ありふれた日常の中でひっそりと育まれた愛。繊細な心情描写と余韻のある作風が心に響きます。一度読んだら虜になりました。
実兄弟の関係を描いていることもあり、倫理的な側面からか問題作と表現されているのを目にした事がありますが、私にはあの二人の関係がとても繊細で、真っ直ぐで、むしろ美しいものに映りました。
生きていると人の裏側や不誠実な関係を少なからず目にします。そして、例え家族であっても気持ちがすれ違ったり、関係が壊れてしまう事は珍しくありません。血の繋がりがあるからこそ難しくなる関係もありますし、愛や信頼が時間と共に変化してしまう事も多いです。
この作品がとても高評価なのは、読者が喜八と八尋のように変わらず大切に想い合える関係にどこか憧れや羨ましさを抱くのかもしません。
幼い頃から積み重ねてきた深い信頼と愛情に満ちた絆が二人にはあって。それを真っ直ぐに描いた兄弟失格は決して問題作なんかじゃなくて、人と人との絆の本質に優しく触れている唯一無二の作品だと思っています。
全ての人にオススメしたい神作品です。