表紙と、あらすじの「ぼろぼろ」にひかれて衝動買い。
……大正解。
「恋まで百輪」のスピンオフということを知らずに購入したのですが、単体でも読めますし、なにより切ないのとシリアスがツボな私はこちらの方が好みでした。
魅力はやっぱり受・鷹尾ですね。
「悪人」は悪いことをしてる人って意味ではなくて、性悪チックってことなんでしょうか。譲の言葉を借りるなら「性格悪……」ってところで、根っからの悪ではないなと。
どこか冷めててひねくれ者で、口も性格も悪い。それでいて繊細で不器用。
1人で上手く幸せになれないひと。すごく愛おしく感じました。
対する攻・譲に関しては、私は鷹尾よりも寧ろ譲の方が掴めなかった印象です。
尽くすばかりかと思えば突き放してみたり、冷めてるかと思えば子供っぽかったり。
鷹尾への執着がすさまじいことには変わりないんですが。
ある種似た者同士で、譲もかなり不器用なんですよね。愛情表現が。
後半の譲と鷹尾の電話~病院のシーン、それからエピローグは本当に素晴らしかったなと思います。
譲のモノローグにある「何か1つ選べと言われたら俺を選ぶ」、最高でした。
後半は本当に筆舌に尽くしがたいものがありました……神評価を付けさせていただきます。オススメです。