかではないのかもしれませんが、表紙や試し読みの雰囲気で少しでも気になった方にはぜひ読んでみてほしいなって思いました(という気持ちで、初めてちるちるでレビューを書いてしまいました)
DAO通信先生の作品は今回初めて読みましたが、この後に読んだ「帳と針」もとても面白かったので、次回作も絶対に読もうと思ってます!
〜ここから特に本編ネタバレしてます〜
全然違うように見えてある意味似たもの同士なふたりであり、でもそれぞれの傷からの身の守り方の表現は真逆で、だからこそお互いに憧れてしまうし惹かれてしまうのかなーと思いました。衛くんはいつから桐江のことを…とか想像してひとりで楽しくなっています。
幸村(衛くん)の、ぱっと見めちゃくちゃ健全で人当たりの良い好青年なのにふとした時に見せる危うさや儚さ、翳のある感じのギャップと色気に、私も桐江のごとくハートを鷲掴みにされました(とはいえ闇や病みに寄り過ぎるわけでもなく、じっさいに穏やかで裏表なく優しい男の子でもある…というバランス感がこれまた最高です)
あと個人的に、同棲してからの桐江くんがかわいくてしょーがないです!本来の気質であろう素直さや可愛げ、ピュアさが滲み出ていて、ああこんな子が本編ではずっとあんな無愛想の鎧でガチガチに武装していたんだなーっと思って、勝手にホロリとしてしまいました。衛くんに存っ分に甘えて、健やかに楽しく暮らしてほしい。
桐江は意外と生命力強くてしぶとい男の子であると私は思っているので、結末に関しては私の中ではハピエンということでひとつよろしくお願いしたい所存であります。