上巻では事件の発生、2人の再会、練の獄中での出来事や釈放後の放浪生活、それから韮崎に拾われるまでの壮絶な過去、世田谷の事件の真実が明かされるまででしたが、下巻では麻生と及川の関係、練の過去が練本人をめちゃくちゃにした当本人である麻生に救われるまでが描かれています。
まず、及川さんが下巻で大活躍します。後半の麻生が練を迎えに行くまでの2人のやり取りがもう本当にこの2人は阿吽の呼吸で日々仕事やらなんやらこなしているのだなというのが伝わって来るし、麻生は及川には一生敵わないのだろうというのも伝わって来ました。及川は麻生のことが本当に好きなんだな…。
麻生と練がようやく繋がったのも熱かったです。練も面倒見が良くて賢くて、どんな手を使ってでも麻生と及川との関係を知っていくのも良かったです。
ラストシーンで麻生と練が会話をして、そこでも練は涙を流したのを読んでどんなに立場も姿も変わってしまってもこの人はあのとき取調室で泣いていた青年と同じなのだなというのを感じました。
警察を辞める選択をした麻生にも、練との関係の責任を取ろうとしているところが良いと思いました。
上手く言葉にできないのがもどかしすぎるのでとにかく読んでほしい作品です。