シュレディンガーの猫さんのマイページ

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女性シュレディンガーの猫さん

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あくまで「自分には合わなかった」

評価は「中立」としますが、この作品を好きな方は絶対に読まない方がいいレビューになります。かなりのネタバレも含んでいます。

評価が高いので大丈夫だろうと、レビューやあらすじ、前情報を全く読まないまま読み始めた自分が悪いのですが、あまりにも後味が悪かった。登場人物全員に対しうっすら(攻めに対しては明確に)嫌悪感を抱いたまま物語が終わってしまった。
下巻で、攻めの何かしらやむにやまれぬ事情が明かされるかもしれないと下巻も最後まで読み切りましたが、自分の中で受け入れられないまま終わりました。

元々私は、キリ◯ト教の「心から「悔い改め」るなら、どの様な罪も赦される」的な教義に疑問を抱いているため、それに近い内容のこの作品に対してもモヤモヤと消化できないものを抱いてしまった。

ちなみに私の中で「父親に性的虐待を受けていた」ことは殺人(しかも殺す対象が父親に向かず、全く罪のない子供に向いている)を正当化する理由になりません。
別に今作は殺人を正当化しているわけではないという批判が飛んできそうですが、結果的に受けは攻めに対して赦しを与えてしまっているわけで。
なんの罪もない子供を殺した人間に、未来永劫安らぎなんて1ミリもいらないですよ。
しかも、元凶となった父親はなんの罰も受けていないですし(受けにちょっと叱られたくらいで許されるとでも?)

罪を見て見ぬふりをすることは「赦し」ではなく逃避なのでは

母親に対して
「見て見ぬふりさえしていなければ、犠牲者のいない未来だってあったんじゃないか」
というモノローグが入りますが、これ受け自身にも言えることですよね。(なんならこの後父親がまた罪を犯す可能性だって考えられるわけですし)

例えば、
"本当は攻めは子供を殺したりしていなくて、真犯人は父親だったのを、攻めが受けの気を引くために「自分が殺したと嘘をついた」"とか
"事故等で亡くなった子供を、攻めは自分が殺したと思い込んでいた。"とか
攻が殺した相手が父親だったりとか、最終的に攻めが終身刑もしくは死んで終わるような終わり方であればまた評価は違っていたと思います。けどそういったものはナシ。攻めは本当に身勝手な理由で子供を殺しているし、受けは懲役を受けたあとの攻めをそのまま受け入れる。墓参り行こうかとか言っちゃう。無理です。