みみみみみみみみみみみみさんのマイページ

レビューした作品

女性みみみみみみみみみみみみさん

レビュー数1

ポイント数4

今年度2179位

通算--位

  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

Hybrid child コミック

中村春菊 

BLにハマったと同時に幕末の歴史に興味を持った作品

私がBLを知り、BLにハマるきっかけとなった作品です。
この作品は一冊の中に1〜4話ありますが、3.4話がとてつもなく切ないお話。この3.4話は明言はされていませんが、話の流れ的には幕末・戊辰戦争時の会津藩が舞台。これが自分の地元なもので、学生当時に先駆けてクラスでBL好きだった友人が周りにおすすめしてきて、流れに乗って読んだ私はまんまとBL沼にハマっていきました。
会津若松城(地元民は鶴ヶ城と呼びます)は桜の木が多くて、咲くと本当に綺麗です。再建された赤瓦の屋根の天守閣が満開の桜に囲まれる景色は絶景。子供の頃から桜の時期になると鶴ヶ城で花見をしていましたし、花見の時期でなくとも子供の頃は普通にお城が遊び場でした(天守閣に登らなければ敷地内に入るのは無料なので)。今は昔よりも〝観光地化〟してしまいましたが…元々はお城周辺の一帯は地元の人たちの運動公園といった感じで、テニスコートや市民プール、剣道場、野球場、陸上競技場(今は移設)、博物館が並び、すぐ隣には中学校や高校(現在は移設)、裁判所や庁舎が集まります。今は本丸の芝生の庭にはロープが張られて入れない?雰囲気なのですが…子供の頃はここで鬼ごっこをしたり、石垣に登って遊んだりした場所です。
しかし、そんな子供の頃は戊辰戦争の事など何にも知らず。このお城がそんな歴史を持った場所だなんて思ってもいなかった…。この作品を見てBLにハマっただけでなく、地元の歴史にも興味を持つきっかけにもなったので出会えて良かった作品です。
鶴ヶ城は桜の時期には夜のライトアップをするのですが、月島の言う通り本当に綺麗です。咲く前の蕾も確かにいい。雪国会津にとって雪がなくなり桜の蕾が見えるというのは暗い雰囲気の冬が終わり明るい春が来るお告げのようなもの。月島と黒田もこの桜を見ていたのかなぁ…この桜吹雪の中を一緒に歩いたのかなぁ…と思うと思わず涙が込み上げてきます…。
月島のモデルは萱野権兵衛だろうなぁ。実際に全責任を負い切腹した家老ですね。あの時代は男女であっても好きな人と結ばれるとは限らない時代だったと思うので、男同士なら尚更。なので悲しいかな…この話の流れでなければ、月島と黒田はたとえ一時でも結ばれることはなかったんだろうなぁ。残すほうと残されるほう、どちらがしんどいのか。朝、黒田を残して言葉もなく障子の奥に消えていく月島の背中が切なすぎる。
この作品は読んだらしんどい(心が苦しくなる)のが分かっているのに、毎年春になると本棚から引っ張り出して見返したくなる作品です。4月、見頃の鶴ヶ城に行き、青空と鶴ヶ城と満開の桜の中で舞う桜吹雪…その中に月島と黒田がいるのを想像して。赤い廊下橋を並んで歩くふたりの背中を思い浮かべて。
戊辰戦争から150年くらい。意外と遠い昔ではなく祖母の祖母ならいるくらいの話。もし生まれる時代が違ければ戦わなければならなかったし、想う人とのこんな別れ方があったのかと思うと言葉が出ない。黒田はモノローグではもう顔も覚えてないとか言ってるけれども、たぶん春が来て桜を見るたびに月島を思ったんだろうな。救いがないのが苦しい。喧嘩ばかりしてるけど2人が思い合ってることはひしひしと伝わってくるのに!同人誌とかでもいいから月島生存ルートの話とか読みたい。でもこの話はこれだからいいとも思う自分もいる。こんなに心が締め付けられる作品、BLでなくとも会ったことがない。名作だと思う。