穏やかな、というよりは何でもない、どこにでもありそうな日常。
そこに起こったほんの少しだけイレギュラーな出来事。
それでも物語は大きく動かず、ただひたすらに日常が過ぎていくように感じる始まりです。
市川先生の、「なんてことのない日常」の描き方が大好きです。そのへんにありそうなダラダラした会話とか、ゆるっとした空間とか、登場人物たちの日常を覗き見しているような感覚になります。なので劇的な展開のラブコメとかがお好きな方には刺さりづらいかもしれません。でも1巻だけで判断せずひとまず3巻まででも読んでほしい…もちろんその先も大好きなので読んでほしい…
ただ、いつもが「穏やかな変わらない日常」だからこそ、ちょっとした表情の変化やほんの少しの行動にドキッとします。
あっ、こいつ珍しく照れてるかわいい…急にあたふたしてるどうした…そんなこと言うんだするんだ…!という緩急に心が揺さぶられるような感じがします。
作画について、少し昔に感じるかも知れませんが、巻を追うごとに変化してくるので、気になる方は何巻か先のものを試し読みするとよいかもしれません。
私の一番大好きな作品です。ここから長く続いていく2人の、もどかしい、不器用な高校時代をのんびり楽しんでほしいです。