「静寂の音が それはとても淋しくて とても美しい」依鈴がコンサートホールでピアノを弾こうとしており、この一文から話が始まります。この一文からコンサートホールに広がる静寂や緊張感が伝わります。ピアノを演奏する時の描写は、依鈴のピアノの美しさが絵から伝わってきて、すごく印象的で綺麗でした。
2人の関係性も、ピアノの音の重なりで表現されており、うまく重ならない2つの音 から いい音 と言い合える関係へと変化していく様子が本当に美しくて…
中盤にかけて流血を伴う描写がありましたが、血が苦手でも読むことができました。そのシーンでは、当真のかっこよさと、依鈴と話すときとまるで違う様子にギャップを感じました。本当にかっこいいです
ピアノが好きな方、ゆっくり愛を育むような話が好きな方にはぜひ読んで頂きたいです。絵が綺麗なのはもちろん、依鈴のピアニストらしい手や当真の動かなくなってしまった小指がしっかりとはっきりと描かれていて、細部まで工夫が行き届いていて、感銘を受けました。
たくさんの方に読んで頂きたい作品です