切ない!!!しあわせ!!!
「じゃない方」として虐げられていたシュリが、闇魔法の実力を手にして、ずっと(不本意ながら)ちやほやされていたリュカが、これまでの実力をすべて失ったところからのスタート。
恋愛的には、ギルとジーク、どっちと結ばれるの~!?(コンラート、ごめん。君は永遠の友達だから……)とドキドキハラハラしつつ、リュカも心配でたまりませんでした。
だけどみんな強くていい子たち!リュカの本当のすごさは魔法の才能じゃないし、シュリもちゃんと過去のいろんなことに折り合いをつけていって、ほろりとしました。
そしてギルとジークが、それぞれのシュリへの思いに向き合って、シュリとも心を通じ合わせて、本当によかったです。特に前作のジークの本音には萌えと心の痛みでおかしくなりそうだったので、シュリからちゃんと「償え」と言ってもらえてよかったねぇ……と思っています。そしてギル、あんたは本当に王子様だよ。ジークもギルもシュリの心を(意図している、していないに関わらず)傷つけてしまっていたので、これからたくさん愛しあってくれ~!と祈らずにはいられません。もちろんオタクの祈りなんか関係なく、これから3人で愛し合っていくんでしょうが。
そしてコンラートの気持ちが、切ない!シュリを思う気持ちの深さや強さにかけては、2人の王子に全く引けを取らない、いい男でした。シュリに思いを打ち明けないことを選ぶのもまた、愛ですね。
本当に素晴らしいお話でした。失われたものも確かにあったけれど、シュリたちの幸せをとりこぼさないでくれた福澤先生、本当にありがとうございました。最高です!
シュリがずっと健気で、愛しくて、胸が痛かったです。
黒猫だからという理由で疎まれて、でも「がんばれば報われるはずだ」という一心でがんばってきたシュリ。でも双子の弟のリュカは白猫で、天才で……。そんなシュリが安らげる唯一の場所が婚約者候補のジークフリートの隣だったのに、それすらも……。
ボロボロに傷ついて、でもこの世を恨み切れないシュリが愛しくてたまらなかったです。婚約者候補のギルバートの素直になれないながらも真っすぐな愛情、そしてジークフリートの歪んでいるけど純度の高い愛情。どれも重たくて最高! となりつつ、シュリの持つ痛みや苦しさに、読みながらずーっとドキドキハラハラしていました。
個人的には、リュカも含めたシュリの近しい同年代の人々が、シュリのことを大好きでいてくれて、本当によかったです。それぞれが負った傷(特にシュリが周りから負ったもの)はなかったことになりませんし、失ったものも決して馬鹿にはなりませんが、それでも前を向いて生きていくエンドで本当によかったです。
10歳という年齢差と表紙の通りの体格差があるので、読みながら情景を脳内再生して悶えていました。かわいすぎる……!
そして何よりも、2人のキャラクターがすっごくよかったです! シリルは一生懸命で健気でかわいいし、エセルレッドも「英雄」の名に恥じないかっこよさでした。さらに2人のギャップもすごく萌えました! シリルは敵だらけの現状にめげないし、弱さを見せつつ困難へ立ち向かう姿がすごく好印象でした。そしてエセルレッド様! なんだその「愛され夫」になるための指南書は! 最初に「君を愛するつもりはない」と言ってしまったことを後悔した上で、ちゃんと改善のために動けるあたりがシゴデキの気配を感じます。その努力が斜め上なのも愛嬌があって素敵です♡
ストーリーもすごく濃密で、読み応えがありました。滝沢先生のお話は、恋愛だけでなく生業に関することもしっかり描かれる印象があるのですが、今回のお話は特にそれを強く感じました。シリルがこれまでに受けた困難や苦しさを、ちゃんと描写しているところに物語としての凄みを感じました。正直に言うと、家族からの虐待の苦しみが生生しくて、何度か怯みそうになるくらいでした。だけど、エセルレッド様と一緒にそれを乗り越えられて、本当によかったです。クライマックスで無実を証明するシーンでは、そのすさまじさに息を飲みました。
最後までページをめくる手を止められない、素敵なお話でした。2人の愛情が育まれていく過程がすごくしっくり来て、ベッドシーンはそれはもう……。
ドラマチックなBLを読みたい方には、ぜひおすすめしたいです!
最高でした!
嫌われからの溺愛はこれまでも好んでいましたが、その中でもすごくすごく好きな作品です!
前世を思い出して更生したユリウスに対して、信じられないとつらく当たるラファエル。でも過去にはユリウスを未来の伴侶として大切にしていて、だからこそ仲がこじれてしまったのだ……と明かされたとき、すごく切なくて萌えました。
ラファエル、最初は「妾にでもなってしまえ」と言わんばかりだったのに、だんだん態度が甘々になって執着を見せるようになり、めちゃくちゃキュンキュンしました! それに気づかないユリウスの鈍感っぷりも最高!
これは個人的なツボなのですが、ユリウスがしっかり「仕事」をしていて、かなり嬉しかったです。ユリウスが、経理としてのスキルを発揮して、自立しようとしていてかっこよかったです。もちろんラファエルのシゴデキっぷりもかっこいいのですが、ユリウスも帳簿から不正に気づくなどの有能っぷりでウキウキしました!
特に、流行病から人身売買の不正に繋がり、マネーロンダリングが発覚するくだりで鳥肌が立ちました。こういう「お仕事」をしっかり描く作品にはなかなか出会えないので、図らずもよい作品と巡り会えてよかったなぁと思います。
そして子獣人のティモくんが一服の清涼剤となっていて、ほっこりするシーンも多く、すごく萌え萌えでした。
子連れBLとしても最高です! 拝読できて本当によかった!
本当に最高でした!
序盤は攻めの隼くん視点で始まり、受けのユキくんき対して「どう考えても好きじゃん!」の不器用な様子がラブコメっぽくてほっこりしました。でもそこからの怒涛の展開……!どんどん明らかになっていくユキくんの凄惨な過去、現状に読んでいてつらくなるくらいでした。でも、この物語を見届けねば……!と思うくらい、ユキくんがしなやかに強くて、休憩しつつもページを捲り続けました。
隼くんが本当に光の人間で、ユキくんはそれに焼かれつつも焦がれていて、読者わたしも萌えつつ心が散り散りになりそうで……。でも、最後、2人が諦めなかったからこそ辿り着けたハッピーエンドだなぁ、と思いました。たぶん2人がどうしようもなく折れてしまうようなポイントはいくらでもあって、でも結局、深みへはまらないよう踏ん張った2人がまぶしいです。
本当にしんどいお話でしたが、読めてよかったと心の底から思います。2人のこれからにでっかい幸あれ〜!