ちるちるさんで評価が高かったので拝読。ピッコマさんで全話無料で読めます。
成金貴族のαと、名家だが没落貴族のΩの政略結婚の話でした。
結納金目当ての結婚ですが、受けは幼い頃から攻めを慕っていました。何故か二度目のヒート以降、攻めは「別にヒートを起こしたからって死ぬわけじゃないだろ?」とわざと傷つけるようなことを言って、ヒートのたびに外出するようになります。結納金は最初に半分が支払われ、子供が生まれたら残り半分が支払われる予定なので、受けは実家から子作りをせっつかれており、辛い立場におかれます。
子供の頃に攻めからオモチャの指輪を渡されてプロポーズ的な告白をされていたり、ヒートのとき以外は溺愛モードで言葉でも好意を伝えられるので、両片思いであることは序盤でわかります。よって、なぜヒートのときだけ拒絶するのか、というのがお話を読み進める上で一番気になる点になります。
結果的に、実家からの手紙に「子どもを産むまでは実家に帰ってくるな。ひとりでも産めば契約金が手に入るからその後離婚しろ」と書いてあったので、それを読んだ攻めが子どもが生れたら受けが実家に帰ってしまうと思い、行為を避けていた、というのが真相でした。
既に跡取りは他にいるから、受けが実家に出戻って来ても迷惑なだけだろうに、なぜ実家は手紙にそんなことを書いたのか疑問が残りました。子作りを避けるだけなら、あえて傷つけるような言葉を言わなくてもよかったのではとも思い、スッキリ感は薄かったです。
また、元々、こちらは神評価が18あったのですが、試し読みを読んで戻ってきたら、いきなり18→14に減っていて、こちらを収録したアンソロジーの作品だけが、他の作品も同じタイミングで神評価が2つずつ減っていたので、お話の内容以上にそちらのほうがモヤっとしました。
前情報なしに絵が好みだったので読みました。
アパートで独り暮らしをしている春田は部屋の前にいた美形な高校生の椿井に声をかけ、部屋に上げます。椿井は派手な見た目で殴られたような痣があり、春田は不良と認定しました。
その後、椿井は春田の部屋に入り浸るようになり、泊まるようになりました。深夜に椿井が部屋を物色していることに気づき、春田が咎めます。
春田はお父さんを事故で亡くしていて、その原因が、椿井の兄が赤信号で信号を渡っていたからのようです。春田が暮らしていた部屋はその前に椿井の兄が住んでいて、兄がそこに置いて来たものを取るために、椿井は部屋を物色していたようです。
春田はそれを信じられず、椿井との縁を切り、引っ越します。
それからしばらくして引っ越し先にも椿井が来て、300万を渡されます。椿井が部屋を物色して探していたのはそのお金で、椿井の兄が春田親子に渡すために貯めていたものでした。以前、春田母が椿井家に慰謝料として300万渡していたため、それを返した形です。
椿井は春田に好きだと告白し、隣人が大学を卒業し部屋が空き、椿井が春田と同じ大学に入学したのを機に隣に引っ越してきます。この巻は元の友達くらいの間柄に戻ったところで終わっていました。
椿井は見た目が派手なだけで、いい子すぎて不良とは言えないんじゃないかと思います。椿井の両親についても、ネグレクトに近いのかなと思っていたら、一人暮らしさせて大学にも行かせているし、バックグラウンドがわかりにくかったです。
椿井の兄が引っ越しするとき、なぜ300万を部屋に置いて行ったんだろうと思いますし、それを取りに来たのなら金の在り処も教えていただろうから、あちこち物色する必要はなかったように思います。
春田の父が加害者ということになっていますが、赤信号で渡っていたのなら、歩行者のほうが過失割合は多いと思います。車を横転までさせて回避しようとしたわけですし。
そういった感じで気になるところが多々ありました。
自分の兄が春田の父を殺したようなものなのに、春田のことが好きだからと椿井が隣にまで引っ越してきて絡んでくるところも、好きになれませんでした。
ちるちるさんを見て椿井が攻めと知りました。それも、個人的には期待から外れていました。
広告制作会社の営業とデザイナーで元々幼馴染の二人の話。受けのヒナがブラック企業に就職し疲弊しているのを見て攻めのハセが同じ会社に誘ったようです。ハセは人たらしのモテメンでヒナはそんな彼に昔から片思いしていました。高校生の頃に同性が恋愛対象だとカミングアウトしましたが、「親友のことそんな目で見てねーから」と自分から牽制してしまいます。
たまたま一緒になった出張で相部屋になって(旅館みたいに和室で布団を並べてた)、ハセが寝ている横でAV見ながら自慰をしていたらハセが起きて一緒にする流れになりました。見られたくないからという理由でお互いに向かい合って自慰をすることになります。
直後、ヒナは風呂に逃げますが、ハセの「やっべ、やりすぎた」という台詞で両片思いであることが判明しました。
結果、セフレのような関係になりますが、ハセのことを好きな女の子が出現し、ヒナが身を引こうとしてハセが追いかけて、ようやくお互いに気持ちを伝えあえてのハピエンでした。
初エッチがオフィスというのは引いてしまって萌えきらなかったです。
ストーリーにもあまり真新しさを感じられず、これといった印象が残らないままにさらっと読み切ってしまいましたが、絵が綺麗だし攻めも受けも好きなキャラで、最後まで楽しく読めました。同じ作家様の新作が出たらまた読んでみたいと思います。
喫茶店の跡取りでβからαに変異した攻めとお隣に住む病院の跡取りであるΩの受けのお話。年上の受けには2年来の婚約者がいます。
幼馴染で子供の頃からの相愛ですが、攻めがβであったことと、受けには結婚により病院を提携する予定の婚約者がいるので、二人とも気持ちは伝えていません。
β×Ωの間はキャラの魅力や切なさも感じられたのですが、攻めがαに変異した途端、αフェロモンで受けのヒートを誘発しようとしたり、受けの同僚や婚約者に対して敵対心むき出しの、人としてかなり失礼な態度を取るので、急に子供っぽく感じられて魅力がなくなりました。受けも、思いやりのあるところに好感を持っていましたが、攻めがαに変異し、自分のフェロモンにだけ反応するとわかってからは、攻めの噂をする職員たちに優越感を抱いたり、婚約者がいることは棚に上げて攻めのことしか考えなくなってしまうので、不誠実さのほうが気になってしまいました。
攻めと受けはいわゆる運命の番(作中では『天運の番』と表現)だったようで、そのせいでβだった攻めがαに変異したようです。
そんな中、攻めの喫茶店が店の前にゴミを撒かれたり、ネットで誹謗中傷を受けたりと原因不明の嫌がらせを受けます。攻めを心配した受けは様子を見に行き、話している最中に攻めがフェロモンを制御できなくなって二人とも発情し、一線を越えます。カラーをしていたので番にはなっていません。
浮気で体の関係になることが苦手なので、この展開には萌える以上にがっかりしました。
攻めのことを心配する気持ちはわかりますが、一度襲われかけたことがあり、病院でも、フェロモンによりヒートを誘発されかけたことがあるのに、なぜ緊急の誘発剤も準備せずに会いに行ったのか。回避する術はあったのだから、不慮のヒート事故では言い訳ができません。二年間待ち続けてくれている婚約者に対して悪いという気持ちがあるなら、先に婚約を解消してから、体の関係になるべきだったと思います。
一夜を過ごした翌朝も、二人とも婚約者に対して罪悪感を抱く描写は全くなく、攻めが強引に番にしなかったことに対して、受けは攻めのことをとても誇りに思っていて、恋人として寄り添い続けると心の中で誓いを立てます。いやいや、その前に、一ノ瀬さん(婚約者)に申し訳ないと思ってあげてー、と思ってしまいました。
その後、受けは父親と一緒に一ノ瀬家に婚約解消を申し入れに行き、そこで攻めの喫茶店に嫌がらせをしていたのが一ノ瀬の母だと判明します。最初は一方的な婚約破棄に激昂していた一ノ瀬の父も、それを知り婚約破棄を受け入れざるを得なくなりました。
そもそも、この婚約は、一ノ瀬家の経営する病院が経営難だったため、受けの家が後継ぎのΩの結婚相手を探していることを知り、名乗りを上げたようです。でも、一ノ瀬さんは病院の経営と関係なく受けを婚約者として大切にし、常に誠実でした。
自分の母親の悪行を明らかにし、自ら身を引いた一ノ瀬さんには、「あっぱれ!」と心の中で拍手を送りました。
攻め受けとストーリーだけなら「しゅみじゃない」ですが、一ノ瀬さんという推しキャラがいたので評価は「中立」にします。
あらすじ読まずに読んでリーマンのお仕事BLかと思ったら現代ファンタジーでした。会社の後輩×先輩で秘書課の経歴としては攻めの方が先輩です。受けは社長令息の御曹司。廊下でぶつかった攻めに一目惚れします。
受けには双子の妹がいて、異能者のようで、兄の恋愛を成就させるために、兄が恋愛で後ろ向きになってしまうと意識がぬいぐるみ(受けのミニチュア版)に飛ぶような呪いをかけました。攻めがぬいにキスすると意識が本体に戻るという超俺得な設定付きです。攻めには、ぬいに意識が飛ぶことも攻めのキスで戻ることも特に引っかかりなくスムーズに受け入れられていました。
この呪い、遠隔でも効果を発揮するので、慣れてくると攻めがぬいを持ち帰り、受けの意識が飛んできたぬいと宅飲みとかしてました。どこでもドア的な機能です。
最後の方は攻めが受けの本体にキスしていたので、攻めも受けのことを好きになったようです。
恋愛面では上手くいきすぎて盛り上がりに欠けますが、設定が面白かったのでラブコメとして楽しく読めました。