BLでは「こいつだけはだめだ、手放せない」的なセリフがよくありますが
七青のおかれている立場で「…なくすのは怖い」という言葉をはかれると
……きます……
葵に対する強い想いが、命さえも惜しくないと思っていた七青の心を変えていきます。
生きる意味を見失い、目的もなくただ生きるだけの自分を拾ってくれた政治家のために、七青は何度も手を汚してきていることに苦しみ始めます。
それでも葵の手を汚さないように、それを本人に気付かせないように行動する七青がせつない。
後半、感情をなかなか表に出さないふたりの、お互いへの想いがあふれ出る表情がとてもいい!
絵柄は癖があり、好き嫌いがわかれるだろうなとは思いますが
なんとも色っぽい光と影の美しいイラストとストーリーを是非読んでほしいと思う。
前作の初コミック「今夜はテイクアウトにて」から次回作を楽しみにしていた作家さんなので、今回本当に堪能できた。
お互いが自分のすべてだと思っている彼等が、最後までふたりにとっての幸せであるようにと願ってしまう。
最期にはお前がいて欲しい……これがすべて