評価がとても高いので私の読み取り方が悪いのかもしれませんが、こんな感想もあるということで一つよろしくお願いします。。
主人公=蒼はゲイであることを家族に知られ受け入れてもらえなかったこと、片思いしていた親友に辛辣な言葉を投げられたことでトラウマを持っています。
そんな現実から逃げたい思いもあって、異世界へと(勝手に)連れてこられ、あやうく死にかけたところを攻めであるヴァルトスに助けられます。
異世界には竜力という不思議パワーで浮く島があり、そこで蒼は竜人(竜にも人にもなれる)の一族に迎えられ過ごすうちに、ヴァルトスへの思いを募らせていく……というのが大雑把なストーリーです。
竜人はテレパシーで皆会話しており、蒼は発話して意思疎通できるものの周囲にはサトラレ状態(本人自覚なし)。
勝手に連れてこられ死にかけてサトラレ状態という現状には、同情するものの……主人公のネガティブさに終始、辟易してしまいました。
「自分なんて」が合言葉の蒼ですが、サトラレによって過去のトラウマが周囲に筒抜け。周りがよってたかって可哀そう可哀そう……挙句大半には困難から逃げ回る主人公が可愛く見えるそうな。そんな馬鹿な。
自身のなさから自己否定へと走りがちな蒼は、たいてい元気ないです。トラウマを思い出しては暗くなってる感じ。
そんな蒼が、異世界へと強引に連れてきた人物に文句を言う時は威勢がいい。ここらへんがキャラブレしている感じがして受け付けませんでした。いや、死にかけたんだし責めていいんですけどね……人を責めるときだけ元気になる主人公が私にはダメでした。
また、ヴァルトスへの恋心の描写もちょっとなぁ……と。
命を助けられたわけですし、また、好きになる理由が十分あるのは分かります。
ただ、終盤のヴァルトスは竜王で強くてかっこいい、好きみたいな地の文(大体こんな意味の文だった)。他に言う事ないの?と思いました。表面上の攻めの良さを好きの理由に並べないで欲しかったです。
とかく私は主人公が受け入れられませんでした。マイノリティが受け入れられる方が珍しいのに……君だけじゃないぞという思いもあったかもしれません。
後は子竜が挿入役をやっていたのが、人を選ぶかなとは少し感じました。
世界観はとても好みでした。挿絵も雰囲気に合っていたと思います。
絵師さんが好きで購入。設定も好みだと思ったのですが蓋を開けたら何とも…。
義兄は最初ちょっと出ただけで、その後一切登場せず。
そもそもの問題の発端なのだから、最後は主人公=明と話すなりなんなり決着をつけて欲しかった。義兄がどうなったのかもイマイチ分からずもやもや。
明も健気受けとも違う、気力のない暗い性格で、家事や仕事には精を出すけれど特に生きる目的もない……攻めの斎賀を好きになる過程も「なんとなく惹かれた」な印象。
対する斎賀も明に対しては、終始心を開いてない感じ。
言うなれば、BLの最初まだ攻めがデレてない時期がずーーっと続いてる感じ。
序盤に比べ、1cmくらいはお互い精神的に良いほうに変われたかな?
途中、明に絡んできた男を退けたときは少しキュンと来ましたが、その後特に関係は変わらず……最後は迎えに来ましたが今までの関係と何が違うのかと言いたくなるラストでした。
ちなみに借金問題の論理が理解できませんでした。(これは私の読解力の問題かも)
斎賀も騙してたってことで良いんでしょうか。だって一銭も払ってなかったわけですから。
その割には、義兄を恨んでないのかと聞いて来たり…お前はどうなんだ!と言いたくなりました。