原作済読です。
ある作品がCD化されるとして、演出・キャスト・脚本段階の微妙なアレンジなどの要素が加えられると、どうしても<原作の方が良かった作品>、<原作に充実な作品>、<原作よりさらに良かった作品>に別れてしまいますが、これは断然原作からさらに+@されたCDだと思います。
特に事件絡みのいざこざはBL作品で取り扱うにはやや微妙だった印象があり、原作の評価が別れたのもその辺が大きかったと思いますが、羽多野さんの好演もあって、音声化でしっかり演出されると割と緊迫感がありました。
何よりこの作品で注目すべきところは、小野友樹さんのキャラ作りでした。今どき誘い受けなんて言葉はほぼ死語だと思っている自分ですが、まさに誘い受けという概念では纏まらない深さがあって活き活きしてて、とても印象的でした。BL界復帰されてなかったらここまで特徴的なお芝居は中々聴けなかったかも知れないので本当に感謝です。
佐藤拓也さんのお芝居は、トーンが低すぎてあまり佐藤さんの普段の魅力が出てない印象はあるのですが、作品全体に描かれる狩野尾の精神的変化によく馴染んでいました。特にクライマックスの所では中々の好演だったと思います。
小野友樹さんファンの方は迷わず必聴、
気になるけど原作はちょっと微妙だったよという方にもお勧めできる良作だと思います。
個人的に原作は萌1か中立程度だったのですが、CDは神いれときます。