佐伊先生の「竜王の婚姻」のタテヨミ漫画です。
「竜王の婚姻」を小説とは違った形で再読できる期待に読みました。
佐伊先生の小説「竜王の婚姻」は、私にとって単なる耽美でもBLでもない。心震える物語であり、セナという存在を軸に色々な愛の形を読ませてくれる作品です。
その「竜王の婚姻」に絵が与えられた――びっくりです。
原作の挿絵を担当された小山田あみ先生のイラストは唯一無二の美しさ。
その華麗さは作品の世界観を視覚的に一気に拡張させ、読む者の想像力を高く高く連れて行ってくれるものでした。
だからこそタテヨミ漫画という形式だとどうしても物語のボリュームや密度が足りなく感じる部分があるのは否めませんが今後に期待してます。
キャラクターのビジュアルも、私の中にあるイメージよりは若く描かれている印象を受けました(これはあくまで個人の感想です)
ただ、セナが、アリオスが“動いている”という感動は、まぎれもなく確かにありました。
この先のイザクはどんなイザクとして登場するのか…
激動の展開をどうタテヨミという表現で読ませてくれるのか楽しみです。
レビュー執筆時点ではまだ序盤ですが、私は原作でも特にアリオスがセナをどうしようもなく想い、闇夜に紛れて彼の元を訪れるシーンが大好きです。
それを漫画としても読めるのは嬉しい。
…セナの腹筋には笑いましたけど。
佐伊先生の原作が大好きなのでこの漫画化には深い思いがあります。
「竜王の婚姻」の登場人物のそれぞれの愛、魂の交わりも、全部が詰まった大人のための物語。これから続く巻も楽しみにしてます。
原作未読の方のも触れて欲しい作品です。