「愛から一番遠い場所」があまりにも良すぎたので、他の作品も読んでみたいと思い購入。
主人公の洋がチェーン店の古本屋じゃない古本屋でバイトしてるところからもう良すぎる。カルチャーの窓としての古本屋。個人経営の味のある古本屋でバイトするのは全サブカル野郎の夢です(クソデカ主語)。
岬の職業がデイトレーダーで数字を扱ってるっていうのも0か1かしかない2進数みたいな対人感覚とリンクしていて「わ、わかる、、、」ってなった。執着独占欲激ヤバ人間が好きなので癖に刺さりすぎた。しかも顔がいい。
鼻血舐めるところと睡眠薬盛るところあまりにも良すぎ。ありがとうございます、、、
あと洋の友達の岸がめっちゃいい奴で「仏かよ。」と思った。人間としての徳が高い、、、
というか、洋のバイト先の店長とかも欠勤許してくれるし多分いい人で、なんかそういう人たちに囲まれて生きてる洋も岬に話しかけて仲良くなろうとするぐらいだから相当いい奴なのも当然というか、だからこそ聞こえない振りするレベルの人間不信拗らせな岬が好きになっちゃうのもわかる、、、洋はめちゃめちゃいい奴、、、誰からも愛されボーイの洋(そのうえとってもかわいい)が他の人のところ行っちゃうのは嫌だよな不安だよなわかる~~~~!!
関係性がひたすらずぶずぶドロッドロに閉じていく話も大好きなんだけど、洋がいることで岬の世界が開いていくというほんのり光のあるラストになっているのもかなりよかった。幸せになってくれ、、、
本棚に囲まれ、カーテンの半分かかった暗い部屋の窓から見えるのは高層階からの街並みという岬の部屋の描写から外へ繋がるドアのカット、そしてラストの洋の部屋の窓から見える低い家並みっていう心象とリンクした空間の描写とか、上手すぎる、、、
ビーチ・ボーイズ、ニルヴァーナ、筒井康隆、サリンジャーといった作中そこかしこに散りばめられたサブカルチャーへの偏愛が二人の共通の文脈として閉じた世界を形成しているのと同時にそこに奥行を与えている。
前後編で決して長い話ではないのだけれど、映画でも見たかのように心に残る話というか。
非常に好きでした。
これを書いている2025年5月現在、電書でしか読めないっぽいが、せきとう先生の漫画は画面構成力と描き込みに圧倒されるので紙の本で所持してぇ、、、
いつか何かに収録されて紙の本で出て欲しい。