視力が悪いせいで相手を睨むように目を窄めてしまう、且つ、背が低く中性的な容貌の高校生、佐々元 雅(ささもと みやび)が、街でチンピラに絡まれている際に、森 喬済(もり たかずみ)に助けられるところから、物語は始まります。
雅を助けた喬済は、今度、雅の兄のアパートに引っ越してくる予定の大学生でした。
助けてもらったことで喬済に良い印象を抱いていた雅は、アパートで生活する喬済の世話を焼くようになります。
喬済はとある事情で他人に触れるのを嫌う「接触嫌悪症」なのですが、時間が経つにつれ、雅に触れることに嫌悪を抱かなくなっていきます。その意味を理解した喬済は、雅に自分が何故接触嫌悪症なのかを打ち明けます。
二人が結ばれるまでは、人と関わることを好まずあらゆることをどうでもいいと受け止めていた喬済が、どこまでも素直で正直な雅に強く惹かれていく様や、ニブチンの雅が喬済の感情に全く気が付かず喬済が溜息をつく、といったようなもどかしくもおかしい展開に思わず頬が緩みます。結ばれたあとは、うってかわって甘々で若い二人に興奮とにやにやがとまりません!!
二人の恋の展開と同時に、雅の兄・棗の思いや超能力の物語も展開していきます。
棗のどこまでも兄でいる姿は、切なく、そしてかっこいいです。
超能力の設定もなかなかに作りこまれているのですが、生かしきれてない気がします。
喬済の能力のお陰あって、そういうシーンを変わった形で楽しめているという点では有効活用しているのかもしれないのですが、ここまでちゃんと作った設定ならもっと純粋にファンタジーとして有効活用して欲しい。
続編でも出して、超能力の面を突き詰めていければ問題無いと思いますが、この一冊だけで完結とするならば微妙だと感じました。
言い換えるなら、これからがおもしろくなるだろうにな〜。と言った感じです。
エロシーンは多くもなく少なくもなく。ストーリー全体とのバランスを考えるとこれくらいでいいかな。と言った感じです。ただ、物足りないと感じる人もいるかもしれません。
全部が全部、これから!あともう少しほしい…!という終わり方をしているような気もするので、むしろこの先をみせて!と思う作品です。
各登場人物たちもそれぞれ特徴を持った彩りある面々なので、こういった設定が好きな私としましては続きがほしいな〜…なんて考えてしまいます(笑)