率直に言うと前作だけで良かったな、という印象です。
2人が恋人関係になってからのイチャイチャがとにかく見たい!という人には良いかもしれませんがストーリーは本当に薄いです。
晴れて恋人同士になったはいいものの自分が鴻くんに釣り合っているのか不安になったなつめさんが、(セックス)スキルを磨いて鴻くんを喜ばせようと奮闘するも、仕事が忙しくてなかなか会えなかったり、友人と一緒にいるのを浮気と誤解されてしまったり…というよくあるすれ違いストーリーとなっています。王道と言えば聞こえはいいですが、悪く言えば既視感がすごいです。
前作の「2人だけの世界」感が薄まり、世界が広がった分、設定の粗などがかなり目立つと感じました。
前作もなつめさんの理系男子要素is何処状態でしたが、なんか今作も全体的に仕事内容がフワッとしてます。鴻くんは出世して新事業の「サロン」のフロアマネージャーになったそうで、ちょくちょく開店準備みたいなことをしてるんですが、これが具体的にどういった仕事なのかよくわかりません。なんとなく高級ホストクラブ?っぽいんですがデリヘルのキャストからなれるものなの?
新キャラの胡桃くんも顔は良いのですが過保護キャラという部分にいまいち魅力を感じませんでした。なんだか「古めのレディコミや少女漫画に出てくる、地味な主人公女子に恋愛のアドバイスをしてくる派手な友人女子キャラ」をガワだけ男にしたような感じ。やたらと人の家に入り浸りたがったり、会ったことのない友人の彼氏を苗字呼び捨てにしたり、普通に鬱陶しいと感じました。あといくら仲が良かろうと「こんなこと聞いたら失礼かもしれないけど」等のエクスキューズもなくゲイカップルのセックスポジションを聞いてくるのは令和の漫画としてどうなの。彼の過去話もちょっと掘り下げ不足というか、中学生が3年間も友人の家に居候ってよほどの理由がないとあり得ないと思うんですが、「俺んち複雑でさ」の台詞だけで済ませようとしないでほしい。
絵は綺麗ですし、エロシーンは変わらずエロいです(個人的に鴻くんがなつめさんの尻穴は弄るくせに前は全然触らないのは気に食わないですが…)。でももうこの作者さんの他の漫画は買わないかな。