大好きな「ひだまりが聴こえる」シリーズ。新刊が出る度に、あったかくて素敵な作品だなあとしみじみしてしまいます。ラブは決して多くない作品ですが、心に沁みるシーンがたくさん詰まっていて読後の満足感はひときわです。
ゆっくりと進んでいく二人の恋愛模様ですが、今回は特に糖度高めな気がしました。航平の太一を想う姿や太一のまっすぐな可愛さにきゅんきゅんされられっぱなしだったし、こんなにもあまあまなんて想定していなかった分、ドキドキが止まらない、、!
そしてそしてなんといってもラストシーン。この後一体どうなっちゃうのー!はやくも次の巻が待ち遠しくて仕方ないです。
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京都へ出張することとなった太一ですが、この出張のきっかけとなったのは、太一のある行動でした。
千葉の言うように太一にとっては深く考えての行動ではなかったのかもしれない。だけれども、この行動で笑顔になる人がいたことは紛れもない事実です。
こんなふうに太一はそのまっすぐさで、これからもたくさんの人を救ってくれるんだろうな、と。あの日、航平を、マヤを、リュウを、たくさんの人を救ったように。
うーん、なんだかしみじみしてしまいました。太一、知れば知るほど好きになっちゃう。めちゃいいやつです。
お誕生日の一件、なんだかあますぎるかもー!!!
航平、はるばる出張先まで来てくれて困っていたところを助けてくれて、もうかっこよすぎる。太一を見る表情が優しくてあまくて、めちゃめちゃ好きなんだな、って伝わってきてきゅんきゅんが止まらないー!
そしてはじめは照れるばかりだった太一が、こんなにもまっすぐなキスができるようになるなんて、!スローペースで描かれているからこそ太一の変化がつかみやすくて、これはこれでめちゃめちゃ良いな〜〜!
文乃ゆき先生、今回も素敵な作品をありがとうございました。次巻も楽しみにしています。
付き合って5年、年の差14歳の夫夫のお話です。
嫉妬深くてモラハラ気質な年上受けとそんなところまでひっくるめて可愛がる攻め。
どちらも眼鏡な作品って珍しいので、眼鏡好きさんにはぜひ読んでみてほしいなと思います。
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作者さんには申し訳ないですが、すこし物足りなかった、というのが率直な感想です。
色々なシーンから潤也が啓司のことを可愛がっている様子は伝わるのですが、こちらにその可愛さがあまり伝わらない印象。あ!確かに可愛いかも!と思いかけた次のシーンですぐ性行為に入ってしまうことが多く、モラハラ気質と子供っぽすぎる嫉妬ムーブがあまり好きになれないまま終わってしまいました。
もう少し二人の会話を丁寧に描いて欲しかった感があります。
絵柄がかっこよくて特に啓司のビジュアルはかなり好きでしたが、内容を残念に思ってしまったのでこちらの評価とさせていただきました。
容姿端麗かつ頭脳明晰な生徒(伊勢)とおどおどわたわたな冴えないおじさん教授(春井)のお話。主に春井視点で描かれています。
まずこの二人、めちゃめちゃ可愛い。
春井は、伊勢に言わせると「不器用で要領も悪く、周りの人に合わせるのが苦手で自分の意思を正確に相手に伝えるのも下手」な大ヘタレおじさんですが、この笑っちゃうくらい不器用な姿が可愛くておかしくて。そしてそんな春井を見てつい口うるさくしてしまう伊勢の不器用さも可愛い。
どちらもベクトルの違う不器用さを持っていて可愛いかった〜!!特大の萌えを感じました。
個人的には今年読んだ中でかなり上位に入るくらい好きな作品でした。
48歳のおじさん受けとのことでかなり間口が狭く好みも分かれる作品ではありますが、特別な苦手意識等がなければぜひ挑戦してみてほしいなと思います。
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伊勢の思いを知ってから読み返すと、分かりにくいその優しさが愛おしくてしょうがなく感じます。
春井を放っておけなくてつい厳しい言葉で叱責してしまうところ。いつも傍にいて、困っている春井に手を差し伸べてくれるところ。ときおり優しく緩む目。まっすぐな「さわりたい」という言葉。
読めば読むほど伊勢の愛情が伝わってきて、悶えました。
伊勢の、春井を好きになったきっかけのシーンは特に刺さりました。特殊なシチュエーションでの一目惚れで伊勢の気持ちを完全に理解することはできなかったけれど、伝わってくる気持ちが綺麗で透き通っていて、かなり良かった、、。
そして、卒論の内容からも春井に人としてだけではなく研究者としても惹かれているという様子が伝わってきて、これまた良い。春井は伊勢の人生に大きな影響を与えた人物なんだな、となんだか感慨深い気持ちになりました。
この作品で特に印象的なのは「さわる」描写。伊勢が春井の手や身体にさわる姿からは大切にしたいという思いが伝わってきて、始終ドキドキさせられっぱなしでした。いわゆるという感じではないけれど、一言で表すと甘い、になるのかな。とにかくじんわりと心にくるような描写ばかりで、とても好みでした。
春井は意気地なしなへたれおじさんではあるけれど、考えなしに流されるような人物でもないと思います。伊勢に全てを委ねたかのような発言も春井なりの誘い文句であり、その裏には彼なりの覚悟があるように感じました。
これから起こるかもしれない様々な困難もきちんと受け止め、共に生きていく。春井の覚悟が感じられるラストシーンには多幸感が溢れました。
そしてそして、草間さかえ先生の挿絵もすごく良かったです。伊勢のすらっと感と春井の枯れおじ感の描き分けがめちゃめちゃにお上手で素晴らしかったし、構図も背景も素敵で引き込まれました。
お気に入りのシーンや刺さる描写がたくさんで、久々の大刺さり作品でした。いやあ、出会えてよかった、、。
恋愛未満の関係に終わった本作ですが、深い心の繋がりを感じられるシーンが多く個人的にはとっても満足感の高い作品でした。
清良やマチアプおじさん、岡田やポニテ女子社員などのサブキャラクターからもいい味が出ていて素晴らしかった、、!
間違えたり傷ついたりしながらも最後にはそれぞれが自分なりの着地点を見つけられたようで、読後はとても清々しい気持ちになりました。
blanc、homeと丁寧に描かれてきた佐条親子の関係にも前向きな進展があるので、「同級生」シリーズを追いかけている方には絶対に読んで欲しい作品です。
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アウティングの一件は会社の人たちの無神経な反応が苦しくてしんどくて、、。
岡田との確執が完全になくなっていないようなの
が気になりつつも、まあ簡単に考え方が変わることの方が珍しいし、人と人との関わりってこんな感じだよな、と。岡田も佐条父やポニテ女子社員みたいに、何かのきっかけで少しでも考え方が柔らかくなったらいいなと思います。
チクチクした発言ばかりしていた夏目がポニテ女子社員やマチアプおじさんに謝れるくらい柔らかい性格になったのは、佐条父に出会えたから。佐条父が利人に祝福の気持ちを伝えられたのは、夏目に出会えたから。
救って救われて、次第に繋がりが深まる様子に心が温まる思いでした。
一番心に刺さったのは、夏目が佐条母にお線香をあげるシーン。
佐条父を、そして佐条父が愛した佐条母を大切に思ってくれていることが伝わってきて、思わず涙がほろり。夏目の優しく愛おしげな表情も、それを聞いた佐条父の様子も、全部ぜんぶめちゃくちゃに良かった、、。
それにしても、つくづく佐条親子って似ているなと思います。愛情深いところとそれを覆い隠すくらいの不器用さ、頑固さがそっくりで、やっぱり親子だなとしみじみ。
ぶつかり合いながらも利人の結婚を機に少しずつ分かり合おうとしていた二人ですが、本作でようやくひと段落ついた感じがします。
佐条父と夏目が今後どうなっていくのかは分からないけれど、お互いがお互いを大切に思い、深い愛情を抱いていることには間違いないと思います。どんな形にせよ、佐条父も夏目も、そして利人も光も幸せでいてほしいなと思います。
上司と部下の間の愛、恋愛、家族愛。色々な形の愛に溢れた作品で、すごーく幸せな気持ちになりました。
中村明日美子先生、今回も素晴らしい作品をありがとうございました。心からの感謝~~!