原作既読済み。原作ファンです。
ドラマCD化を聞いた時、この世界観を、音だけで表現できるのか?
変に安っぽくなったら、嫌だな、、、と思っていました。
そして、キャストを聞いて、はいはい、安定なとこを持ってきたんですね、、、と少し冷めた目線で見ていました。
イメージとしては洋画の吹き替えのようなイメージでしたが、ベニーの声の想像が出来ませんでした。天使でもなく、人間でなく、元天使の声、、、。
あの繊細で味わい深い絵柄で描かれるからこその、ベニーの愛らしさ。
文字で読むからこその実在感の無い人物像。
そこに肉声がついてしまったら、なんか違う!ベニーでなくなる、と思っていました、、、、、、、、が!
いやー、本当に感服致しました。感動しました。
ベニーでした。天使でなく、人間でもなく、「元天使」の愛らしいベニーが喋ってい
ました。生きていました。
正直、視聴を聞いた時、ターナーはもうピッタリ!そうそうこの、洋画の吹き替えの自然な感じ!と耳にスッと馴染んだのですが、ベニーに違和感を抱きました。
意外に低くて、天使っぽくない、、、と、、。でも、そうなんです。天使じゃない、人間にもなり慣れていない、青年なのです!
そして、CD全編を聴いてみたら、本当に全編、素晴らしかった!
ターナーはこれぞ、ターナー!というような温かみのある、自然な声音、洋画俳優の吹き替えのような語り口で、本当に洋画を聴いているようでした。
そしてベニー。聞けば聴くほど、天使でもなく、人間でもない、愛らしい青年の声と語り口。はだしの天使の世界観の根幹を担うキャラクターとしての役割を十二分、いや、一万分も満たしていて、野ノ宮先生の描かれたベニーがそこにいました!
二人の抑えた演技、繊細な世界観の描き方が素晴らしくて、ああ、なんていいドラマCD化なんだ!と、最初の疑念が吹き飛びました!
また、街の雑踏、音楽、猫ちゃん!細やかなシチュエーションの音も丁寧に作っている印象で、上質な映画でした。本当に聞けてよかった。
キャストも人気者を集めたんでしょ?とひねくれた、見方をしていたのですが、これは、お二人の抜群の演技力とバランス感覚が無ければなし得ない世界観でした。
実力があるからこその、大抜擢ですし、売れっ子さんなんだな、と、当たり前のことを改めて実感しました。
ぜひぜひ、2巻のCD化もお願いします!