人気シリーズの第2巻です。1巻だけでも十分名作なのですが、個人的にはシリーズの中でも2巻が一番好きです。
1巻の最後で両想いとなり、めでたく初えっちも果たした北山くんと南谷くん。
1巻ではバイト先でしか繋がりのない大学生×高校生のカップルだった2人ですが、2巻では南谷くんが北山さんと同じ大学に進学したので、恋人同士になった2人のキャンパスライフが描かれています。えっちなシーンはもちろん、全体的にラブラブ度がかなり増していて最高でした!
1巻の頃と比べて髪が伸びて、大学生らしい垢抜けたビジュアルになった南谷くんがとても可愛いです。南谷くんはこの後の巻でも髪を結んだり切ったりするので、全ての巻でヘアスタイルの違いを楽しめます。
名実ともに南谷くんと恋人同士となり、1巻と比べると終始楽しそうにしている北山さんの笑顔に癒されました!意外にも大学の課題を忘れがちだったり部屋が汚かったりお金使いが荒かったり、1巻では「優しくて落ち着いた年上」だった北山さんの人間らしい一面がたくさん見れてとても良かったです!
なによりも北山さんを語る上で欠かせないのが「嫉妬深さ」でしょう。南谷くんもびっくりするほど独占欲が強く、南谷くんが友達とご飯の約束をしただけでも嫉妬してしまう北山さん、優しいだけでなく実は執着攻めの一面もあったなんて最高すぎます。
独占欲と嫉妬心をどうしても抑えきれない北山さんですが、「ごめん」「こういうこと言われるとウザいってのは分かってるんだけど…どうしても…」と嫉妬するたびに南谷くんに対して申し訳なさそうにしているのが、北山さんの優しくて実直な人柄が表れていて素敵でした。
好きな人から嫉妬してもらえて、内心で嬉しそうにしている南谷くんもとても可愛いです。
1巻では恋とはなんなのかが全く分かっていなかった南谷くんですが、北山さんのことを本気で好きになり、「ちょっとしたやりとりがとても楽しいと知った」「北山さんが『段階を踏んで』と言っていたのが今なら分かる気がする」と恋する楽しさを知って、北山さんの恋心が理解できるようになってきたのがとても良かったです。
そして2巻は南谷くんが「嫉妬」の感情を知るお話でもあります。
自分の一番はいつだって北山さんなんだから嫉妬なんてする必要ないのに…と思っていた南谷くんですが、北山さんは元カノとかいるのかな?と思いを巡らせたことをきっかけに、生まれて初めて自分の中に生じた「嫉妬」の感情に戸惑う様子がとても初々しくて可愛いです。
恋愛とは常に楽しいことばかりではなく、相手を想うゆえに切ない気持ちになったり嫉妬に苦しんだり、「好きだからこその辛さ」を真正面から描いているのがとても真摯な作品だなあと改めて思いました。
「北山さんは他の誰かにもこんな顔を見せたことがあるのかな」
「なんか悔しいな。オレより先に北山さんの良さに気づいた人が、この世界のどこかにいるのかと思うと」
南谷くんが自分の感情を赤裸々に吐露するモノローグは、切ないけれど純粋さと温かみがあって、作者の方はやはり名言製造機だと思います!
嫉妬する苦しさに涙が止まらなくなってしまう南谷くんと、南谷くんの涙を見てこの世の終わりのように動揺して必死に慰める北山さんのシーンは切ないのにとても可愛らしくて、一生懸命な2人が愛おしすぎます!!
嫉妬する辛さを知って「嫉妬されるのが嬉しいとか、もっと嫉妬してくれてもいいのにとか、この苦しさを知った後じゃもう考えられない」「自分の欲ばかり優先して北山さんの気持ちまで想像できてなかったっす」と反省して謝る南谷くんの真面目ぶりが素敵です。
涙が出てしまうほど苦しいのに、相手のことをちゃんと思いやれる南谷くん、北山さんが惚れるのも頷けるくらい優しくて良い子だなあと思います。
そんな南谷くんを安心させてあげる北山さんの包容力も最高でした!南谷くんの嫉妬を受け止めた上で「南谷くんと同じ気持ちを共有できるのが嬉しい」と幸せそうに笑う北山さんを見て、1巻の彼の献身的な片想いはちゃんと報われたんだなあとじーんときてしまいました。
きたみなくんは奥手男子×恋愛初心者のカップルなので、読者から見ても信じられないような些細なところですれ違ったり立ち止まったりするのですが、2人とも優しくて真面目でいつだって相手を思いやる良い子なので、読んでいて純粋に応援したくなるところが本当にすごいと思います。
2巻では2人のえっちシーンも盛り沢山で大満足でした!
(南谷くん曰く)嫉妬した後の「えっちがすごい」北山さんは、1巻の奥手ぶりが嘘のようにちょっと強引に攻める姿も見れて最高でした…!
「顔を見たら元カノの妄想が止まらなくて苦しくなっちゃうから」と珍しくバックでしたがる南谷くんのいじらしさもとっても可愛かったです…!1巻の時は一生くっつかないのでは?と心配になるくらい勢いよくすれ違い続けていた2人のえっちシーンがたくさん見れて、可愛さと背徳感で大興奮しました♡
1巻だけでも十分素晴らしかったのに、2巻ではさらに2人の新しい一面が見れて嬉しかったです!続いてくださって本当にありがとうございます。
これからも2人のことが大好きです。
普段BL漫画はあまり読まないのですが、この作品は面白すぎて全巻一気買いしました。
「北山さんのえっちな顔が見たい」という南谷くんの不純すぎる目的から2人のお付き合いが始まりますが、ちゃんと段階を踏んで相思相愛の恋人同士になっていく2人の初々しい姿が丁寧に描かれていて素晴らしかったです。
受けの南谷くんは他人のえっちな顔を妄想するのが趣味で「恋人同士になれば北山さんのえっちな顔が見れるかも!」という下心から交際を申し込むので、一見すると性に奔放な子なのかと思われがちですが、彼自身は「性的なことへの興味関心が先走ってしまってまだ恋愛感情を知らない」という純粋な子なので、北山さんに対しても遊びとか弄ぶつもりは全くなく、純粋な好奇心だけで行動しているのが面白くもあり、かえってタチが悪くもあります(笑)。
行動動機は不純なのに、常に前向きで明るく、決して諦めない行動力の塊のような南谷くんの姿は見ていて元気が出ます。
そんな彼にターゲットにされてしまった北山さんは、優しく誠実で理性的な爽やかイケメン。北山さんは北山さんであまりにも自分のことを見てくる南谷くんに対し「自分のことが好きなのかも?」という勘違いをしてしまった上に、彼の方が本気で南谷くんのことを好きになってしまうという天然ぶり。
奥手で優しすぎて恋人の手をつなぐことすらスマートにできない北山さんですが、付き合う前に南谷くんから身体の関係を望まれたときには「こういうのはよくないと思う。」「身体だけの関係とかは嫌だな」とはっきり言ったり、南谷くんへ「好きだよ」と自分から好意をちゃんと言葉にしたりと、やるときはやる一途な男前です。
彼の奥手さは臆病さではなく責任感と優しさに由来するものなので、「高校生相手に無責任なことはできない」と両想いになったあともえっちなことをするのは南谷くんの卒業まで待ったり、年上としてこれ以上ないほど誠実で堅実な攻めで、彼の人柄に対して尊敬しかありません。
まっすぐに好意を伝えてくれる北山さんの誠実さと愛情に、はじめは「恋愛なんてゴールまで遠回りしてるみたい」と恋愛の良さが全く理解できていなかった南谷くんがどんどん絆されていくのが可愛いです。
北山さんのことを意識するようになり、ドキドキして顔すらまともに見れなくなる南谷くん、そんな南谷くんの反応を見て「嫌われた…!?」と勘違いして落ち込む北山さん、2人とも真面目で天然すぎるゆえのすれ違いが愛おしいです。
「相手の顔を見ると心臓がドキドキする」なんて普通に考えれば「恋」でしかないのですが、南谷くんはこのドキドキの正体が分からずに「病気…!?」と本気で不安になってしまうのが、本当に今まで恋愛感情を抱いたことがなかったんだなあと彼の純粋さにニコニコしてしまいます。
「北山さんと一緒にいると心臓がやばくて」という南谷くんのストレートすぎる告白(本人はその自覚なし)を聞いた北山さんが、普段よりもちょっと強引に迫ってキスをするシーンは最高でした。
キスをしてようやく自分の気持ちに気づいた南谷くんが、「もっかいキスしてもいいですか」と聞いた時の「何回でも」と優しく笑う北山さんの表情がとにかく素敵で大好きです!こんなにも優しくて包容力があって誠実な人に初恋を捧げた南谷くんは幸せだなあと改めて思いました。
南谷くんの卒業式の日に念願の初エッチを果たす2人ですが、この時の南谷くんの「えっちな顔を見たら満足するかと思ったけど、もっとこの人の色んな表情が見たくなる。多分これが恋ってやつだ」というモノローグは、恋愛漫画史に残すべき素敵な表現だと思いました。えっちな顔を見ることが目的だったのに、それだけでは満足できなくなってしまった。自分がまだ知らないこの人を全部見たい。北山さんに対する自分の気持ちを理解して素直に受け入れる南谷くんがとっても可愛いです。
終始ハイテンションでテンポよく楽しく読めるのに、恋愛描写の丁寧さと初々しさが本当に素敵な作品でした。攻め受けどちらも真っ直ぐな良い子で、どちらも見ていて応援したくなるところも大好きです。
えっちする時もムードや段階を大切にしたい北山さんと、さっさと事を進めたい南谷くんですれ違っているのが彼ららしくて可愛かったです!
ここまで性格が対極な2人なのに、ケンカすることがないのはお互いの素直さと真面目さゆえでしょうか。恋人として始まったばかりの2人をまだまだ見たくなる終わり方でした!
この作品に出会えてとても幸せに思います。
人気シリーズの最終巻。
自分にとっては人生で初めて買った商業BLで、一生特別な作品だと思います。
社会人となった北山さんと、大学3年生になった南谷くん。念願の同棲生活を始めた2人ですが、お互い多忙ですれ違いが続く日々…。新生活にはお金が必要だし、北山さんは慣れない社会人生活で毎日へとへと…という大変な日々ですが、相手に不満を感じるでもなく真面目に前向きに自分ができることをそれぞれ頑張る2人がえらいなあと思います。
1巻から続く2人の交際はもう3年にもなると思いますが、いまだに2人が本気でケンカするところが想像できないのがすごいなあと思います(とにかく2人とも素直で性格がよすぎる…!)
すれ違いが続いて我慢の限界になり、「えっちがしたい」と南谷くんに珍しく積極的に迫る北山さんに対し、いつもはえっち大歓迎な南谷くんは逆に「自分が欲求不満なのがばれて気を遣わせているのでは…?」と心配になってしまい、相手のことが大好きすぎるゆえに嚙み合わない2人がいつものことながら可愛いです。
2人とも真面目で責任感が強すぎるゆえにすれ違い続けているのが、もどかしくもあり愛おしくもあり。
恋愛ものって両想いになったらそこでお話が終わってしまうものだというイメージがあったのですが、きたみなくんは早い段階で両想いになったにも関わらず、「2人とも天然で真面目すぎる」という理由で勘違いとすれ違いが続くのが面白いなと思います。2人とも「相手のことが大好きでずっと一緒にいたい」という根っこの気持ちは決して揺るがないので、ハラハラはさせられるけれど安心して楽しめます。
「寂しいという気持ちを自分が感じるなんて思わなかった」「北山さんといると自分の知らなかった感情がどんどんあふれてくる」「でもそれが嫌じゃない」
2巻でも思いましたが、恋を知った南谷くんが今まで自分の中になかった感情に戸惑っている描写が本当に可愛すぎます。初恋の特別感や初々しさをここまでわかりやすく言語化できる作者様の感性と言葉選びのセンスが本当に素晴らしいです。
待望のえっちシーンではいつもより強引な北山さんが最高でした。嫉妬の対象が人間ではなくオモチャなのがまた嫉妬深い彼らしくて可愛いです。
「南谷くんは変わらないね。ずーっと可愛いなって」と笑う北山さんの幸せそうな表情が素敵すぎます。
南谷くんと付き合ってからの3年間を思い返して、彼が今自分の腕の中にいる幸せをかみしめていたのかなと思って見ているこちらも幸せな気持ちになりました!
単行本加筆シーンも最高でした。強引でねちっこい北山さんが最強の攻めすぎて何度も読み返してしまいました。
欲をいえば北山さんの「3回」もぜひ見たかったな…と欲張ってしまいたくなるほど最高でした。
BLマートのバカップルと化している2人のシーンもとても良かったです。
出会ったときに高校生と大学生だった2人はいつの間にか大学生と社会人になり、きっとこの先も、もっと大人になっても変わらず手をつないで歩いているのだろうなと感じさせられるラストでした。
読者である私たちに見せてもらえるのはひとまずここまでとなりましたが、2人の日常がこの先も続いていくのだと思うととても幸せな気持ちになります。
恋愛漫画の面白さを教えてくれてありがとうございました。これからも2人のことがずっと大好きです。