年下攻め×年上ビッチ受け。
どうやらスピンオフらしいのですが、そちらは未読のままこちらを読みました。
前作のキャラが出てくるものの、読まなくても問題はなかったです。
でもたぶん読んだらさらに作品の造詣が深まりそうなので、あとで買って読みます!
物語としては受けの晶さんがセフレと一悶着してるところを攻めの菅山くんに助けられます。菅山くんは晶さんが教育実習で行った母校の卒業生で…というところから始まります。
そこからふたりの距離がぐいぐい縮まるのですが、距離を縮めようとするのが菅山くんからなのがまたいいんです。
年下攻めならではの素直で純粋な好意をまっすぐぶつけてくるところが本当にエモい。
晶さんのトラウマ野郎が出てきたり、仲良しのセフレその2が出てきたりと、王道を踏襲しつつ痒いところに手が届く話の流れでした。
注意点は晶さんがビッチなので、当然の如くセフレといたしてるシーンが入ってきます。二箇所、二人分です。
そんなに長いシーンではないし、内容もさらっとしており、私はビッチ受け大好きなのでぜんぜん大丈夫だったのですが、苦手な方は苦手かも。
でもこのビッチ設定がほんとにいい味を出してて、ビッチなのに菅山くんに迫られた時菅山くんが自分のこと好きじゃないならやらないって断るんです!ビッチなのに!
とにかく年下攻めとビッチ受けの相性の良さよ…。
上記設定がお好きな方には本当にオススメです。
ケーキバースだけじゃない。
メインのふたり、松村くんはケーキですが、井桁くんはフォークでもケーキでもないんです。
ケーキバースだとケーキとフォークがカプになることが多いので、とても珍しい組み合わせだと思います。
でも井桁くんはフォークと関わりが深く、フォークを理解しようと必死だった過去があります。
そんなフォークじゃない井桁くんだからこそ松村くんに寄り添って、ふたりだけの関係が築けたんだろうなと思える作品でした。
思春期の繊細さとか痛みとか、それぞれが抱えていたものが、相手の何気ない言葉や行動で救われる。このお話はそんな優しさで溢れています。
作中で松村くんが「井桁が井桁なところが好き」と言うのですが、ここの流れが最高なのでぜひ見て欲しいです。